【1】書式概要
この国内出張旅費規程は、企業が社員の出張費用を適切に管理するために欠かせない重要な書式です。会社の規模や業種を問わず、出張が発生する全ての企業において、旅費の支給基準を明確化し、経費管理の透明性を確保するために活用されています。
本規程では、役職に応じた旅費の支給額や交通手段の利用基準、日当や宿泊費の計算方法まで詳細に定められており、出張申請から精算まで一連の流れを体系的に管理することができます。特に、新幹線や航空機の利用条件、長期滞在時の特別な取り扱い、実費精算の適用条件など、実際の業務で起こりうる様々なケースに対応した実用的な内容となっています。
人事部門や総務部門の担当者が出張費用の基準を策定する際や、既存の規程を見直す際の参考資料として最適です。また、経営者や管理職の方が適切な出張費用の水準を検討する場面でも重宝します。Word形式で提供されているため、各企業の実情に合わせて金額や条件を自由に編集・カスタマイズが可能で、すぐに自社の規程として運用を開始できます。
【2】逐条解説
第1条(目的)
この条文は規程全体の適用範囲を明確にしています。役員と社員の両方を対象とすることで、会社全体の出張費用を統一的に管理できる仕組みを構築しています。
第2条(出張の定義)
50km以遠という具体的な距離基準を設けることで、通常の通勤との区別を明確にしています。例えば、東京から横浜程度の移動は出張に該当しませんが、東京から静岡への移動は出張として扱われます。
第3条(旅費の支給)
旅費を交通費、日当、宿泊費の3つに分類し、別表で具体的な金額を示すことで、支給基準の透明性を確保しています。これにより社員は事前に出張費用を把握できます。
第4条(日当および宿泊費の計算)
半日出張の場合の日当半額支給や、休日出発・帰着時の加算など、実際の出張パターンに応じた柔軟な計算方法を定めています。金曜夜出発で月曜朝帰着の場合、土日分の日当も支給されます。
第5条(起点・終点)
勤務地を基準とすることで、自宅からの出張と勤務地からの出張を区別し、不正な旅費請求を防止しています。
第6条(順路)
最も経済的な経路を原則とすることで、会社の経費削減を図りつつ、業務上必要な場合の例外も認めています。急な会議参加で特急利用が必要な場合などが該当します。
第7条(新幹線の利用)
片道100km以遠という基準により、東京から名古屋程度の距離から新幹線利用を認めることで、移動時間の短縮と業務効率の向上を図っています。
第8条(航空機の利用)
片道500km以遠という基準により、東京から大阪程度の距離から航空機利用を認め、長距離移動での時間効率を重視しています。
第9条(仮払い)
出張前の資金調達を支援することで、社員の経済的負担を軽減し、スムーズな出張実行を可能にしています。
第10条(精算)
1週間以内の精算義務により、出張費用の適切な管理と会計処理の迅速化を図っています。領収書の整理や報告書作成を促進します。
第11条(日帰り出張の励行)
宿泊費削減と私的時間の確保を両立させ、働き方改革にも配慮した規定です。新幹線の始発・終電を活用した日帰り出張を奨励しています。
第12条(チケットの交付)
現金支給が原則ながら、チケット交付による管理方法も選択できる柔軟性を持たせています。法人向け航空券の一括購入などで活用されます。
第13条(長期滞在旅費)
長期出張時の日当逓減制により、現地での生活費削減効果を反映させつつ、宿泊費は実費とすることで適切な宿泊環境を確保しています。
第14条(旅費の不支給)
私的な用事での経路変更時の費用負担を明確化し、公私の区別を厳格に管理しています。実家への立ち寄りや観光地経由などが該当します。
第15条(実費払い)
定額では対応困難な特殊事情に対する柔軟な対応を可能にし、支払証明書の提出義務により透明性を確保しています。海外からの来客対応時などで活用されます。
第16条(旅費の特例)
上級者との同行や取引先との同行時の格上げ費用や、相手方負担がある場合の調整など、実務で発生する複雑なケースに対応しています。
|