〔改正民法対応版〕物品賃貸借三者間契約書

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〔改正民法対応版〕物品賃貸借三者間契約書

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【1】書式概要

 

この契約書は、機械や設備などの物品を借りる会社、貸す会社、そしてその設備の保守やメンテナンスを担当する会社の三者が関わる賃貸借取引で使用する文書です。通常の賃貸借契約は貸し手と借り手の二者間で結ばれますが、高額な産業機械や専門的な設備の場合、メーカーや専門業者による定期的な保守点検が不可欠になります。そこで、借り手・貸し手・保守業者の三者が同時に契約を結ぶことで、誰がどんな責任を負うのかを明確にし、トラブルを未然に防ぐことができるのです。

 

たとえば、工場で使う生産ラインの機械をリースする場合、機械の所有者であるリース会社から借りて、製造元の技術者が定期メンテナンスを行うケースがよくあります。こうした場面では、故障したときに誰が修理費を負担するのか、機械が使えない期間の賃料はどうなるのか、といった点を事前にはっきりさせておく必要があります。この契約書はそうした複雑な関係性を整理し、三者それぞれの役割と義務をきちんと定めた実務的な書式となっています。

 

契約期間や賃料の支払方法、機械の設置場所、検査の手順、保守の頻度、契約解除の条件など、実際の取引で必要になる項目がすべて盛り込まれています。Word形式でダウンロードできるため、自社の取引内容に合わせて項目を追加したり、条件を調整したりと柔軟に編集することが可能です。専門的な知識がなくても、空欄を埋めていくだけで正式な契約書として使える構成になっており、中小企業の総務担当者や個人事業主の方でも安心してご利用いただけます。

 

設備投資の初期コストを抑えたい企業、最新機器を試験的に導入したい企業、メンテナンス体制込みで機械を調達したい企業にとって、この三者間契約は非常に実用的な選択肢です。契約書の作成に時間をかけず、スムーズに取引を進めたい方におすすめの書式です。

 

 

 

 

【2】条文タイトル

 

第1条(契約目的と三者の役割分担)
第2条(賃貸物件の内容と設置場所)
第3条(賃貸借期間と更新手続)
第4条(賃貸借料の金額と減額計算)
第5条(賃貸借料の請求と支払条件)
第6条(物件の搬入・設置・搬出の責任)
第7条(納入後の検査と不適合対応)
第8条(賃借人の使用・管理義務)
第9条(定期保守・点検・修理の実施)
第10条(操作指導と技術サポート)
第11条(所有権の所在と転貸等の禁止)
第12条(物件滅失・損傷時の損害賠償)
第13条(損害保険の付保義務)
第14条(物件の立入調査権)
第15条(契約終了時の返還手続)
第16条(品質不適合の責任期間)
第17条(納入遅延等による違約金)
第18条(秘密情報の取扱い)
第19条(契約上の地位の譲渡制限)
第20条(賃借人からの契約解除事由)
第21条(賃貸人からの契約解除事由)
第22条(解除後の清算手続)
第23条(契約外事項の協議解決)
第24条(紛争解決の管轄裁判所)

 

 

 

 

【3】逐条解説

 

第1条(契約目的と三者の役割分担)

この条文では、契約全体の目的と三者それぞれの基本的な役割を定めています。借り手は機械を使用し、貸し手は機械を提供し、保守業者は機械の操作指導とメンテナンスを担当するという構図です。三者が協力して契約を履行することが明記されており、これにより後々の責任の所在が曖昧にならないよう配慮されています。例えば、工作機械のリース取引で、リース会社が所有者、工場が使用者、機械メーカーが保守担当といった関係性がこれに当たります。

 

第2条(賃貸物件の内容と設置場所)

どんな機械をどこに設置するのかを具体的に定める条文です。物件明細書という別紙で詳細な仕様や型番、数量を記載することになっており、契約対象が明確になります。また、設置場所を勝手に変更できないことも規定されています。これは、機械が特定の環境を前提に保守計画が立てられているためです。たとえば、冷蔵倉庫の冷却設備を契約する場合、設置場所を変えると電源や配管の問題が生じるため、このような制約が設けられているわけです。

 

第3条(賃貸借期間と更新手続)

契約がいつからいつまで有効なのか、そして契約を延長したい場合の手続きを定めています。更新を希望するなら一定期間前に書面で申し出る必要があり、三者で協議して条件を決め直すという流れです。これにより、契約終了間際にバタバタすることなく、計画的に次の契約を検討できます。例えば、5年契約で産業用ロボットを借りている場合、4年目の段階で更新の意思を伝えておけば、スムーズに契約延長の交渉に入れるということです。

 

第4条(賃貸借料の金額と減額計算)

毎月いくら支払うのかを定める条文です。特徴的なのは、貸し手や保守業者の都合で機械が使えなくなった期間については、その日数分の賃料を日割りで減額するという仕組みです。1か月を30日として計算するルールも明記されており、計算方法が統一されています。たとえば、保守業者の修理ミスで機械が10日間止まった場合、その月の賃料は10日分減額されるため、借り手にとって公平な仕組みになっています。

 

第5条(賃貸借料の請求と支払条件)

請求書の発行タイミングや支払期限、支払方法を定めています。振込手数料は借り手負担とされ、支払が遅れた場合の遅延損害金の計算方法も明記されています。これにより、支払トラブルが起きた際の対処が明確です。例えば、経理処理の都合で支払が数日遅れた場合でも、年何パーセントの遅延利息が発生するかが契約書に書かれていれば、後から揉めることがありません。

 

第6条(物件の搬入・設置・搬出の責任)

機械の運搬や設置作業は保守業者が行い、その費用は貸し手が負担するという分担が定められています。作業中に工場の床や壁を傷つけた場合は保守業者が修復する義務も明記されており、借り手の施設を守る配慮がなされています。たとえば、大型プレス機を搬入する際に床を補強する必要があるケースでも、その作業責任は保守業者にあり、借り手は安心して任せられるという仕組みです。

 

第7条(納入後の検査と不適合対応)

機械が届いたら一定期間内に検査を行い、仕様通りかどうかを確認する手続きです。問題があれば修理や交換を求めることができ、期間内に検査しなければ問題なしとみなされます。これは借り手にとって重要な権利であり、納入時にきちんと動作確認をする習慣をつける必要があります。例えば、新品のはずの機械に傷があったり、動作が不安定だったりした場合、検査期間内に報告すれば無償で対応してもらえるわけです。

 

第8条(賃借人の使用・管理義務)

借り手は機械を丁寧に扱い、本来の用途で使うことが求められます。所有者の表示を剝がしてはいけないことや、勝手に改造してはいけないことも定められています。もし改造する場合は事前に貸し手の承諾が必要で、契約終了時には元に戻さなければなりません。例えば、食品加工機械に独自の部品を追加したい場合、まず貸し手に相談して許可を得る必要があり、返却時には追加部品を外して元の状態に戻すということです。

 

第9条(定期保守・点検・修理の実施)

保守業者が定期的にメンテナンスを行い、その費用を負担することが定められています。点検の頻度や事前通知の期限も明記されており、計画的な保守が可能です。ただし、借り手の不注意で壊れた場合の修理費は借り手負担となります。例えば、月1回の定期点検は保守業者の費用で行われますが、操作ミスでモーターを焼き切った場合の修理費は借り手が支払うという区別です。

第10条(操作指導と技術サポート)

機械の使い方や日常的なチェック方法について、保守業者が従業員に教育を行うことが定められています。また、使用中に技術的な問題が起きた場合の相談窓口としての役割も担います。これにより、借り手は安心して機械を運用できます。たとえば、新しい印刷機を導入した際、操作マニュアルだけでなく実地での指導を受けられるため、スタッフがすぐに使いこなせるようになります。

 

第11条(所有権の所在と転貸等の禁止)

機械の所有権は貸し手にあることを確認し、借り手が勝手に他人に貸したり売ったりできないことを定めています。万が一そうした行為が必要な場合は、事前に貸し手の書面承諾が必要です。これは、所有権を守るための基本的な条項です。例えば、グループ会社に機械を又貸ししたい場合でも、必ず貸し手の許可を取らなければならないということです。

 

第12条(物件滅失・損傷時の損害賠償)

借り手の過失で機械が壊れたり失われたりした場合、借り手が損害を賠償する義務を定めています。ただし、通常の使用による劣化や天災による被害については、この限りではありません。天災の場合は三者で協議して負担方法を決めるという柔軟な対応が盛り込まれています。例えば、火災で機械が焼失した場合、その原因が借り手の不注意なら全額賠償、地震が原因なら協議で分担を決めるということです。

 

第13条(損害保険の付保義務)

貸し手は機械に保険をかけることが義務付けられており、その費用も貸し手負担です。借り手の過失で損害が生じても、保険でカバーされた部分については賠償請求できないという公平な仕組みになっています。これにより、借り手のリスクが軽減されます。たとえば、操作ミスで機械が故障しても、保険金で修理できれば借り手に追加請求されないため、安心して使用できます。

 

第14条(物件の立入調査権)

貸し手と保守業者は、事前に連絡すれば設置場所に立ち入って機械の状態を確認できる権利を持ちます。ただし、借り手の業務を妨げない範囲で行う必要があります。これは、機械の適切な管理を確保するための条項です。例えば、年に一度の総点検で工場内に立ち入る際、事前にスケジュールを調整して生産ラインに支障が出ないよう配慮するということです。

 

第15条(契約終了時の返還手続)

契約が終わったら、借り手は速やかに機械を返却しなければなりません。基本的には現状のまま返せばよく、返却にかかる運送費などは貸し手が負担します。ただし、改造した場合は元に戻す義務があります。例えば、5年間使った機械を返す際、通常の使用による汚れや傷はそのままでよいですが、独自に取り付けた部品があれば外す必要があるということです。

 

第16条(品質不適合の責任期間)

機械が契約内容と違っていた場合、納入から1年間は修理や損害賠償を請求できます。保守業者の故意や重大なミスの場合は10年間請求可能です。これにより、欠陥のある機械を掴まされるリスクが軽減されます。例えば、カタログ性能を満たさない機械が納入された場合、1年以内なら無償で修理してもらえるということです。

 

第17条(納入遅延等による違約金)

貸し手や保守業者の都合で機械の納入が遅れたり、使えない期間が生じたりした場合、借り手は違約金を請求できます。計算方法も明記されており、さらに違約金で補えない損害があれば追加で賠償請求もできます。例えば、新工場の稼働開始日に合わせて機械を発注したのに納入が1か月遅れた場合、その間の逸失利益も含めて損害賠償を求められるということです。

 

第18条(秘密情報の取扱い)

契約に関連して知り得た技術情報や営業秘密を、相手の許可なく他人に漏らしてはいけないという守秘義務です。契約終了後も一定期間継続します。ただし、既に公開されている情報などは対象外です。例えば、保守業者が借り手の工場で独自の生産技術を知った場合、それを他社に教えることは禁止されるということです。

 

第19条(契約上の地位の譲渡制限)

貸し手と保守業者は、契約上の権利や義務を勝手に他人に譲渡できません。借り手の承諾があれば可能です。これにより、借り手は予期せぬ相手と取引させられることを防げます。例えば、貸し手が別のリース会社に契約を売却したい場合、借り手の同意が必要になるということです。

 

第20条(賃借人からの契約解除事由)

借り手は、貸し手や保守業者に重大な契約違反があった場合、契約を解除できます。納入遅延、不正行為、反社会的勢力との関係などが解除理由として列挙されています。解除した場合、損害賠償や違約金も請求できます。例えば、保守業者が暴力団関係者だと判明した場合、即座に契約を打ち切って違約金を受け取れるということです。

 

第21条(賃貸人からの契約解除事由)

貸し手も、借り手が義務違反を続けた場合は契約を解除できます。ただし、事前に催告して是正の機会を与える必要があります。損害が生じた場合は協議で賠償額を決めます。例えば、借り手が何か月も賃料を滞納し、催告しても支払わない場合、貸し手は契約を解除して機械を引き揚げられるということです。

 

第22条(解除後の清算手続)

契約が解除された場合、既に使用した期間分の賃料は支払う必要があります。日割計算のルールも適用されます。これにより、解除後の金銭的な処理が明確になります。例えば、3年契約の2年目で解除された場合、2年分の賃料は支払い、残り1年分は不要ということです。

 

第23条(契約外事項の協議解決)

契約書に書かれていないことや解釈が分かれることが起きた場合、三者で話し合って解決するという条項です。これにより、想定外の事態にも柔軟に対応できます。例えば、新しいオプション機器を追加したい場合、この条項に基づいて三者で条件を協議するということです。

 

第24条(紛争解決の管轄裁判所)

万が一裁判になった場合、どこの裁判所で争うかを事前に決めておく条項です。これにより、遠方の裁判所に呼び出されるリスクを避けられます。例えば、東京の会社同士なら東京地裁を指定しておけば、大阪まで出向く必要がなくなるということです。

 

 

 

 

【4】活用アドバイス

 

この契約書を実際に使う際は、まず空欄部分を自社の取引条件に合わせて埋めていくことから始めましょう。特に賃貸借期間、賃料、物件の詳細、設置場所などの基本情報は必ず正確に記入してください。また、保守点検の頻度や事前通知の期限、支払期限なども実務に即した現実的な日数を設定することが大切です。

 

別紙の物件明細書は、型番や製造番号まで細かく記載することをおすすめします。後々のトラブル防止に役立ちます。もし複数の機械を同時に契約する場合は、明細書の行を増やして全ての機械を漏れなく記載しましょう。

 

契約締結前には、三者で契約書の内容を読み合わせる機会を設けると良いでしょう。特に保守業者との間で、どこまでが無償の定期保守で、どこからが有償の修理になるのかといった境界線を明確にしておくことが重要です。曖昧なまま契約すると、後で費用負担を巡って揉める原因になります。

 

保険に関する条項も見落とせません。貸し手がどんな保険に加入しているのか、補償範囲はどこまでなのかを確認し、必要に応じて借り手側でも追加の保険を検討するとより安心です。

 

契約期間中は、保守業者からの作業報告書をきちんとファイリングして保管しておきましょう。機械の状態を記録として残すことで、契約終了時の返却検査がスムーズになりますし、万が一の損害賠償トラブルの際にも証拠資料として活用できます。

 

更新を検討する際は、契約書で定められた期限より早めに三者で打ち合わせを始めることをおすすめします。条件交渉や社内稟議に時間がかかることもありますので、余裕を持ったスケジュールで進めましょう。

 

 

 

 

【5】この文書を利用するメリット

 

この契約書を使う最大のメリットは、複雑な三者間の関係を一つの文書で整理できることです。通常、機械の賃貸借と保守契約を別々に結ぶと、それぞれの契約書の内容に矛盾が生じたり、責任の所在が不明確になったりするリスクがあります。しかし、三者が同じ契約書に署名することで、全員が同じ認識を持ち、トラブルを未然に防ぐことができます。

 

費用面でも明確な利点があります。誰がどの費用を負担するのか、使えない期間の賃料はどうなるのか、遅延や不具合が起きた場合の補償はどうするのかといった金銭的な取り決めが詳細に規定されているため、予期せぬ出費に悩まされる心配が減ります。

 

Word形式で編集可能なため、自社の取引慣行や業界の特性に合わせてカスタマイズできるのも大きな強みです。条項を追加したり、表現を変えたりと、柔軟に対応できます。一から契約書を作成する手間と時間を大幅に削減でき、しかも実務に即した内容が既に盛り込まれているため、抜け漏れの心配がありません。

 

また、契約解除や損害賠償、違約金といった"もしもの時"の対応も明記されているため、リスク管理の観点からも有効です。万が一のトラブルが起きても、契約書に基づいて冷静に対処できます。

 

中小企業や個人事業主にとっては、専門家に契約書作成を依頼するコストを節約できる点も見逃せません。この雛形を使えば、基本的な部分は既に整っているため、必要に応じて部分的に弁護士のチェックを受けるだけで済み、費用を抑えられます。

 

さらに、三者間で同じ契約書を共有することで、信頼関係の構築にもつながります。透明性の高い取引関係を作ることができ、長期的なビジネスパートナーシップを築く土台となるでしょう。

 

 

 

 

 

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