この契約書テンプレートはMicrosoft Word形式で提供されており、お客様の状況に合わせて項目を編集・カスタマイズすることができます。専門用語はできるだけ分かりやすい表現に置き換えており、初めて外部ライターとの契約を結ぶ方でも安心してご利用いただけます。委託者側のリスクを最小限に抑えつつ、必要な権利をしっかりと確保できる内容となっています。
【2】条文タイトル
第1条(業務委託の目的)
第2条(委託業務の内容)
第3条(契約期間及び履行期間)
第4条(報酬及び支払条件)
第5条(業務遂行上の義務)
第6条(成果物の検査及び受領)
第7条(知的財産権の帰属)
第8条(権利の保証及び第三者権利の非侵害)
第9条(機密保持)
第10条(契約内容の変更)
第11条(契約の解除)
第12条(損害賠償)
第13条(権利義務の譲渡禁止)
第14条(存続条項)
第15条(管轄裁判所)
【3】逐条解説
第1条(業務委託の目的)
この条項では契約の基本的な枠組みを定めています。委託者(依頼する側)と受託者(執筆者)の関係性を明確化し、どのような業務を委託するのかの大枠を示しています。委託者の主導権を明確にする構成となっています。
第2条(委託業務の内容)
執筆業務の具体的な内容を詳細に規定する条項です。執筆テーマ、記事の種別、納入回数、文字数の範囲、使用言語、納入形式などを明記します。例えば「健康に関するテーマ」「一般消費者向け記事原稿」「全12回」「1回当たり2000文字以上3000文字以下」といった具合に詳しく設定できます。委託者が求める仕様を詳細に指定できる仕組みとなっています。
第3条(契約期間及び履行期間)
契約全体の有効期間と、実際の執筆業務を完了させる期間を分けて定めています。長期連載の場合は契約期間を長めに設定し、各回の執筆期限は別表で管理するという実用的な仕組みになっています。委託者側の進行管理がしやすい構造となっています。
第4条(報酬及び支払条件)
執筆者への報酬額と支払い方法を規定する重要な条項です。消費税の扱い、支払い期限、振込手数料の負担者、支払い遅延時の対応まで網羅しています。年14.6%という遅延損害金の利率は民法に基づく標準的な設定です。振込手数料を委託者負担とする一方で、適切な検査期間を設けることで委託者の利益バランスを保っています。
第5条(業務遂行上の義務)
執筆者が守るべき基本的な義務を定めています。善良な管理者としての注意義務、進捗報告の義務、関連法令の遵守、第三者への再委託の禁止などが含まれます。特に再委託の禁止は、執筆者の変更による品質低下を防ぐために重要です。委託者への定期報告義務により、進捗管理を効率化できます。
第6条(成果物の検査及び受領)
納品された原稿の検査プロセスを定めています。委託者側に一定期間内での検査義務を課し、期間内に不適合の通知がなければ受領したものとみなすという仕組みです。修正や再作成が必要な場合の対応も規定されています。修正・再作成を無償で求めることができ、委託者の品質要求に柔軟に対応できます。
第7条(知的財産権の帰属)
最も重要な条項の一つです。執筆された記事の著作権が報酬支払い完了と同時に委託者に移転することを明記しています。また、著作者人格権の不行使についても規定し、後々の権利関係でのトラブルを防いでいます。委託者が著作権を完全に取得し、自由な利用・改変が可能となる委託者有利の設計です。
第8条(権利の保証及び第三者権利の非侵害)
執筆者に対し、作成する記事が他者の権利を侵害しないことを保証させる条項です。盗作や名誉毀損などのリスクから委託者を保護し、万が一問題が生じた場合の対応も明確化しています。委託者のリスクを執筆者に転嫁し、委託者を手厚く保護する内容となっています。
第9条(機密保持)
業務上知り得た情報の機密保持について定めています。契約終了後5年間の存続期間を設け、個人情報保護法の遵守も明記されており、現代のプライバシー保護要請に対応した内容となっています。委託者の機密情報を長期にわたって保護する仕組みです。
第10条(契約内容の変更)
契約内容を変更する際の手続きを規定しています。原則として書面による合意を要求しつつ、軽微な変更については委託者からの通知で対応できるという柔軟性も持たせています。委託者主導で契約内容を調整できる仕組みとなっています。
第11条(契約の解除)
契約解除の条件と手続きを定めています。違反による解除、経営状態悪化による解除、反社会的勢力との関係判明による解除など、様々な事由に対応できるよう設計されています。また、理由を問わない解除も可能としています。委託者側からの解除権を幅広く認め、柔軟な契約終了を可能にしています。
第12条(損害賠償)
契約違反による損害賠償の取り扱いを規定しています。不可抗力による損害については各自負担とするなど、合理的な責任分担が定められています。委託者が被った損害の回復を確実にする仕組みです。
第13条(権利義務の譲渡禁止)
執筆者が契約上の地位や権利義務を第三者に譲渡することを禁止しています。これにより委託者が想定していない第三者との関係を防げます。委託者の承諾なしには譲渡できない仕組みで、委託者の管理権を保護しています。
第14条(存続条項)
契約終了後も効力を持続させる条項を明記しています。著作権、機密保持、損害賠償などの重要な規定が含まれています。委託者の利益に関わる重要な権利を契約終了後も保護し続けます。
第15条(管轄裁判所)
紛争が生じた場合の管轄裁判所を定めています。委託者の本店所在地の地方裁判所を専属管轄とすることで、委託者側の利便性を図っています。委託者にとって最も便利な裁判所での解決を可能にしています。
【4】活用アドバイス
この契約書を効率的に活用するためには、まず空欄部分を自社の状況に合わせて適切に記入することから始めましょう。執筆テーマや文字数、報酬額などは案件ごとに変わる部分ですので、毎回しっかりと確認して入力してください。
この契約書は委託者有利の内容となっているため、発注者側の立場から安心して使用できます。特に重要なのは第2条の業務内容です。曖昧な記述は後々のトラブルの元となりますので、できるだけ具体的に記載することをお勧めします。「健康食品の紹介記事」ではなく「30代女性向け健康食品の効果・使用方法に関する体験談風記事」といった具合に詳しく書くと良いでしょう。
報酬の支払い条件についても、自社の経理処理サイクルと照らし合わせて現実的な期間を設定してください。また、執筆者との最初の打ち合わせ時には、この契約書の主要な点について口頭でも説明し、双方の理解を深めることが大切です。委託者保護の観点から設計された各条項について、執筆者に事前に理解してもらうことが重要です。
長期にわたる連載企画の場合は、別表の履行期間を活用して各回の締切を明確に管理しましょう。これにより進行管理が格段に楽になります。
【5】この文書を利用するメリット
この契約書を利用することで得られるメリットは多岐にわたります。**最大の特徴は委託者側の権利と利益を重視した設計となっていることです。**まず、著作権の帰属が明確になることで、記事の二次利用や改変を自由に行うことができます。これは特にウェブメディアや企業ブログにおいて、SEO対策のための記事更新や内容のアップデートを行う際に重要な権利となります。
また、執筆者との責任範囲が明確化されることで、万が一の権利侵害トラブルからも身を守ることができます。昨今はコンテンツの著作権侵害に関する問題が多発していますが、この契約書があることで執筆者側に適切な責任を負わせることができます。権利侵害のリスクを執筆者に転嫁することで、委託者のリスクを最小化できます。
機密保持条項により、企業の内部情報や未発表の商品情報などを安心して執筆者に開示できるようになります。これにより、より具体的で価値のあるコンテンツを作成してもらうことが可能になります。5年間という長期の機密保持期間により、委託者の情報が確実に保護されます。
支払い条件や納期が明文化されることで、執筆者との信頼関係も構築しやすくなります。委託者の都合に合わせた柔軟な契約変更や解除も可能で、ビジネス環境の変化に対応できます。