退職時SNS投稿に関する誓約書(口コミサイト・誹謗中傷対策/公益通報保護条項付き)

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退職時SNS投稿に関する誓約書(口コミサイト・誹謗中傷対策/公益通報保護条項付き)

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【1】書式概要

 

この書式は、退職する従業員に対して、退職後にSNSや口コミサイトで会社の悪口や虚偽の情報を投稿しないことを約束させるための誓約書です。

 

最近は、退職した元従業員がX(旧Twitter)やInstagramで会社の内情を暴露したり、転職会議やOpenWorkといった口コミサイトに低評価レビューを書き込んだりするケースが増えています。なかには事実無根の内容や、誇張された悪評が広まってしまい、採用活動に深刻な影響が出たり、取引先からの信用を失ったりする会社も少なくありません。一度ネット上に広まった情報は完全に消すことが難しく、いわゆる「デジタルタトゥー」として残り続けてしまいます。

 

この誓約書は、そうした風評被害やレピュテーションリスクを未然に防ぐために作成しました。禁止しているのは、虚偽の事実を書くこと、名誉や信用を傷つける投稿、秘密情報や個人情報の漏洩といった合理的な範囲に絞っています。一方で、公益通報や労働基準監督署への相談、弁護士への相談などは対象外としており、従業員の正当な権利を不当に制限しないよう配慮しています。

 

使用する場面としては、退職届を受理した後、最終出社日までの間に他の退職関連書類と一緒に提出してもらうのが一般的です。特に、円満でない退職や、トラブルを抱えたまま辞めていく従業員に対しては、この誓約書を取っておくことで、その後の紛争リスクを大幅に減らせます。

 

Word形式でお渡ししますので、会社名や有効期間など、御社の実情に合わせて自由に編集してお使いいただけます。

 

 

 

 

【2】条文タイトル

第1条(目的)
第2条(対象となる媒体)
第3条(禁止行為)
第4条(適用除外)
第5条(投稿の削除)
第6条(損害賠償)
第7条(有効期間)
第8条(有効性)

 

 

 

 

【3】逐条解説

 

第1条(目的)

この条文は、誓約書の趣旨を明らかにしています。会社の正当な利益を守ることと、退職者の表現の自由のバランスを取ることが目的だと宣言しています。なぜわざわざこんな条文を入れるかというと、「会社が一方的に口封じをしている」という印象を和らげ、誓約書全体の有効性を高めるためです。裁判になったとき、この目的条項があることで「合理的な内容である」と判断されやすくなります。

 

第2条(対象となる媒体)

禁止の対象となるメディアを具体的に列挙しています。XやInstagramといったSNSだけでなく、転職会議やOpenWorkのような口コミサイト、個人ブログ、5ちゃんねるのような掲示板まで幅広くカバーしています。こうして具体的に書いておかないと、「口コミサイトは含まれないと思った」という言い逃れを許してしまいます。たとえば、退職者が転職会議に「残業代が出ない」「パワハラが横行している」と書き込むケースは非常に多いので、明確に対象に含めておくことが重要です。

 

第3条(禁止行為)

何を投稿してはいけないのかを具体的に定めています。ポイントは、「すべての投稿を禁止」しているわけではないことです。禁止しているのは、嘘を書くこと、名誉を傷つけること、秘密情報を漏らすこと、個人情報を晒すことなど、会社に実害を与える行為に限定しています。たとえば「〇〇会社の社長は反社と繋がっている」という虚偽投稿や、「経理の田中さんは横領している」といった名誉毀損に該当する投稿が禁止対象です。逆に言えば、単なる感想レベルの投稿までは禁止していません。

 

第4条(適用除外)

禁止行為に当たらない例外を定めています。公益通報者保護法に基づく内部告発、労働基準監督署への相談、弁護士への相談、裁判での証言などは、この誓約書があっても自由にできます。また、真実であり、かつ公益目的の投稿も例外です。これらの例外規定を設けることで、「不当な口封じ」という批判を回避し、誓約書の有効性を確保しています。実際、こうした例外がない誓約書は、公序良俗違反として無効とされるリスクがあります。

 

第5条(投稿の削除)

違反投稿が見つかった場合の対応を定めています。会社から削除を求められたら、退職者は速やかに投稿を消さなければなりません。実務上、違反投稿を発見しても、いきなり損害賠償請求に進むのではなく、まずは削除要請から始めるケースがほとんどです。この条文があることで、削除に応じない場合は損害賠償も辞さない、という姿勢を示すことができます。

 

第6条(損害賠償)

違反した場合の責任を明確にしています。売上の減少、信用回復のためにかかった費用(たとえば対策業者への依頼費用や謝罪広告費)、弁護士費用なども含めて賠償対象になることを明記しています。この条文自体に抑止力があり、「誓約書にサインしたのだから、下手なことは書けない」という心理的ブレーキになります。

 

第7条(有効期間)

誓約書の効力がいつまで続くかを定めています。一般的な投稿禁止は有期(たとえば2年や3年)としつつ、秘密情報や個人情報に関する義務は無期限としています。なぜ分けるかというと、退職後何十年も一切の投稿を禁止するのは厳しすぎて無効になるリスクがある一方、秘密情報の漏洩は時間が経っても許されるべきではないからです。

 

第8条(有効性)

誓約書の一部が無効になっても、他の部分は有効であり続けるという条項です。たとえば有効期間が長すぎると判断されて第7条の一部が無効になっても、損害賠償条項など他の条文は生き残ります。これを「分離可能性条項」といい、契約実務では標準的に入れるものです。

 

 

 

 

【4】FAQ

 

Q1. 退職者が口コミサイトに事実を書いた場合も違反になりますか?

事実であっても、名誉毀損に該当する場合は違反になり得ます。ただし、第4条で「真実に基づく事実であり、かつ公益を図る目的」の場合は例外としているため、たとえば違法行為を告発する投稿は保護されます。単なる悪意の暴露と、公益目的の告発では扱いが異なります。

 

Q2. この誓約書で口コミサイトへの投稿を完全に防げますか?

残念ながら、誓約書があっても投稿自体を物理的に防ぐことはできません。ただし、誓約書があることで抑止力になりますし、違反があった場合に削除要請や損害賠償請求の根拠になります。また、裁判での証拠としても機能します。

 

Q3. 有効期間は何年が適切ですか?

一般的には2年から3年程度が多いです。ただし、秘密情報や個人情報の漏洩については期間の定めなく禁止するのが通常です。期間が長すぎると、表現の自由を過度に制限するとして無効とされるリスクがあります。

 

Q4. 退職者が匿名で投稿した場合、誰が書いたか特定できますか?

発信者情報開示請求という制度を使えば、匿名投稿者を特定できる場合があります。2022年の法改正で手続きが簡素化され、以前より特定しやすくなりました。この誓約書があれば、特定後の損害賠償請求がスムーズに進みます。

 

Q5. 署名を拒否された場合はどうすればいいですか?

署名の強制はできません。ただし、入社時の就業規則や雇用契約書にSNS投稿に関する条項を入れておくことで、退職時の署名拒否リスクを減らせます。また、退職金の支払いと同時に署名を求めるなど、タイミングを工夫することも有効です。

 

Q6. 公益通報者保護法との関係はどうなりますか?

公益通報者保護法に基づく内部告発は、第4条で明確に除外しています。法令違反を行政機関に通報する行為まで禁止してしまうと、誓約書全体が無効になるリスクがあるためです。この条項があることで、従業員の正当な権利を守りつつ、誓約書の有効性も確保できます。

 

 

 

 

【5】活用アドバイス

 

退職理由を問わず全員から取得する

「円満退職だから大丈夫」と思っていても、退職後に心変わりすることは珍しくありません。全員から機械的に取得するルールにしておけば、不公平感もなく、取得漏れも防げます。

 

口コミサイトのモニタリング体制を整える

誓約書を取っただけでは意味がありません。転職会議、OpenWork、Googleマップの口コミなど、定期的にチェックする体制を整えましょう。違反投稿を早期に発見すれば、被害が拡大する前に対処できます。

 

削除要請の手順を決めておく

違反投稿を発見した場合の対応フローを事前に決めておくとスムーズです。まずは本人への削除要請、それでも応じなければサイト運営者への削除依頼、最終的には法的措置という流れが一般的です。

 

就業規則と連動させる

退職時だけでなく、入社時や在職中からSNSポリシーを周知しておくことが重要です。就業規則にSNS利用に関する規定を設け、定期的に研修を行っておけば、退職時の誓約書も自然に受け入れてもらえます。

 

証拠を残しておく

違反投稿のスクリーンショットは必ず保存しましょう。URLと日時も記録しておくことが重要です。投稿者が削除してしまう前に証拠を確保することで、後の法的措置がスムーズに進みます。

 

 

 

 

 

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