【1】書式概要
この限度付金銭消費貸借予約契約書は、企業間での柔軟な資金調達を実現するためのWord形式契約書テンプレートです。通常の一括借入とは異なり、設定した限度額の範囲内で必要な時に必要な分だけ借入れができる画期的な仕組みを採用しています。
改正民法に完全対応しており、連帯保証人を設定せずに二者間のみで契約を締結できるため、手続きが簡素化され、迅速な資金調達が可能になります。製造業での設備投資、建設業での材料費調達、小売業での仕入資金確保、IT企業での開発資金調達など、様々な業種で活用されています。
特に運転資金の調達において威力を発揮し、事業の季節変動や突発的な資金需要に対応できる柔軟性を持っています。契約書はWord形式で提供されるため、企業名や金額、期日などを簡単に編集でき、印刷後すぐに使用できます。
金融機関からの借入れが困難な中小企業同士の取引や、親会社から子会社への資金提供、関連会社間での資金融通など、多様な場面で重宝される実用的な書式です。年利5%の標準的な利率設定と、期限の利益喪失条項も明確に規定されており、トラブル防止にも配慮した内容となっています。
【2】条文タイトル
第1条(限度額) 第2条(貸付) 第3条(弁済) 第4条(期限の利益の喪失) 第5条(費用負担) 第6条(合意管轄)
【3】逐条解説
第1条(限度額)
この条項では契約の根幹となる貸付限度額を定めています。通常の借入契約と大きく異なるのは、一度に全額を借りるのではなく、設定した上限額の範囲内で分割して借入れができる点です。例えば限度額を1000万円に設定した場合、最初に300万円、後日追加で200万円といった具合に、事業の資金需要に応じて柔軟に利用できます。
第2条(貸付)
実際の借入手続きについて詳細に規定した重要な条項です。借り手は文書での申込みが必要で、既に返済した分については限度額の計算から除外されるため、繰り返し利用が可能です。期限の利益を失った後は新規貸付を停止する安全装置も設けられています。振込手数料の負担者も明確にしており、実務上のトラブルを防ぐ配慮がなされています。
第3条(弁済)
返済方法と利息の取り扱いを定めた条項です。複数回に分けて借入れた場合でも、全ての借入金を統一した期日に一括返済する仕組みとなっています。年5%という利率は市場水準を考慮した現実的な設定で、遅延した場合の損害金率も年14.6%と法定利率を参考にした適正な水準です。
第4条(期限の利益の喪失)
借り手が契約違反や経営危機に陥った場合の対応を定めた保全条項です。手形の不渡りや破産申立て、差押えなどの事態が発生すると、自動的に全額の即時返済義務が生じます。これにより貸し手は迅速な債権回収が可能となり、損失の拡大を防ぐことができます。中小企業間の取引では特に重要な条項といえるでしょう。
第5条(費用負担)
契約締結に伴う諸費用の負担者を明確にした条項です。通常は借り手が負担することが多く、印紙代や公証人費用などが該当します。シンプルな条項ですが、後日の紛争を避けるため必要不可欠な規定です。
第6条(合意管轄)
万が一紛争が生じた場合の裁判所を予め決めておく条項です。専属的合意管轄により、当事者双方が同じ裁判所で争うことになり、複数の裁判所での並行審理を防ぎます。地理的利便性や貸し手の本店所在地などを考慮して裁判所を選択するのが一般的です。
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