ハラスメント被害に関する損害賠償請求書

ダウンロードには会員登録が必要です。

ハラスメント被害に関する損害賠償請求書

¥2,980
/
税込

【1】書式概要 

 

この文書は職場でハラスメントを受けた被害者が、加害者に対して損害賠償を請求するための正式な請求書のテンプレートです。職場での性的嫌がらせ、暴言、脅迫、退職妨害などの具体的なハラスメント行為とその結果生じた精神的・経済的被害について詳細に記載し、法的根拠に基づいて賠償を求める内容になっています。

 

この書式は、会社を辞めた後にハラスメントによる損害の補償を求める場合や、在職中に受けた不当な扱いに対して正式に異議を申し立てる際に活用できます。例えば、上司からの度重なる暴言で精神的に追い詰められ休職を余儀なくされたケースや、セクハラ被害で職場環境が著しく悪化した状況などで使用されます。

 

職場でのハラスメント問題は残念ながら珍しくなく、実際に2023年の厚生労働省の調査では約3割の方が何らかのハラスメントを経験していると報告されています。この書式を使うことで、被害者は自分の権利を守るための第一歩を踏み出すことができるでしょう。

 

〔条文タイトル〕

 

第1条(雇用関係)
第2条(ハラスメント行為の事実)
第3条(性的嫌がらせ行為)
第4条(暴言行為)
第5条(脅迫行為)
第6条(退職妨害行為)
第7条(被害の内容)
第8条(精神的被害)
第9条(経済的被害)
第10条(法的根拠)
第11条(証拠)
第12条(損害賠償請求額)
第13条(支払方法)
第14条(回答期限)
第15条(示談の可能性)
第16条(法的措置)
第17条(証拠保全)
第18条(再発防止要求)
第19条(謝罪要求)
第20条(連絡先)

 

【2】逐条解説

 

職場でのハラスメント被害は決して軽視されるべきではなく、適切な補償を求める権利が被害者にはあります。この文書は、ハラスメント被害者が加害者や企業に対して正式に損害賠償を請求するためのテンプレートです。以下では、各条項の意味と重要性について詳しく解説します。

逐条解説

第1条(雇用関係)

 

この条項では、請求者と被請求者との雇用関係の基本情報を明確にします。勤務期間、職位、雇用終了日とその経緯を記載することで、事案の基本的な時間的・人的枠組みを設定します。例えば「2022年4月1日から2023年8月31日まで、営業部主任として勤務」といった具体的な記載が求められます。これは後の請求の正当性を裏付ける重要な基礎情報となります。

 

第2条(ハラスメント行為の事実)

 

全体的なハラスメント行為の存在を宣言し、後続の条項でそれらを詳細に記述する旨を示します。ここでは具体的な事実の列挙は避け、後の条項への導入部分として機能します。「継続的にハラスメント行為を行った」という事実の概要を示すことで、請求の基本的な性質を明らかにします。

 

第3条(性的嫌がらせ行為)

 

セクシュアルハラスメントに該当する具体的行為とその時期を記載します。例えば「2023年6月の社内会議後、不必要な身体接触を繰り返した」「プライベートな写真を見せるよう何度も要求した」など、具体的で客観的な事実を記述します。曖昧な表現は避け、日時や場所、状況も可能な限り明確にすることで、行為の悪質性を示すことができます。

 

第4条(暴言行為)

 

パワーハラスメントの一種として、具体的な暴言や侮辱的発言の内容と、それが行われた日時・状況を記録します。「無能」「使えない」といった人格を否定する言葉や、大声での叱責など、具体的な発言内容を引用形式で記載することが効果的です。特に他の社員の前での公然とした侮辱は、名誉毀損としての側面も持ちます。

 

第5条(脅迫行為)

 

被請求者による脅迫的言動の詳細を記します。例えば「このプロジェクトを成功させないと君の居場所はない」「文句を言うなら明日から来なくていい」といった発言は、労働者の地位を不当に脅かす行為に当たります。こうした発言が持つ圧力や精神的影響力を具体的に説明することが重要です。

 

第6条(退職妨害行為)

 

退職の意思表示に対する不当な妨害行為を記載します。退職届の受理拒否や手続きの遅延、不当な条件提示などが該当します。例えば「引継ぎ文書の作成に加えて、後任者が見つかるまで退職を認めない」など、法的に認められない条件を課す行為などを詳細に記述します。

 

第7条(被害の内容)

 

ハラスメント行為による被害の概要を述べ、次条以降の詳細な被害内容への導入部分となります。

 

第8条(精神的被害)

 

ハラスメントによって生じた具体的な精神的被害を記録します。不眠、食欲不振、うつ病などの症状と、それを裏付ける医師の診断結果や通院記録を記載します。例えば「2023年7月15日より睡眠障害が悪化し、同年8月に適応障害と診断され、週1回の通院が必要となった」など、具体的な経過を示すことが重要です。

 

第9条(経済的被害)

 

精神的被害に伴う経済的損失を具体的な金額で示します。医療費、休業による収入減少、転職に伴う収入減少などを算定します。例えば「通院費として月額5,000円×6ヶ月=30,000円」「休業期間(2ヶ月)の給与630,000円」など、具体的な計算根拠を明示することで説得力が増します。

 

第10条(法的根拠)

 

請求の法的根拠となる条文を列挙します。不法行為責任(民法第709条)、使用者責任(民法第715条)、労働契約法における安全配慮義務(第5条)などが一般的です。これらの法令に基づいて損害賠償責任が発生する理由を簡潔に説明します。

 

第11条(証拠)

 

主張を裏付ける証拠の種類とその概要を記載します。電子メール、メッセージ、録音、目撃者証言、診断書などが該当します。例えば「2023年6月10日付けの被請求者からのメール」「同僚Aさんの目撃証言(2023年7月5日の出来事について)」など、証拠の信頼性を示す情報も含めると良いでしょう。

 

第12条(損害賠償請求額)

 

精神的損害(慰謝料)、実費(医療費など)、休業損害、逸失利益などの具体的金額とその合計を示します。例えば「精神的損害に対する慰謝料として200万円」「実費として医療費18万円」など、それぞれの項目ごとに金額を明示し、その算定根拠を別紙で詳細に説明することが一般的です。

 

第13条(支払方法)

 

損害賠償金の振込先口座情報と支払期限を指定します。振込手数料は被請求者負担とするのが通常です。指定する支払期限は、相手方が検討するのに合理的な期間(通常14日程度)を設定します。

 

第14条(回答期限)

 

被請求者からの回答期限を設定し、期限内に回答がない場合や誠意ある回答がない場合の対応方針を示します。一般的には請求書受領後14日程度が妥当とされています。「14日以内に書面または電子メールでの回答を求める」といった具体的な回答方法も指定しておくと良いでしょう。

 

第15条(示談の可能性)

 

法的手続きに進む前に、示談による解決の可能性を示します。これは請求者が必ずしも裁判等の対立的解決を望んでいないことを示し、被請求者に早期解決の機会を提供する意味があります。実際、多くのハラスメント事案は最終的に示談で解決していることを念頭に置いておくと良いでしょう。

 

第16条(法的措置)

 

示談が成立しない場合に取りうる法的手段を列挙します。労働審判、民事訴訟、労働基準監督署への申告などが代表的です。これにより請求者が単なる脅しではなく、実際に法的措置を取る準備があることを示します。例えば「労働審判は比較的短期間(平均2.5ヶ月程度)で結論が出るため、第一選択として検討している」など、具体的な方針を示すこともあります。

 

第17条(証拠保全)

 

請求者側の証拠保全状況を述べるとともに、被請求者に対して関連証拠の保全を求めます。メール、社内文書、監視カメラ映像などの破棄は「証拠隠滅」として新たな不法行為になりうることを警告することで、重要な証拠の散逸を防ぎます。

 

第18条(再発防止要求)

 

金銭的補償だけでなく、職場環境改善のための具体的な措置も求めます。研修実施、相談窓口設置、処分規定整備などが一般的です。これは単に個人の被害回復だけでなく、同様の被害者を出さないための社会的意義を持つ要求です。「月1回のハラスメント防止研修の実施」「社外の専門家による相談窓口の設置」など、実施可能な具体的措置を提案することも効果的です。

 

第19条(謝罪要求)

 

被害の回復には金銭的補償だけでなく、精神的な謝罪も重要であることを示します。書面による謝罪を求め、その内容に含めるべき要素(事実関係の認識、違法性の認識、謝罪の意思、再発防止への誓約)を明示します。謝罪の形式(社内公表の有無など)についても具体的に記載することがあります。

 

第20条(連絡先)

 

請求に関する連絡先を明記します。請求者本人の連絡先または代理人(弁護士など)の連絡先を記載し、連絡の際の注意事項(件名の記載方法など)も指定します。迅速かつ確実な連絡のために、複数の連絡手段(電話、メール、郵便など)を記載しておくと良いでしょう。

 

この請求書の活用方法

 

この損害賠償請求書は、職場でのハラスメント被害に対して正式に補償を求める第一歩として活用できます。使用する際は以下の点に注意しましょう。

 

  1. 客観的事実を中心に記載する:感情的な表現よりも、日時・場所・内容を具体的に記載することで説得力が増します。

  2. 証拠を整理する:メール、メッセージ、録音、診断書など、主張を裏付ける証拠を整理し、必要に応じて添付します。

  3. 金額の算定根拠を明確にする:特に慰謝料などの算定が難しい項目については、類似判例などを参考に合理的な金額設定を心がけます。

  4. 専門家に相談する:可能であれば、弁護士など労働問題の専門家に相談し、内容の妥当性を確認することをおすすめします。

 

職場でのハラスメントは決して我慢すべきものではありません。この請求書を適切に活用することで、被害の回復と尊厳の回復を目指しましょう。

 

 

RuffRuff App RuffRuff Apps by Tsun

Customer Reviews

Be the first to write a review
0%
(0)
0%
(0)
0%
(0)
0%
(0)
0%
(0)

おすすめ書式テンプレート

最近チェックしたテンプレート