【1】書式概要
この「コンプライアンス会議規程」は、企業や組織において法令遵守と社会的責任を果たすための会議体制を整備する際に活用する規程のひな形です。現代の企業経営では、単に利益を追求するだけでなく、法令を正しく守り、社会から信頼される行動が求められています。
本規程は、役員から各部署の代表者まで参加する定期的な会議を通じて、組織全体にコンプライアンス意識を浸透させることを目的としています。特に、経営陣の方針を現場まで確実に伝達し、各部署で法令違反や不祥事が発生しないよう予防策を講じる仕組みを構築できます。
実際に使用する場面としては、新しく会社を設立した際の内部統制体制の整備、既存企業でのコンプライアンス体制の見直し、監査対応や取引先からの信頼確保が必要な場合などが挙げられます。また、上場を目指す企業や、取引先から内部統制の整備を求められている中小企業にとって、この規程は組織運営の基盤となる重要な文書になります。
Word形式で提供されているため、自社の組織構成や業務内容に合わせて条文を修正・追加することが可能です。業種や規模を問わず、どのような組織でも活用できるよう汎用性の高い内容となっています。
【2】条文タイトル
- 第1条(総則)
- 第2条(目的)
- 第3条(開催)
- 第4条(構成)
- 第5条(議題)
- 第6条(議長)
- 第7条(周知)
- 第8条(事務局)
- 第9条(付則)
【3】逐条解説
第1条(総則)
この条文は規程全体の適用範囲を明確にしています。「コンプライアンス会議」という名称を正式に定義し、以後の条文で単に「会議」と表記する際の基準を設けています。組織内で複数の会議体が存在する場合でも、この規程がどの会議について定めたものかが一目で分かるようになっています。
第2条(目的)
会議開催の根本的な理由を示した条文です。法令遵守だけでなく「社会的良識」という表現を用いることで、法律に違反していなくても社会から疑問視される行為を避けるという、より高い倫理観を求めています。例えば、環境配慮や地域貢献といった法律では義務付けられていない分野でも、企業として適切な判断を行う姿勢を示しています。
第3条(開催)
会議の開催頻度を年1回と定めています。この頻度設定により、継続的なコンプライアンス体制の維持と、参加者の負担軽減のバランスを図っています。ただし、緊急事態や重要案件が発生した場合は、別途臨時会議を開催することも可能な柔軟性を持たせています。
第4条(構成)
会議参加者の範囲と代理出席の仕組みを定めています。役員から各課の代表者まで幅広く参加させることで、経営層の方針が現場まで直接伝わる体制を構築しています。課長の代理出席制度により、業務都合で参加できない場合でも会議の継続性を保てるよう配慮されています。実際の運用では、代理者への事前説明や会議後のフォローアップが重要になります。
第5条(議題)
会議で扱う内容を2つの項目に整理しています。経営方針に関することで会社の方向性を共有し、法令遵守に関することで具体的な注意点や対策を検討します。例えば、新しい法律の施行に伴う対応策や、業界内で発生した不祥事を踏まえた予防策などが議題になります。
第6条(議長)
社長が議長を務めることで、コンプライアンスに対する経営トップの強いコミットメントを示しています。社長不在時の代行順位も明確にし、会議の権威性と継続性を確保しています。これにより、参加者にとって会議の重要性が明確に伝わり、真剣な議論が期待できます。
第7条(周知)
会議で決定された内容を組織全体に浸透させる仕組みです。各課の代表者が自部署のメンバーに確実に伝達することで、コンプライアンス意識を全社員に広げています。単なる情報伝達だけでなく、不祥事防止という明確な目標を掲げることで、周知活動の重要性を強調しています。
第8条(事務局)
会議運営の実務を担当する部署を明確にしています。総務部門が事務局を務めることが一般的ですが、組織によっては法務部門やコンプライアンス専門部署が担当する場合もあります。事務局の責任範囲を明確にすることで、会議の準備から記録作成まで一貫した運営が可能になります。
第9条(付則)
規程の施行日を定める条文です。年月日の部分は実際の運用開始日に合わせて記入します。新しい組織や制度変更の際は、準備期間を考慮して適切な施行日を設定することが重要です。また、規程の改定が必要になった場合の手続きについても、別途定めておくことが推奨されます。
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