【1】書式概要
この文書は、自動車と歩行者との間で接触がなくても転倒や負傷が生じた場合に利用できる示談契約書のひな型です。近年は自動車と歩行者の非接触事故が増えており、保険対応や補償の取り決めが曖昧になりやすいため、当事者同士が合意した条件を明文化しておくことは非常に重要です。
本書式を活用することで、事故の詳細、損害額、支払方法、将来における追加請求の有無まで整理して記録することができます。Word形式で編集可能なため、日付・氏名・金額などを入力するだけで即座に利用可能です。交通事故が発生した直後に当事者間で円満に解決を図りたい場合や、保険会社とのやり取りをスムーズにしたい場面で役立ちます。
【2】条文タイトル一覧
第1条(事故の詳細) 第2条(責任の認定) 第3条(損害の確定) 第4条(損害賠償金の額) 第5条(支払方法) 第6条(遅延損害金) 第7条(振込手数料の負担) 第8条(領収証の交付) 第9条(保険金との関係) 第10条(完全な解決) 第11条(秘密保持義務) 第12条(将来における症状発症時の取扱い) 第13条(契約不適合責任の排除) 第14条(紛争の解決) 第15条(契約の成立及び効力発生)
【3】逐条解説
第1条(事故の詳細)
事故がいつ、どこで、どのように発生したかを明確に記録する条文です。発生日時や車両情報を具体的に書き込むことで、後々の証拠資料としても有効に機能します。例えば「交差点で歩行者が急に転倒した」などの状況を残すことで、曖昧さを防げます。
第2条(責任の認定)
誰に責任があるかを明確に示す部分です。過失を認めた上で示談に進むことで、争いが長期化するリスクを抑えられます。裁判回避を望む双方にとって安心材料となります。
第3条(損害の確定)
治療費や通院費、慰謝料など、損害額を具体的に記載します。数字を確定しておくことで、後から「追加で請求したい」といったトラブルを防げます。
第4条(損害賠償金の額)
当事者間で合意した最終的な支払額を定める部分です。金額を明記することで支払義務が明確になり、双方の安心感につながります。
第5条(支払方法)
支払期日や振込口座を記録します。例えば「〇月〇日までに銀行振込」としておくと、実務がスムーズになります。
第6条(遅延損害金)
支払が遅れた場合の利息について定める条文です。万一の不履行を抑止する効果があります。
第7条(振込手数料の負担)
銀行振込の手数料を誰が負担するかを明確にします。小さなことでもトラブル防止になります。
第8条(領収証の交付)
支払いが完了した際に領収証を発行する義務を記載しています。これにより「払った・払っていない」の水掛け論を防げます。
第9条(保険金との関係)
加害者が保険会社から保険金を受け取っても、被害者への支払い義務が消えないことを確認する条文です。
第10条(完全な解決)
本契約で全てが解決したことを明記する部分です。「これ以上請求しない」という合意を確認することで、将来の紛争リスクを減らします。
第11条(秘密保持義務)
事故の内容や示談条件を第三者に漏らさないことを定めています。プライバシーや評判への影響を防ぐ意味があります。
第12条(将来における症状発症時の取扱い)
後から新しい症状が出ても追加請求できない原則を定めています。ただし診断書で既に明らかだったのに隠していた場合は例外とされています。
第13条(契約不適合責任の排除)
本契約そのものに不備があっても、双方で責任を負わないことを確認する条文です。
第14条(紛争の解決)
万一の争いが裁判に発展した場合、どの裁判所を使うかをあらかじめ決めておきます。
第15条(契約の成立及び効力発生)
署名・押印の時点で効力が生じることを確認する条文です。契約が有効に成立するタイミングを明確化しています。
【4】活用アドバイス
この文書を利用する際は、事故直後の混乱が収まった段階で当事者双方が冷静に合意できるタイミングで署名するのが効果的です。
保険会社や代理人に事前に相談し、金額や内容に不備がないかを確認すると安心です。また、Word形式なので、会社ロゴや弁護士の確認印を追記するなど、実務に即した形に加工しやすいのも利点です。
【5】この文書を利用するメリット
・交通事故の賠償範囲を明文化できるため、後日のトラブルを予防できる ・保険金請求や裁判対応の資料としても役立つ ・弁護士に依頼せずとも基本的な示談合意を整備できる ・Wordで簡単に編集でき、すぐに利用可能
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