〔1〕書式概要
この書式は、従業員が会社に対して兼業や副業を行いたいときに届け出るための雛型です。企業における副業解禁や働き方改革が進む中、事前に会社の承認を得ることは、労務管理やトラブル防止のために欠かせません。本書式を活用することで、従業員は兼業内容を明確に示し、会社は労働時間や情報漏洩リスクの有無を確認できます。
例えば「週末だけフリーランスでデザイン業務を行いたい」「平日夜に講師活動をしたい」といったケースで役立ちます。Word形式で編集できるため、会社の規定に合わせて自由に修正・追記が可能です。法律や会計に詳しくない方でも簡単に扱えるよう、分かりやすい形式にしています。
〔2〕条文タイトル
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第1条(兼業の内容)
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第2条(表明・保証)
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第3条(報告義務)
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第4条(企業秘密の保護)
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第5条(兼業先の企業秘密の保護)
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第6条(違反の場合の効果)
〔3〕逐条解説
第1条(兼業の内容)
従業員がどのような兼業を行うのかを明確に記載する条文です。雇用契約による副業だけでなく、フリーランスや請負業務といった働き方も想定されています。例えば「週5時間だけオンラインで翻訳業務を請け負う」といった具体的なケースを記載することで、会社は業務への支障を判断しやすくなります。
第2条(表明・保証)
従業員が行う兼業が、会社の利益や信頼関係を損なわないことを約束する内容です。たとえば「競合企業で働く」「顧客情報を利用する」といった行為は禁止されます。あらかじめ従業員がこの点を保証することで、会社と従業員の双方が安心して兼業を進められます。
第3条(報告義務)
兼業の内容に変更があった場合や、労働時間が過度に長引く場合には報告が必要であることを定めています。
例えば、当初は「月20時間程度」の予定だったものが「月100時間」に増える場合、会社への報告と調整が不可欠です。これにより、過労防止や健康管理の観点からも会社が適切に対応できます。
第4条(企業秘密の保護)
会社のノウハウや取引先情報などを兼業先に漏らさない義務を定めています。たとえ退職後であっても守るべきルールとして規定されており、情報管理を徹底する仕組みになっています。
第5条(兼業先の企業秘密の保護)
逆に、兼業先の秘密を会社に持ち込まないことを定めています。例えば、兼業先で知り得た新製品の開発情報を会社に伝えることも禁止されています。これにより、双方の信頼関係を守ることができます。
第6条(違反の場合の効果)
規定に違反した場合の処分や損害賠償について明記しています。従業員が違反すれば懲戒や契約解除、さらには損害賠償を求められる可能性もあります。厳格な規定を設けることで、従業員に規律を意識させるとともに、会社のリスク管理にもつながります。
〔4〕活用アドバイス
この書式を導入する際には、まず会社の就業規則と整合性をとることが大切です。就業規則に兼業届出制度がない場合は、規則の改定と合わせて活用すると効果的です。
また、従業員に配布する際は「提出が必要なケース」や「不承認となる可能性があるケース」を具体例とともに説明すると、トラブルを未然に防げます。Word形式で自由に編集できるため、自社に合った承認フローや提出期限を追記して運用するのがおすすめです。
〔5〕この文書を利用するメリット
副業・兼業に関するルールを明確化し、労務トラブルを予防できる。従業員の働き方を柔軟に認めつつ、会社のリスクを最小限に抑えられる。情報漏洩や競業行為といったリスクに対して事前に歯止めをかけられる。
Word形式で簡単に編集可能なため、自社の実情に合わせてすぐに導入できる。従業員の透明性ある行動を促し、会社と従業員双方の信頼関係を強化できる。
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