〔改正民法対応版〕倉庫賃貸借契約書(貸主有利版)

ダウンロードには会員登録が必要です。

〔改正民法対応版〕倉庫賃貸借契約書(貸主有利版)

¥2,980
/
税込

【1】書式概要 

 

この倉庫賃貸借契約書は、改正民法に完全対応した貸主(オーナー)に有利な条件設定の倉庫賃貸借契約の雛形です。

 

物流会社や製造業、小売業など、商品や資材の保管場所を必要とする事業者が借主となり、倉庫オーナーが貸主となって締結する契約書として最適な内容となっています。特に、貸主側の権利を重視し、賃料未払いや契約違反時の解除条件を詳細に規定している点が特徴です。

 

契約書には、賃料支払条件、契約期間、使用目的の限定、敷金の取扱い、修繕責任の所在、転貸禁止条項、災害時の対応、解除条件など、倉庫賃貸借に必要な条項を網羅しています。特に第9条の解除条項では、借主の債務不履行や信用不安時の解除権を貸主側に広く認める内容となっており、貸主の権利保護に配慮した構成です。

 

この契約書は、倉庫経営者や不動産オーナーが自社の倉庫物件を貸し出す際、トラブルを未然に防止し、安定した賃貸経営を実現するためのツールとして活用できます。商業用不動産の賃貸借では、住居用と異なり細かな取り決めが重要となるため、本テンプレートを基に必要に応じて調整してご利用ください。

 

実務では、倉庫物件のオーナーが新規テナントと契約を結ぶ際や、既存契約の更新時に、より明確な条件設定のために本契約書を活用することで、将来的な紛争リスクを軽減することができます。

 

【2】条文タイトル

 

第1条(本件建物部分の特定と賃料の支払い)
第2条(賃貸期間)
第3条(使用目的)
第4条(敷金)
第5条(善管注意義務)
第6条(修繕等)
第7条(転貸等)
第8条(本件建物部分の全部ないし一部滅失等)
第9条(解除)
第10条(損害賠償)
第11条(本件建物部分の返還・原状回復)
第12条(修繕等に関する費用の負担)
第13条(合意管轄)
第14条(協議)

 

【3】逐条解説

 

第1条(本件建物部分の特定と賃料の支払い)

 

この条項では契約対象となる倉庫の特定と賃料に関する取り決めを行っています。物件の所在地、構造、面積を明確に記載することで、後々のトラブルを防止します。実務では「●●市●●町」などの記載箇所に実際の住所情報を記入します。賃料の支払期日を明記することで、入金管理の効率化にも繋がります。例えば「毎月25日までに翌月分を支払う」といった前払い方式を採用する倉庫オーナーも多く見られます。

 

第2条(賃貸期間)

 

契約期間を明確に定めるとともに、更新についての取り決めを規定しています。この条項では2年間の定期契約とし、6ヶ月前までに終了の申し入れがなければ自動的に1年間延長される仕組みを採用しています。物流拠点として利用される倉庫の場合、急な契約終了は借主の事業継続に大きな影響を与えるため、このような更新条項が一般的です。東京近郊の大型物流倉庫などでは、より長期の契約期間を設定するケースもあります。

 

第3条(使用目的)

 

使用目的を明確に限定することで、契約締結時に想定していない用途への転用を防止する条項です。例えば「電子部品保管目的の倉庫」と特定すれば、後に危険物や食品などの保管に転用することを制限できます。実務では、倉庫内での軽作業や流通加工を認めるかどうかも重要なポイントとなります。単なる保管だけでなく、ピッキングや梱包作業まで認める場合は、その旨を明記するのが望ましいでしょう。

 

第4条(敷金)

 

敷金の取り扱いについて規定しています。改正民法に対応し、敷金の充当順序や返還条件を明確にしています。特に注目すべきは、敷金から未払い債務を控除できる権利を貸主に認めている点です。倉庫賃貸では住居用に比べて高額な敷金が設定されることが多く、例えば月額賃料の3〜6ヶ月分を敷金とするケースがあります。物流施設では設備の特殊性から原状回復費用が高額になりがちなため、貸主側としては十分な敷金を確保しておくことが安全です。

第5条(善管注意義務)

 

借主に対して「善良な管理者の注意」をもって倉庫を管理・使用する義務を課しています。この条項は一見シンプルですが、借主の管理責任を明確にする重要な規定です。例えば、保管物の管理不備による害虫発生や、適切な空調管理を怠ったことによる建物損傷などが発生した場合に、借主の責任を問う根拠となります。冷蔵・冷凍倉庫など特殊な環境管理が必要な場合は、より詳細な管理基準を別途定めることも検討すべきでしょう。

 

第6条(修繕等)

 

この条項では修繕責任を借主側に負わせる内容となっており、貸主に有利な設定です。一般的な賃貸借では貸主が修繕義務を負うことが多いですが、この契約では借主が修繕を行うことを原則としています。ただし、事前に貸主への通知義務を課すことで、無断改修などによる建物価値の毀損を防止する仕組みとなっています。実務では、大規模修繕と小規模修繕の区分を設け、小規模な修繕のみを借主負担とするケースも多く見られます。

 

第7条(転貸等)

 

使用目的の変更、原状変更、賃借権譲渡、転貸について貸主の事前承諾を必要とする条項です。これにより貸主は物件の使用状況をコントロールできます。特に物流業界では、荷主の変更に伴い倉庫の運営会社(借主)が変わることがあるため、賃借権譲渡の制限は貸主保護の観点から重要です。例えば、大手物流会社が借主の場合でも、その信用力に依拠して契約している貸主にとって、承諾なき譲渡は大きなリスクとなります。

 

第8条(本件建物部分の全部ないし一部滅失等)

 

災害や公共収用による物件の滅失・使用不能の場合の取り扱いを規定しています。全部滅失の場合は契約の当然終了、一部滅失で目的達成不能の場合は解約権の発生、一部滅失でも目的達成可能な場合は賃料減額の協議ができるという3段階の対応を明確にしています。例えば、近年の大規模水害で倉庫の1階部分が浸水し使用不能となった場合、上層階のみで運営継続が可能であれば賃料減額の協議対象となります。

 

第9条(解除)

 

契約解除の条件を詳細に規定し、特に貸主の解除権を手厚く保護しています。無催告解除事由と催告解除事由を明確に区分し、借主の信用不安事由や反社会的勢力との関係など、幅広い解除事由を規定している点が特徴です。特に倉庫業では、保管物の性質によっては契約違反が深刻な問題を引き起こす可能性があるため、解除条件を詳細に定めることが重要です。例えば食品専用倉庫で禁止されている化学物質を無断で保管したような場合、即時解除できる条項があれば迅速な対応が可能になります。

 

第10条(損害賠償)

 

契約違反による損害賠償請求権を規定するとともに、不可抗力による免責も明記しています。改正民法の考え方に沿って「契約および取引上の社会通念に照らして責めに帰することができない事由」による違反は賠償義務を負わないとしている点がポイントです。例えば、自然災害による倉庫の一時的な使用不能や、法令変更による使用制限などが生じた場合の免責根拠となります。

 

第11条(本件建物部分の返還・原状回復)

 

契約終了時の原状回復義務を規定しています。改正民法を踏まえ、「通常の使用および収益によって生じた損耗ならび経年劣化」は原状回復義務の対象外としている点がポイントです。倉庫の場合、フォークリフトによる床面や壁面の擦り傷など、業務上避けられない損耗をどこまで通常損耗と見なすかが実務上の課題となります。事前に「原状回復ガイドライン」のような細則を作成しておくと、退去時のトラブル防止につながります。

 

第12条(修繕等に関する費用の負担)

 

修繕費用や有益費の負担について明確に規定し、これらをすべて借主負担としている点が貸主に有利な内容です。特に第2項では借主が支出した有益費(物件の価値を高める投資)についても貸主は償還義務を負わないと明記しています。例えば、借主が自費で空調設備を増設したり、床面の耐荷重を強化したりした場合でも、契約終了時にその費用の返還を求めることはできません。物流施設では借主の業務に合わせた設備投資が行われることが多いため、この条項は実務上重要です。

 

第13条(合意管轄)

 

紛争発生時の管轄裁判所を特定する条項です。通常は物件所在地を管轄する裁判所が指定されます。例えば「東京地方裁判所」のように具体的な裁判所名を記載します。この条項により、紛争発生時の手続きが明確になり、遠隔地の裁判所で争うリスクを回避できます。

 

第14条(協議)

 

契約書に規定のない事項や疑義が生じた場合の対応方法を定めています。倉庫賃貸借では予期せぬ状況変化(例:周辺道路の交通規制変更による搬出入制限など)が生じることも少なくないため、柔軟な協議条項を設けておくことで円滑な契約運用が可能になります。実務では、この協議条項を根拠に覚書や変更契約書を締結することで、状況の変化に対応することが一般的です。

 

RuffRuff App RuffRuff Apps by Tsun

Customer Reviews

Be the first to write a review
0%
(0)
0%
(0)
0%
(0)
0%
(0)
0%
(0)

おすすめ書式テンプレート

最近チェックしたテンプレート