臨時社員給与規程

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臨時社員給与規程

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【1】書式概要

 

この文書は、臨時社員(契約期間が限定される職員)を雇用する際に必要となる給与に関するルールをまとめたものです。会社が臨時社員にどのような給与を支給し、どのように計算し、いつ支払うのかを明確にする書類となります。通常の社員とは異なり、臨時社員には特別な給与体系が適用されることが多いため、このような規定を整備することで、トラブルを防ぎ、公平な処遇を実現できます。

 

実際には、新しく臨時社員を採用する際、給与計算担当者が給与をどう計算すればよいのか判断に迷う局面が生じます。また、臨時社員本人も自分の給与がどのように決まるのか知りたいと考えるでしょう。このような場面で、この規定があれば「この規定に従って計算します」と説明でき、納得感のある処遇実現につながります。さらに、万が一トラブルが発生した場合でも、「このような規定があり、それに基づいて対応した」という根拠となり、会社の立場を守ることができます。

 

この文書はWord形式で提供されるため、会社の実情に合わせてカスタマイズできます。例えば、給与の計算期間を「前月25日から当月24日」など具体的に記入したり、生理休暇に関する条文を削除したり、手当の種類を追加したりと、自社の就業規則や給与制度に合わせて編集することができます。複雑な専門用語は最小限に抑え、会社の担当者が読んで理解しやすい表現にまとめてあります。また、編集機能により、用紙サイズやフォント、レイアウトなども自由に調整でき、会社のブランドや見た目に合わせることも可能です。給与制度の透明性を高め、採用現場でも活用できる実用的な規程文書です。

 

 

 

 


【2】条文タイトル

 

第1条(目的)
第2条(給与の種類)
第3条(給与体系)
第4条(給与の控除)
第5条(給与の計算期間及び支給日)
第6条(非常時の支払)
第7条(平均給与の計算)
第8条(休暇中の給与)
第9条(生理休暇及び母体保護のための特例による休暇中の給与)
第10条(死亡、退職及び解雇に伴う給与の支払)
第11条(時間給の決定)
第12条(給与改定)
第13条(時間外勤務手当)
第14条(休日勤務手当)
第15条(通勤手当)

 

 

 

 


【3】逐条解説

 

第1条(目的)


この規定全体の役割を説明する条文です。「臨時社員の給与をどのように決め、計算し、支払うか」という大枠を定めるためのものだということを述べています。実務上、採用契約時や給与明細の説明時に「私たちはこの規定に基づいて給与を決めています」と説明する際の出発点となる条文です。

 

第2条(給与の種類)


臨時社員に支給する給与の基本方針を定めています。給与のみ支給し、通常の社員が受け取ることのある賞与(ボーナス)や退職金は原則として支給しないということを明記しています。これにより、採用時に「臨時社員にはボーナスはありません」という説明が明確になり、後々のトラブルを未然に防げます。ただし「原則」という表現を使っているため、特殊な事情がある場合は例外的に対応できる柔軟性も残しています。例えば、長期間の契約を更新し続けた臨時社員に対して、特別に一部の賞与を支給するといった判断も可能です。

 

第3条(給与体系)


臨時社員の給与がどのような項目で構成されているかを示す条文です。時間給(基本となる1時間あたりの給与)と手当(時間外勤務手当、休日勤務手当、通勤手当など追加で支給される給与)の2つに分けられることを明記しています。例えば、時間給が1000円で、その月に残業手当が5000円ある場合、給与は合計で「時間給×勤務時間 + 5000円」となるということです。この条文があることで、給与計算担当者は「何をもれなく計算する必要があるか」が一目瞭然になります。

 

第4条(給与の控除)


給与から差し引く項目を定めています。所得税(国に納める税金)、社会保険料(健康保険や厚生年金などの保険料)、その他の賃金控除協定に基づく控除が対象です。例えば、月給が10万円でも、所得税が5000円、社会保険料が1万5000円かかる場合、実際に従業員に支払う金額は8万5000円になります。この条文でどのようなものが控除されるかを明確にしておくことで、給与明細の説明時に「なぜこれだけ引かれているのか」という質問に対応できます。

 

第5条(給与の計算期間及び支給日)


給与をどの期間で計算するのか、いつ支給するのかを定めています。給与計算期間は「前月の●●日から当月●●日まで」という1ヶ月単位で設定されることが一般的です。これにより、4月1日から4月30日に働いた分は5月の給与日に支払われる、というように計算の流れが明確になります。また、支給日が土曜日や日曜日、祝日に当たる場合は前日に繰上げられることを定めているため、銀行の営業日や休日とのズレ問題が解決されます。

 

第6条(非常時の支払)


通常の給与支給日以外でも、緊急の事態が生じた場合には給与を先払いできることを定めています。例えば、臨時社員が突然入院して医療費が必要になった場合や、親御さんが亡くなって葬儀費用が必要になった場合、あるいは1週間以上帰郷する予定が入った場合など、「それまでの働きに対する給与を前倒しで受け取りたい」というニーズに応えるものです。また、臨時社員本人の事情でなく「会社が必要と認めた場合」という広めの規定を入れることで、個別の事情への対応ができます。

 

第7条(平均給与の計算)


解雇予告手当や割増退職金など、特定の計算で「平均給与」が必要になる場合があります。その際の平均給与をどのように計算するかを定めています。「直前の給与締切日から起算して過去3ヶ月間の総給与を、その期間の日数で割った額」という計算方法により、3ヶ月間の実績に基づいた公平な平均値が出ます。例えば、5月の給与が25万円、6月が20万円、7月が30万円なら、合計75万円をその3ヶ月間の日数で割るということです。臨時ボーナスのような1回限りの給与や、3ヶ月以上の周期で支給される給与は平均に含めないというルールにより、通常の給与水準をより正確に反映させることができます。

 

第8条(休暇中の給与)


社員が休暇を取得した際の給与扱いを定めています。年次有給休暇(法律で定められた休み)と特別有給休暇(会社が独自に設定した休み)を取得した場合、通常と同じ給与を支給するということです。これにより、「有給休暇を取ると給与が減る」という懸念をなくし、従業員が安心して休暇を取得できる環境を整備できます。

 

第9条(生理休暇及び母体保護のための特例による休暇中の給与)


女性社員の生理や妊娠に伴う休暇時の給与取扱いを定めています。この規定では、こうした特例適用の場合は給与を支給しないとされています。つまり、労働基準法で認められた生理休暇や母体保護休暇を取得する場合、その期間の給与は支払わないということです。ただし、実務上は会社の判断で支給する選択肢もあり、その場合は「第8条の特別有給休暇扱いとする」などのように修正して活用することができます。

 

第10条(死亡、退職及び解雇に伴う給与の支払)


臨時社員が退職したり、残念ながら亡くなったりした場合の給与精算ルールを定めています。本人や遺族から請求があった場合、7日以内に未払い給与を支払うことを規定しています。これは労働基準法でも定められた重要な要件で、退職時のトラブルを防ぐために欠かせません。遺族の範囲については、労働基準法施行規則で定められた順位に従い、配偶者→子→父母→兄弟姉妹という優先順位が決まっています。

 

第11条(時間給の決定)


1時間あたりの給与をどのような基準で決めるのかを示しています。「職務内容と勤務実績」「職務遂行能力と勤怠」「勤務時間帯」「勤務地や勤務店舗・工場などの事情」といった複数の要素を総合的に考慮して決定するということです。例えば、難しい業務を正確にこなす臨時社員と、簡単な作業を行う臨時社員では異なる時間給が設定される、あるいは夜間勤務は昼間勤務より時間給が高いなど、柔軟な対応が可能になります。

 

第12条(給与改定)


臨時社員の時間給を変更する場合のルールを定めています。契約更新時(通常3ヶ月〜1年ごと)に改定がある場合があることを明記しており、長期間働く臨時社員のモチベーション維持につながります。改定があるかどうかは会社の判断であり「場合がある」という表現により、改定を約束するものではない柔軟性を保ちながらも、可能性については開かれた形で規定しています。

 

第13条(時間外勤務手当)


残業した場合の給与計算方法を詳細に定めています。重要なのは、残業時間に応じて異なる計算方法が適用されるということです。1日8時間までの超過分は「時間給×時間数」、1日8時間を超えた部分や週40時間を超えた部分は「時間給×1.25倍×時間数」、さらに月間60時間を超えた残業は「時間給×1.50倍×時間数」となります。例えば、時間給1000円で月間80時間の残業がある場合、最初の60時間分は時間給の1.25倍で計算され、残りの20時間は1.50倍で計算されるということです。このルールは労働基準法で定められた最低基準に基づいており、従業員の過度な残業への対価を確保するとともに、会社の残業抑制にもつながります。

 

第14条(休日勤務手当)


休日に出勤した場合の給与扱いを定めています。法定の休日(多くの会社で日曜日)に勤務した場合は「時間給×1.35倍×勤務時間」で計算されます。ただし、振替休日を与える場合は、その休日勤務は通常勤務と同じ扱いになり、割増手当を支給しないという規定になっています。つまり、日曜日に出勤した代わりに翌週の月曜日を休みにするなら、日曜日分の手当は支払わないということです。多くの企業では柔軟な運用が求められるため、実務上はこのルールを確認しながら公平に適用することが大切です。

 

第15条(通勤手当)


通勤にかかる費用をどのように支給するかを定めています。月間の勤務日数が15日以上の臨時社員には、定期代分(通勤定期券の代金)を支給し、15日未満の臨時社員には実際にかかった費用を支給するというルールです。例えば、電車の定期代が3万円で月15日以上勤務する場合は月3万円を支給し、月10日程度の勤務なら「10日×往復2キロ×タクシー単価」というように実費を計算して支給するということです。このように日数によって計算方法を変えることで、短期間の臨時社員にも過度な負担をかけず、また会社の経費も最適化できます。

 

 

 

 


【4】FAQ

 

Q1:臨時社員と正社員の給与扱いの違いは何ですか?


A1:この規定では、臨時社員には給与のみを支給し、原則としてボーナスや退職金は支給しないとしています。一方、正社員には通常ボーナスや退職金が支給されます。また、臨時社員の給与は時間給に基づいて計算されることが多く、正社員の月給制との違いが生じます。

 

Q2:臨時社員の時間給は誰が決めるのですか?


A2:会社が職務内容、勤務実績、職務遂行能力、勤怠状況、勤務時間帯、勤務地などを総合的に判断して決定します。採用時に面接や経歴を考慮して決定されるのが一般的です。

 

Q3:月間15日という勤務日数の基準は何か特別な意味がありますか?


A3:この基準は、通勤手当の支給方法を分ける際の目安として設定されています。月15日以上勤務する場合は定期代を支給する方が効率的であり、15日未満の場合は実費支給の方が経済的だという判断に基づいています。

 

Q4:給与計算期間の●●日にはどの日付を入れればよいですか?


A4:会社の実情に合わせて決定してください。多くの企業では「1日から月末日」「25日から翌月24日」などの設定が一般的です。一度決めたら、原則的に継続する必要があります。

 

Q5:臨時社員が退職する場合、必ず7日以内に給与を支払う必要がありますか?


A5:はい。退職した社員本人から請求があった場合、労働基準法により最終給与は7日以内に支払う義務があります。これは法的な要件であり、必ず守る必要があります。

 

Q6:生理休暇の場合、給与を支給しないというのは問題がないですか?


A6:この規定では支給しないとしていますが、実務上は会社の判断で支給することも可能です。実際には、企業が独自に「生理休暇は有給扱い」としている場合も多いため、会社の方針に応じて編集してご活用ください。

 

Q7:時間外勤務手当の計算が複雑に見えるのですが、どうして3つの計算方法があるのですか?


A7:労働基準法で定められた最低基準に基づいています。基本的には、より多く働いた分より多くの手当を支給するという考え方です。月60時間を超える残業に対しては最も高い倍率(1.50倍)を適用することで、過度な残業を抑制する効果もあります。

 

Q8:振替休日を与える場合と与えない場合で、給与の計算は変わりますか?


A8:はい、変わります。振替休日を与える場合、その休日勤務は通常勤務扱いになり割増手当は支給されません。一方、振替休日を与えない場合は割増手当(1.35倍)を支給することになります。

 

Q9:この規程をそのまま使用してもよいですか、それとも必ずカスタマイズが必要ですか?


A9:会社の実情に合わせてカスタマイズしてご使用ください。特に給与計算期間、支給日、各種手当の種類などは、会社の就業規則や実務に合わせて変更してご活用いただくことをお勧めします。

 

Q10:臨時社員の平均給与を計算する場面は実務上いつ発生しますか?


A10:解雇予告手当や割増退職金などの計算時に必要になります。また、労災保険の給付基礎日額を計算する際にも参考にされる場合があります。

 

 

 

 


【5】活用アドバイス

 

給与計算が明確になれば、採用現場での説明もスムーズになります。新しく臨時社員を迎える際には、採用契約と一緒にこの給与規定を渡すようにしましょう。相手が「自分の給与がどのように決まるのか」「給与からどのようなものが引かれるのか」を事前に理解していれば、後々のトラブルが大幅に減ります。給与明細を渡す際にも「この規定に基づいて計算しています」と説明することで、信頼感が生まれます。

 

給与計算担当者にとって、この規定は大きな負担軽減になります。新しい臨時社員が入るたびに「どう計算しよう」と悩む必要がなく、まずはこの規定を確認すれば基本的な流れが把握できます。給与計算の一貫性が保たれることで、誤計算のリスクも低下します。もし特殊な事情が生じた場合でも「この規定では想定していない局面だ」と判断でき、その際は管理職に相談して対応するという流れが作れます。

 

管理職や人事担当者の視点からは、給与規定を明文化することで会社としての透明性が高まります。臨時社員本人からの給与に関する質問に対して、憶測や感覚で答えるのではなく「規定に基づいて対応しています」と根拠を示した回答ができます。また、万が一トラブルに発展した場合でも、この規定があれば会社の正当性を示す証拠になります。

 

Word形式であることは、カスタマイズの自由度を意味します。会社独自の手当がある場合は項目を追加できますし、特定の手当が不要であれば削除することもできます。レイアウトやフォントも自由に変更でき、会社の就業規則全体と統一感を持たせることが可能です。また、定期的に見直し、法改正対応や実務の変化に対応させることができる柔軟性があります。

 

実際の運用時には、この規定を従業員や関係者にしっかり周知することが重要です。採用面接時に説明するのはもちろん、内定通知書に添付したり、入社時の研修で説明したりと、複数のタイミングで認識を合わせることが効果的です。給与計算システムにこの規定を反映させ、自動計算による誤差を減らすのも良い方法です。

 

長期的には、この給与規定があることで、会社と臨時社員の間に信頼関係が構築されます。給与が明確で公平であれば、従業員のモチベーションが高まり、離職率の低下にもつながります。採用難の時代において、「給与体系が明確で透明性がある会社」というイメージは採用活動での大きな強みになるでしょう。

 

 

 

 

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