【1】書式概要
この雛型「借家契約更新拒絶通知書(借主の信頼関係棄損行為による)」は、賃貸人が借主との契約更新を拒絶する際に正式に通知するための法的文書です。改正民法に対応済みであり、特に借主が契約で定められた利用目的から逸脱した行為を行った場合など、信頼関係を損なう事由が発生した際に使用することができます。
文書には、賃貸借期間の満了日や物件詳細(所在地、家番、種類、構造、床面積)を記入する欄が設けられており、賃貸人の情報も明記できるようになっています。法的要件を満たした形式で作成されているため、更新拒絶の意思を明確に伝えることができます。
不動産管理会社や個人の賃貸人の方々にとって、借主との問題が生じた際に適切な対応を取るための重要な書類となります。この雛型を活用することで、法的トラブルを未然に防ぎ、適切な手続きを踏むことができます。不動産関連の書類作成業務の効率化にもつながるでしょう。
【2】詳細解説
文書日付欄(冒頭)
「●●●●年●●月●●日」の部分は通知書を発行する日付を記入します。正確な日付を記入することで、通知の発効日を明確にします。
宛先情報
「(住所)」「●●●●殿」の部分は借主の住所と氏名を記入する欄です。正確に記入することで、通知の相手方を明確にします。
発信者情報
「(住所)」「株式会社●●●●」「代表取締役」「印」の部分は、賃貸人(貸主)の情報と捺印欄です。法的な通知として有効にするために必要な要素です。
タイトル
「借家契約更新拒絶通知書」は文書の性質を明示しており、これにより借主に対して更新拒絶の意思表示をする文書であることを明確にしています。
通知本文
「当社は貴殿に対し...更新を拒絶いたします」の部分は、更新拒絶の理由と意思表示を記載しています。ここでは特に「賃貸借契約に定められた利用目的を逸脱した利用方法」を理由として挙げています。これは借地借家法第28条の正当事由の一つとなりうる内容です。
明渡し要請文
「よって、賃貸借期間満了後、同物件を明渡してくださるようお願いします」の部分は、契約終了後の法的効果として明渡しを求める意思表示となっています。
物件詳細
「記」以下の部分は、対象となる物件を特定するための情報を記載する欄です。
- 所在:物件の住所
- 家番:建物番号
- 種類:住宅、店舗等の用途
- 構造:建物の構造形式
- 床面積:物件の広さ
この通知書は、改正民法および借地借家法に基づいて、契約更新の拒絶を法的に有効に行うための文書です。特に「信頼関係の破壊」を理由とする更新拒絶であることから、借主の契約違反行為が重大で、賃貸人と借主の信頼関係を破壊するに足りる程度のものであることを前提としています。