【1】書式概要
この書式は、刑務所などの矯正施設で生活する受刑者が、施設の環境改善を刑務所長に対して正式に申し出るための文書です。施設内での日常生活における様々な環境面の問題について、居室の温度管理や換気、医療体制、作業環境、食事の質など、具体的な改善項目を整理して要望できる形式になっています。
受刑者には刑事収容施設法第31条に基づいて施設に対して意見を述べる権利が認められており、この書式はその権利を適切に行使するためのものです。実際に使う場面としては、夏場の居室が暑すぎて体調を崩しそうな時、医師の診察がなかなか受けられない時、作業場の安全面に不安がある時、図書や教育プログラムをもっと充実させてほしい時など、施設生活で困っていることを組織的に伝えたい場合に活用します。
この書式の特徴は、単なる苦情ではなく、法律の根拠を示しながら丁寧な言葉遣いで改善を求める形式になっている点です。感情的な表現を避け、施設職員への敬意を示しつつ、具体的な問題点と改善案を提示する構成になっているため、施設側も前向きに検討しやすい内容となっています。居室環境、衛生、医療、作業、教育、運動、給食、面会など8つの大項目に分かれており、該当する項目だけを選んで使うこともできます。
Word形式で提供されますので、実際の状況に合わせて文章を修正したり、不要な項目を削除したり、具体的な数値や状況説明を追加したりと、自由に編集して使えます。施設ごとの事情や個人の状況に応じてカスタマイズしやすい構成になっています。
【2】条文タイトル
本文書は条文形式ではなく、以下の大項目と小項目で構成されています。
第1 居室環境の改善について
- 換気設備の改善
- 室温管理の改善
- 採光及び照明設備の改善
- 寝具の改善
- 居室の清潔維持
第2 衛生環境の改善について
- 入浴回数の増加
- 洗濯設備及び機会の改善
- トイレ環境の改善
- 衛生用品の充実
第3 医療体制の充実について
- 診療機会の拡充
- 医薬品の充実
- 歯科診療の充実
- メンタルヘルスケアの充実
第4 作業環境の改善について
- 作業場の温度管理
- 作業用具及び機械設備の更新
- 作業安全管理の強化
- 休憩時間及び休憩施設の改善
第5 教育・矯正処遇の充実について
- 図書設備の充実
- 教育プログラムの拡充
- 宗教活動の機会確保
第6 運動及び健康管理について
- 運動時間の確保及び延長
- 運動設備及び用具の充実
- 健康診断の充実
第7 給食の改善について
- 食事の質及び量の改善
- 食事の温度管理
- アレルギー対応及び特別食の充実
第8 外部交通(面会・信書)の改善について
- 面会機会の拡充
- 信書の取扱いの改善
【3】項目解説
第1 居室環境の改善について
第2 衛生環境の改善について
第3 医療体制の充実について
第4 作業環境の改善について
第5 教育・矯正処遇の充実について
第6 運動及び健康管理について
第7 給食の改善について
第8 外部交通(面会・信書)の改善について
【4】FAQ
Q1: この要望書は誰が使えますか?
A: 刑務所などの矯正施設に収容されている受刑者が使用できます。刑事収容施設法第31条に基づく権利として、施設の環境改善について意見を述べることができます。
Q2: すべての項目について要望しなければいけませんか?
A: いいえ、実際に改善してほしい項目だけを選んで使用できます。不要な項目は削除し、自分の状況に合った内容にカスタマイズしてください。
Q3: 要望書を提出したら必ず改善されますか?
A: 必ず改善されるとは限りませんが、適切な形で要望を伝えることで、施設側が検討する材料になります。予算や施設の事情により実現できない場合もありますが、問題を認識してもらうことが第一歩です。
Q4: 要望書を提出することで不利益を受けませんか?
A: 法律で認められた権利を適切に行使することで不利益を受けることはありません。ただし、丁寧で建設的な表現を心がけることが大切です。
Q5: 施設からの回答はもらえますか?
A: 文書の最後で書面による回答を求めていますので、施設側の判断により回答がもらえる可能性があります。ただし必ず回答があるとは限りません。
Q6: 家族や弁護士に手伝ってもらえますか?
A: はい、家族や弁護士などに相談しながら作成することも有効です。特に弁護士のアドバイスを受けられる場合は、より適切な内容にできます。
Q7: Word形式で提供されるとのことですが、編集は難しくないですか?
A: Word形式なので、パソコンの基本的な操作ができれば編集可能です。該当する部分の文章を修正したり、不要な段落を削除したりするだけで使えます。
Q8: 具体的な数値や状況を書き加えたほうがいいですか?
A: はい、可能であれば具体的な状況を追加すると、より説得力のある要望書になります。例えば「室温が35度を超える」といった具体的な数値や、「何週間も診察が受けられない」といった具体的な期間などを記載すると良いでしょう。
|