【1】書式概要
この「監査役委任契約書」は、会社が監査役を迎える時に使う契約書の雛型です。法律に沿って作られており、会社と監査役の間の約束事をはっきりさせるものです。
この契約書では、監査役の選任確認から始まり、独立性の確認、仕事内容、給料、秘密を守る義務、任期など大切な内容が全て含まれています。給料については年俸や賞与、退職金の支払い方法が詳しく書かれており、秘密保持については退任後も一定期間義務が続くことも明記されています。
このテンプレートは、新しく会社を立ち上げたばかりの企業でも、すでに長く経営している企業でも使えます。特に会社の健全な運営を重視する上場企業や、将来の成長を見据えて組織づくりを進めたい新興企業に役立ちます。空欄に必要な情報を入れるだけで、すぐに使える正式な契約書になります。
監査役は会社の経営が正しく行われているかを見守る大切な役割を担います。この契約書を使うことで、会社と監査役の間で「何をするのか」「どういう条件なのか」がはっきりし、後々のトラブルを防ぐことができます。会社の管理部門や経営者の方々にとって、手続きを簡単にする便利なツールです。
〔条文タイトル〕
第1条(目的)
第2条(乙の地位)
第3条(乙の義務)
第4条(報酬等)
第5条(秘密保持)
第6条(任期)
【2】逐条解説
第1条(目的)
会社(甲)がこの人(乙)を監査役として選んだことを確認する条文です。いつの株主総会で選ばれたのかを記録します。この条文があることで、「正式に監査役に選ばれました」という事実が明確になります。
第2条(乙の地位)
監査役は会社をチェックする立場なので、公平な目で見られる人でなければなりません。この条文では、「この人は以前に会社の経営側や従業員だったことがない」と約束させています。これにより、しがらみなく公正に監査できることを確認しています。
第3条(乙の義務)
監査役がどんな仕事をするのかを定めています。会社のルール(定款や規則)と法律を守ること、そして株主のために誠実に監査することが主な仕事です。この条文で、監査役の「やるべきこと」がはっきりします。
第4条(報酬等)
お給料について詳しく決めています。年間いくらもらえるのか、どうやって支払われるのか(毎月25日に12分の1ずつ)、ボーナスや退職金はどうなるのかを明記しています。これにより、後から「お給料の話が違う」というトラブルを防ぎます。
第5条(秘密保持)
監査役は仕事で知った秘密を漏らしてはいけないという約束です。監査役をやめた後も一定期間は秘密を守る義務があります。監査役は会社の大切な情報をたくさん見るので、この約束はとても重要です。
第6条(任期)
監査役を務める期間(任期)について定めています。法律に基づいて、選ばれてから4年以内の最後の株主総会が終わるまでが任期です。もし続けて監査役をやる場合は、また新しく契約を結び直すことも書かれています。
この契約書は、会社と監査役の間で「何をするのか」「どんな条件なのか」「どのくらいの期間なのか」をはっきりさせることで、お互いに安心して監査業務を進められるようにするためのものです。