〔改正民法対応版〕土地・建物使用貸借契約書(借主有利版)

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〔改正民法対応版〕土地・建物使用貸借契約書(借主有利版)

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【1】書式概要 

 

この契約書は、土地や建物を無償で他人に貸し借りする際に使用する書式です。一般的な賃貸借契約とは異なり、家賃や地代などの対価を支払わない「使用貸借」という契約形態に対応しています。

 

使用貸借契約は、親族間での不動産の貸し借りや、友人知人との間での一時的な住居提供、事業用地の無償提供など、様々な場面で活用されています。例えば、親が所有する土地に子供が家を建てる場合や、転勤で空き家になった住宅を親戚に貸す場合、事業の協力関係で土地を無償で提供する場合などが典型例です。

 

2020年4月に施行された改正民法に完全対応しており、特に使用貸借契約の終了事由や原状回復義務について、新しい規定に準拠した内容となっています。借主の立場を考慮した条項設計により、一方的な不利益を避けながら、双方にとって公平な契約関係を構築できるよう配慮されています。

 

契約期間の設定や使用目的の明確化、修繕責任の分担など、実務上重要なポイントがしっかりと盛り込まれているため、トラブルの未然防止にも効果的です。個人間の取引はもちろん、法人が関わる場合にも対応できる汎用性の高い書式として、幅広いニーズにお応えできます。

 

【2】条文タイトル

 

第1条(使用貸借契約)
第2条(契約期間)
第3条(使用目的)
第4条(乙による使用・収益)
第5条(修繕等)
第6条(使用目的の変更等)
第7条(解除)
第8条(損害賠償)
第9条(本件不動産の返還・原状回復)
第10条(合意管轄)
第11条(協議)

 

 

【3】逐条解説

 

第1条(使用貸借契約)

 

この条項では契約の基本的な枠組みを定めています。土地と建物の詳細な表示を記載することで、契約対象を明確にし、後のトラブルを防ぐ重要な役割を果たします。不動産の特定は登記簿謄本の記載に基づいて正確に行う必要があり、所在地番、地目、地積、建物の構造や床面積など、物件を唯一無二に特定できる情報を漏れなく記載します。引渡し期日を明記することで、いつから使用できるのかを明確にし、双方の認識のズレを防いでいます。

 

第2条(契約期間)

 

使用貸借契約の期間設定に関する条項です。2年間という具体的な期間を設定しつつ、2か月前の通知により期間満了前でも解約できる柔軟性を持たせています。これにより、例えば貸主が急に土地を売却する必要が生じた場合や、借主の事情が変わった場合にも対応できます。また、借主の死亡による契約終了を明記することで、相続人への権利承継を防ぎ、貸主の意図しない長期化を避けています。

 

第3条(使用目的)

 

不動産の使用目的を限定する条項です。住居用、事業用、農業用など、具体的な使用目的を明記することで、契約の範囲を明確にします。例えば「住居として使用」と定めた場合、後から事業所として使用することはできません。この制限により、近隣への影響や建物の用途変更による問題を防ぐことができます。目的外使用は契約違反となり、解除事由にもなりうるため、借主は慎重に使用目的を検討する必要があります。

 

第4条(乙による使用・収益)

 

借主の使用方法について定めた条項です。契約や物件の性質に従った適切な使用を求めており、例えば住宅として貸借した建物を工場として使用することは許されません。第三者への又貸しについては原則として貸主の承諾が必要ですが、配偶者や1親等内の親族(両親、子供)による使用については、事前の届出のみで可能としており、家族の実情に配慮した実用的な規定となっています。

 

第5条(修繕等)

 

修繕費用の負担について定めた条項です。借主が通常の使用に伴って発生する必要費(日常的な修繕費など)を負担することを明記しています。例えば、水道の蛇口交換、電球の取替え、簡単な壁紙の補修などが該当します。ただし、建物の構造に関わる大規模修繕や設備の根本的な故障については、通常は貸主負担となることが多く、具体的な負担区分については事前に協議しておくことが重要です。

 

第6条(使用目的の変更等)

 

使用目的の変更や物件の改良について、事前承諾を求める条項です。例えば、住居用として借りた建物を店舗に変更したい場合や、建物に増築を行いたい場合などには、必ず貸主の許可が必要です。無断で変更や改良を行った場合は契約違反となり、原状回復義務が生じる可能性もあります。一方で、借主にとって有益な改良であっても、貸主の意向に反する場合があるため、事前の相談が不可欠です。

 

第7条(解除)

 

契約解除事由を詳細に列挙した条項です。契約違反、差押えや競売、破産手続きの開始、事業廃止、手形不渡りなど、借主の信用状態に問題が生じた場合の解除事由を明確にしています。特に反社会的勢力との関係については詳細に規定されており、暴力団関係者との関わりが判明した場合には即座に契約解除できるよう配慮されています。これらの事由に該当した場合、催告なしに直ちに解除できるため、貸主の保護が図られています。

 

第8条(損害賠償)

 

損害賠償請求に関する条項です。借主の不適切な使用や契約違反により損害が生じた場合の賠償請求について定めています。重要なのは、事前の損害通知が必要であることと、物件返還から6か月以内という請求期限が設定されていることです。例えば、建物を事業用途で無断使用して近隣に迷惑をかけた場合の損害や、故意過失による建物の毀損などが賠償対象となります。期限の制限により、借主の法的安定性も一定程度確保されています。

 

第9条(本件不動産の返還・原状回復)

 

契約終了時の物件返還と原状回復について定めた条項です。改正民法の新しい規定に対応しており、借主の故意過失によらない損傷については原状回復義務を負わないことが明記されています。例えば、自然災害による損傷や、通常の使用による経年劣化については借主の責任ではありません。一方で、借主の不注意による壁の損傷や設備の破損については、原状回復の責任を負うことになります。この区分により、借主の過度な負担を防いでいます。

 

第10条(合意管轄)

 

紛争が生じた場合の裁判管轄について定めた条項です。特定の地方裁判所を専属的な管轄裁判所として指定することで、紛争解決の場を予め決めておくことができます。これにより、遠方での裁判を避けたり、慣れ親しんだ地域での解決を図ることが可能になります。ただし、管轄の合意は双方の利便性を考慮して決める必要があり、一方的に不利な管轄を強制することは適切ではありません。

 

第11条(協議)

 

契約に定めのない事項や疑義が生じた場合の解決方法について定めた条項です。まずは当事者間での話し合いによる円満解決を目指すことを明記しており、訴訟に発展する前の解決手段を確保しています。使用貸借契約は親族間や知人間で締結されることが多いため、関係性を重視した解決方法を優先することは実務上非常に重要です。協議がまとまらない場合には、前条の管轄裁判所での解決という段階的なアプローチが採られています。

 

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