契約書に書いていないことが起きた場合は、民法などの一般的なルールに従い、両者で話し合って決めましょうという条文です。予期しない事態への対応方法を示しています。
【4】活用アドバイス
この書式を使う際は、まず第3条の供託金に関する情報を正確に記入することが最も重要です。供託番号や供託所の名称を間違えると、全く別の供託金を譲渡してしまうことになります。事前に法務局で供託書の写しを取得し、それを見ながら記入すると間違いがありません。
第5条の譲渡対価は、供託金の額面と異なる場合が多いので注意が必要です。通常、早期に現金化したい人が額面より安く売却します。その割引率は当事者間の交渉次第ですが、あまりに不自然な金額だと税務上の問題が生じる可能性もあるため、適正な価格設定を心がけてください。
第7条の対抗要件の手続きは、契約締結後できるだけ早く行うことをお勧めします。供託規則に基づく通知には、この契約書の写しや印鑑証明書などの添付書類が必要になります。法務局によって必要書類が若干異なることがあるため、事前に問い合わせておくとスムーズです。
また、第16条の管轄裁判所は空欄になっているので、当事者の所在地や供託所の所在地などを考慮して記入してください。一般的には、供託所のある地域の地方裁判所を指定することが多いです。
契約書は必ず双方が署名または記名押印し、それぞれが原本を1通ずつ保管してください。後日のトラブル防止のため、捺印部分はできれば実印を使用し、印鑑証明書も添付しておくとより確実です。
【5】この文書を利用するメリット
この書式を利用する最大のメリットは、供託金還付請求権という特殊な権利の譲渡に必要な事項が全て網羅されている点です。一般的な債権譲渡契約書では不十分で、供託制度特有の手続きまでカバーする必要があるため、この専門書式が役立ちます。
特に第7条で供託規則第28条に基づく通知手続きを明記している点が重要です。この手続きを忘れると、せっかく権利を購入しても第三者に対抗できず、権利を失う危険があります。書式に従って契約すれば、このような致命的なミスを防げます。
また、第6条や第12条の保証条項により、譲受人は安心して権利を取得できます。万が一、供託金が存在しなかったり、既に他人に譲渡済みだったりした場合、損害賠償を請求する根拠が明確になります。
さらに、第10条で費用負担を明確にしているため、後から「この費用は誰が払うのか」という無用な争いを避けられます。第13条の解除条項も、契約違反があった場合の対処法が明確なので、安心して取引できます。
Word形式で提供されるため、パソコンがあれば誰でも簡単に編集できる点も大きなメリットです。自分たちの取引内容に合わせてカスタマイズでき、専門家に依頼するコストも削減できます。弁護士や司法書士に作成を依頼すれば数万円かかる契約書を、この書式なら低コストで作成できます。
時間的なメリットも見逃せません。ゼロから契約書を作成しようとすると、条文の構成や表現に悩んで何日もかかることがありますが、この書式なら必要事項を入力するだけで1時間程度で完成します。急ぎの取引にも対応可能です。