【1】書式概要
この契約書は、パーソナルスタイリングやイメージコンサルティング業務を外部の専門家に委託する際に必要となる包括的な業務委託契約書です。美容サロンや化粧品販売店、アパレル関連事業者が、フリーランスのスタイリストやイメージコンサルタントと安心して業務提携を行うために作成されました。
最近では、個人の魅力を最大限に引き出すパーソナルスタイリングサービスへの需要が急激に高まっており、多くの企業が専門性の高い外部パートナーとの連携を求めています。しかし、いざ契約を結ぼうとすると、どのような内容を盛り込めばよいのか悩む経営者の方も多いのではないでしょうか。
この契約書テンプレートは、そうした現代のビジネスニーズに完全対応した内容となっており、実際の現場で起こりうるトラブルを想定して作成されています。パーソナルカラー診断、骨格診断、顔タイプ診断、メイクレッスン、買い物同行といった幅広いサービス内容が詳細に定められており、料金体系から知的財産権、個人情報保護まで、実務で必要となる全ての要素が網羅されています。
改正民法にも完全準拠しており、現在の規制環境下でも安心してご利用いただけます。特に、独立した事業者であることの確認や競業避止条項など、フリーランスとの契約で重要となるポイントがしっかりと盛り込まれています。
特に注目すべきは、業務仕様書も同時に収録されている点です。各診断サービスの具体的な実施方法、所要時間、使用機材まで明記されているため、サービス提供者と利用者の双方が明確な基準を共有できます。これにより、「こんなはずじゃなかった」という後悔を防ぐことができるでしょう。
Word形式での提供となっているため、お客様の業務形態に合わせて自由に編集・カスタマイズが可能です。空欄部分に必要事項を記入するだけで、すぐに実用的な契約書として活用できる実用性の高い仕様となっています。
美容サロンでスタイリストとの業務提携を検討している方、化粧品販売店でイメージコンサルタントとの協力関係を構築したい方、アパレル関連事業でパーソナルスタイリングサービスの導入を計画している方に最適な契約書テンプレートです。また、フリーランスとして活動するスタイリストの方が、クライアントとの契約を結ぶ際の参考資料としてもご活用いただけます。
【2】条文タイトル
第1条(目的) 第2条(定義) 第3条(業務内容) 第4条(業務遂行の基本原則) 第5条(独立した事業者であることの確認) 第6条(予約及びスケジュール管理) 第7条(委託料) 第8条(経費負担) 第9条(業務報告) 第10条(成果物の権利) 第11条(機密保持) 第12条(個人情報保護) 第13条(競業避止) 第14条(再委託の禁止) 第15条(損害賠償) 第16条(契約期間) 第17条(中途解約) 第18条(解除) 第19条(反社会的勢力の排除) 第20条(契約終了後の措置) 第21条(協議) 第22条(管轄裁判所)
【3】逐条解説
第1条(目的)
この条文は契約全体の方向性を示す重要な条文です。単に「業務を委託する」というだけでなく、イメージコンサルティングという専門性の高いサービスを委託する際の基本的な枠組みを定めています。実際の現場では、美容サロンがフリーランスのスタイリストと提携する際に、双方の役割分担や責任範囲を明確にすることで、後々のトラブルを防ぐ効果があります。例えば、「どこまでがサロンの責任で、どこからがスタイリストの責任なのか」といった疑問を解決する基準となります。
第2条(定義)
契約書でよく問題となるのが、用語の解釈の違いです。この条文では「本業務」「顧客」「成果物」「個人情報」といった基本用語を明確に定義することで、後の条文での混乱を避けています。特に「成果物」の定義は重要で、診断結果やアドバイス内容がどのような扱いになるのかを左右します。実務では、スタイリストが作成したカラーチャートや診断書が誰の所有物になるのかといった問題に関わってきます。
第3条(業務内容)
現代の美容業界で求められる幅広いサービスを網羅した条文です。パーソナルカラー診断から買い物同行まで、具体的な業務内容が詳細に列挙されています。特に注目すべきは、各診断の細分化された内容です。例えば、パーソナルカラー診断では色彩診断、メイクアドバイス、ファッション提案という3つの要素に分けて記載されており、サービスの範囲が明確になっています。実施場所の取り決めや業務仕様書の作成義務も含まれており、実際の運用でスムーズに業務が進められるよう配慮されています。
第4条(業務遂行の基本原則)
プロフェッショナルとしての基本的な姿勢を定めた条文です。「善良なる管理者の注意」という表現は、一般的な注意義務よりも高い水準の注意を求めるものです。実際の現場では、カラーリストとして活動する場合の定期的な色彩検定の更新や、新しい診断技術の習得などが該当します。継続的なスキル向上を義務付けることで、サービス品質の維持を図っています。
第5条(独立した事業者であることの確認)
これは現代のフリーランス契約で極めて重要な条文です。雇用関係と業務委託関係を明確に区別することで、労働基準法の適用や社会保険加入義務といった労働関係の問題を回避できます。実際には、スタイリストが委託者の指揮命令下にあるのではなく、自己の責任と判断で業務を遂行することを明確にしています。これにより、税務上の問題や労働トラブルを防ぐことができます。
第6条(予約及びスケジュール管理)
美容サービスでは予約管理が顧客満足度に直結するため、非常に重要な条文です。委託者が予約管理を行い、受託者は指定された時間に確実にサービスを提供する責任があります。変更が必要な場合の連絡体制も明記されており、例えば急な体調不良でスタイリストが来られない場合の対応手順が明確になっています。これにより、顧客への影響を最小限に抑えることができます。
第7条(委託料)
契約の核心となる報酬に関する条文です。各サービスの基本料金、追加料金、交通費の取り扱いから、請求書の提出時期、支払方法まで詳細に定められています。実際の現場では、パーソナルカラー診断の標準時間が90分とされているため、これを超えた場合の料金体系が重要になります。また、振込手数料を委託者負担とすることで、受託者の手取り額を保護しています。
第8条(経費負担)
業務に必要な費用の負担区分を明確にした条文です。基本的な消耗品や機材は受託者負担としながらも、特別な機材が必要な場合は別途協議することで、柔軟な対応を可能にしています。例えば、高額な診断機器が必要な場合や、特殊な化粧品を使用する場合など、予期しない費用負担によるトラブルを防ぐ効果があります。
第9条(業務報告)
サービス提供後の報告義務について定めた条文です。実施日時、顧客情報、診断結果の要旨など、業務の品質管理に必要な情報の報告を義務付けています。これにより、委託者はスタイリストが提供したサービスの内容を正確に把握し、必要に応じて改善指導を行うことができます。また、顧客からのフィードバックを共有することで、サービス品質の向上にもつながります。
第10条(成果物の権利)
美容サービスで作成される診断結果やアドバイス内容などの成果物について、その知的財産権の帰属を明確にした条文です。通常、このような成果物の著作権は委託者に帰属するものとされており、受託者が勝手に他のクライアントで使用することを防いでいます。これにより、委託者のブランド価値や営業秘密を保護することができます。
第11条(機密保持)
美容サービスでは顧客の個人的な情報を多く扱うため、機密保持は極めて重要です。この条文では、契約期間中だけでなく契約終了後も機密保持義務が継続することを明記しています。実際の現場では、顧客の体型の悩みや肌の状態、プライベートな情報などが含まれるため、これらの情報が外部に漏れることは絶対に避けなければなりません。違反した場合の損害賠償責任も定められており、情報漏洩のリスクを最小限に抑えています。
第12条(個人情報保護)
個人情報保護法に基づく適切な取り扱いを定めた条文です。美容サービスでは、顧客の身体的特徴や好み、ライフスタイルなど、非常にセンシティブな情報を扱うことが多いため、特に重要な規定となります。安全管理措置の実施義務も明記されており、例えば診断結果をクラウドに保存する場合のセキュリティ対策なども含まれます。
第13条(競業避止)
フリーランスとの契約で特に重要な条文です。契約期間中と契約終了後の競業行為を制限することで、委託者の事業利益を保護しています。具体的には、委託者の顧客に対する直接的なサービス提供や顧客の勧誘を禁止しており、違反した場合の違約金も定められています。ただし、この制限は合理的な範囲内でなければならず、スタイリストの職業選択の自由を過度に制限することは避けなければなりません。
第14条(再委託の禁止)
パーソナルスタイリングのような専門性の高いサービスでは、特定の技術者の技能に依存する部分が大きいため、品質維持の観点から再委託を原則として禁止しています。顧客は特定のスタイリストのスキルを期待してサービスを受けるため、勝手に他の人に代替されることは許されません。ただし、委託者の承諾があれば例外的に認められる場合もあります。
第15条(損害賠償)
業務遂行中に発生した損害に対する責任を定めた条文です。美容サービスでは、メイクレッスン中に顧客の肌にトラブルが発生した場合や、買い物同行中に商品を破損させた場合など、様々なリスクが想定されます。速やかな報告と委託者への相談義務も定められており、問題が発生した際の対応がスムーズに行えるよう配慮されています。
第16条(契約期間)
契約の有効期間と自動更新条項を定めた条文です。1年間の契約期間を基本とし、特に異議がない場合は自動的に更新される仕組みとなっています。これにより、継続的な業務関係を安定して維持できる一方で、どちらかの当事者が契約を終了したい場合は、1ヶ月前の通知により終了できるバランスの取れた内容となっています。
第17条(中途解約)
契約期間中に契約を終了する場合の手続きを定めた条文です。1ヶ月前の事前通知を必要とし、既に予約が入っている業務については責任を持って遂行することを求めています。これにより、顧客への影響を最小限に抑えながら契約を終了できます。実際の現場では、スタイリストの急な引越しや体調不良などで契約終了が必要になる場合に重要な規定となります。
第18条(解除)
重大な契約違反があった場合の即座の契約解除について定めた条文です。催告なしに契約を解除できる場合として、破産手続きの開始、資格の喪失、法令違反による処分などが具体的に列挙されています。これにより、事業継続が困難な状況や信頼関係が著しく損なわれた場合に、迅速な対応が可能になります。
第19条(反社会的勢力の排除)
現代のビジネス環境では必須となった反社会的勢力との関係遮断を定めた条文です。暴力団関係者等との関係がないことを相互に保証し、発覚した場合は即座に契約を解除できる仕組みとなっています。美容業界においても、企業のコンプライアンス体制の一環として極めて重要な規定です。
第20条(契約終了後の措置)
契約が終了した際の事後処理について定めた条文です。貸与物品の返還、個人情報の返還または廃棄、機密情報の返還など、契約終了後も適切な処理を求めています。また、機密保持や競業避止などの一部の義務は契約終了後も継続することを明記しており、包括的な契約終了処理が行えるよう配慮されています。
第21条(協議)
契約の解釈や運用で疑義が生じた場合の解決方法を定めた条文です。まずは当事者同士での誠実な協議による解決を求めており、円満な関係維持を重視した内容となっています。実際の現場では、料金の解釈や業務範囲の認識違いなど、様々な問題が生じる可能性があるため、話し合いによる解決を優先することで、些細な問題での関係悪化を防げます。
第22条(管轄裁判所)
万が一の紛争発生時の裁判管轄を定めた条文です。専属的合意管轄として特定の地方裁判所を指定することで、紛争解決の迅速化と費用削減を図っています。契約締結時に当事者の所在地を考慮して適切な裁判所を選択することが重要で、通常は委託者の所在地を管轄する裁判所が指定されることが多いです。
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