最後に、公正な競争が市場の健全な発展につながるという理念を述べ、相手企業にも協力を求める形で締めくくります。威圧的になりすぎず、しかし毅然とした態度で、誠実な対応を求める文章で終わることで、全体のトーンをバランス良く保ちます。
【3】活用アドバイス
この書面を効果的に使うためには、まず証拠集めが何より大切です。相手企業が実際に何をしたのか、メールや録音、資料、証言など、できるだけ多くの証拠を集めてから作成しましょう。証拠がないまま送ってしまうと、相手から「そんな事実はない」と否定されて終わってしまう可能性があります。
書面を作成する際は、感情的な表現を避け、事実を淡々と記載することを心がけてください。「許せない」「ひどい」といった言葉は使わず、「このような行為が確認されています」という客観的なトーンで書くことで、専門性と信頼性が高まります。
金額を記載する部分では、できるだけ具体的な数字を示すことが重要です。「売上が減った」だけでなく、「月〇〇〇万円の減少」と書くことで、被害の深刻さが伝わります。ただし、根拠のない数字を書くと逆に信用を失うので、実際の売上データや取引記録に基づいて算出しましょう。
送付方法は必ず配達証明郵便を使ってください。普通郵便だと「届いていない」と言われる可能性がありますが、配達証明なら確実に相手に届いたことを証明できます。この証明は、後に裁判になった場合にも重要な証拠となります。
書面を送る前に、できれば弁護士や法務の専門家に内容をチェックしてもらうことをお勧めします。特に法律の解釈部分や損害額の算定は、専門家の助言があるとより説得力が増します。
相手企業から回答が来たら、その内容を慎重に検討し、誠実な対応かどうかを判断してください。形だけの謝罪や不十分な是正措置であれば、次のステップ(公正取引委員会への報告など)を検討する必要があります。
【4】この文書を利用するメリット
まず、相手企業に対して「こちらは本気で対応する準備がある」という強いメッセージを送ることができます。口頭での抗議と違い、正式な書面で法律の条文まで引用して送ることで、相手企業の経営陣や法務部門が事態を深刻に受け止めるようになります。
証拠と具体的な被害額を明示することで、単なるクレームではなく、実害に基づいた正当な要請であることを示せます。これにより相手企業も安易に無視できなくなり、真摯な対応を引き出しやすくなります。
配達証明郵便で送ることで、「いつ、相手に通知したか」という記録が残ります。この記録は、将来的に裁判になった場合や公正取引委員会に報告する際に、「警告を発していた」という証拠として使えます。
書面の中で複数の対応策(行為の中止、確約書の提出、是正措置、損害賠償協議など)を段階的に求めることで、相手企業に具体的な行動指針を示すことができます。何をすればいいのか分からない状態よりも、明確な要請がある方が、相手も対応しやすくなります。
Word形式で編集可能なため、自社の状況に合わせて柔軟にカスタマイズできます。会社名、日付、具体的な被害内容、金額などを差し替えるだけで、すぐに使える実用的なテンプレートです。一から書面を作る手間が省け、時間とコストを節約できます。
もし相手企業が誠実に対応すれば、裁判まで行かずに問題を解決できる可能性が高まります。訴訟は時間もお金もかかるため、この書面で早期解決できれば、企業にとって大きなメリットとなります。
さらに、この書面を送ることで社内的にも「会社が営業活動をきちんと守ってくれている」というメッセージを営業部門に示すことができ、社員のモチベーション維持にもつながります。