不動産競売申立書

ダウンロードには会員登録が必要です。

不動産競売申立書

¥0
/
税込
 

【1】書式概要

 

この書式は、金融機関や企業が融資先から返済を受けられなくなった際に、担保として設定していた不動産を裁判所を通じて売却し、その代金から債権を回収するために裁判所へ提出する申立書のテンプレートです。

 

銀行や信用金庫、貸金業者などがお金を貸す際には、返済が滞った場合に備えて土地や建物に抵当権という権利を設定しておくことが一般的です。しかし、借主が約束通りに返済できなくなってしまったとき、貸主は話し合いでの解決が難しいと判断すれば、この抵当権を使って不動産を強制的に売却する手続きを裁判所に申し立てることができます。それが競売という仕組みです。

 

この書式には、誰が誰に対してどれだけの金額を請求するのか、どの不動産を売却対象とするのか、担保権の設定日や登記の情報はどうなっているのかといった必要事項を整理して記入できるようになっています。裁判所に提出する正式な書類ですので、記載内容に漏れや誤りがないよう慎重に作成する必要がありますが、この雛型を使えば必要な項目が一目で分かり、スムーズに書類を準備できます。

 

Word形式で提供されているため、パソコン上で直接編集が可能です。会社名や住所、金額、不動産の情報など、ご自身のケースに合わせて●印の部分を書き換えるだけで、そのまま実務で使用できる申立書が完成します。債権回収業務を担当されている方、金融機関の融資部門や法務部門の方、また司法書士や弁護士の先生方にとって、業務効率化に役立つ実用的なテンプレートです。

 

 

 

 

【2】解説

 

この申立書は大きく分けて、表紙部分と各種目録で構成されています。それぞれの項目について、実務での記入ポイントを見ていきましょう。

 

宛先と提出日

書類の冒頭には提出先の裁判所名と提出日を記載します。競売を申し立てる不動産の所在地を管轄する地方裁判所に提出するのが原則です。たとえば、東京都内の不動産であれば東京地方裁判所、大阪府内であれば大阪地方裁判所といった具合です。提出日は実際に裁判所へ書類を持参または郵送する日付を記入してください。

 

債権者の情報

申立てをする側、つまりお金を貸している側の会社名と代表者名を記載します。連絡先の電話番号やFAX番号も必須です。裁判所から問い合わせや連絡が来ることがありますので、確実に連絡の取れる番号を記入しましょう。担当者名も書いておくと、実務上のやり取りがスムーズになります。

 

申立ての趣旨

本文では、債権者が債務者に対して持っている債権の内容と、その返済がされていないこと、そのため担保権を実行して不動産を競売にかけたい旨を簡潔に述べます。この部分は定型文ですので、基本的にはそのまま使用できます。

 

添付書類

申立書と一緒に提出しなければならない書類のリストです。不動産登記事項証明書は法務局で取得でき、その不動産の現在の権利関係を証明するものです。公課証明書は固定資産税などの税金が滞納されていないかを確認する書類で、市区町村役場で発行してもらえます。資格証明書は会社の登記簿謄本のことで、申立人が法人である場合に必要です。委任状は、弁護士や司法書士に手続きを依頼する場合に添付します。

 

当事者目録

債権者と債務者の正式な名称、住所、代表者名を記載します。会社の登記簿謄本に記載されている通りに正確に書くことが重要です。住所のハイフンや番地の表記も登記通りにしてください。

 

担保権・被担保債権・請求債権目録

ここが申立ての核心部分です。担保権の項目では、いつ設定された抵当権なのか、どこの法務局で登記されたのか、受付番号は何番かを明記します。たとえば「令和3年4月15日設定の抵当権、東京法務局新宿出張所、令和3年4月20日受付第12345号」といった具合です。

 

被担保債権及び請求債権の項目では、元々いくら貸したのか、現在いくら残っているのかを記載します。たとえば、5000万円を貸して一部返済があり、現在3000万円が残っているなら「元金3000万円、但し令和3年4月15日の金銭消費貸借契約による貸付金5000万円の残金」と書きます。

 

損害金については、約束の返済日を過ぎてから完済されるまでの遅れに対するペナルティです。契約で定められた利率(年14%など)を記載し、「弁済期令和5年3月31日の翌日である令和5年4月1日から完済日まで」というように期間を明示します。

 

物件目録

競売にかける不動産の詳細情報です。土地については所在(市区町村名と町名)、地番、地目(宅地、畑、山林など)、地積(面積)を記載します。建物については所在、家屋番号、種類(居宅、店舗、事務所など)、構造(木造、鉄筋コンクリート造など)、床面積を各階ごとに記入します。これらの情報はすべて登記事項証明書に記載されている通りに転記してください。

 

 

 

 

【3】活用アドバイス

 

この書式を使う際は、まず登記事項証明書を法務局で取得することから始めましょう。そこに記載されている情報を正確に転記することが最も重要です。特に不動産の表示(地番、家屋番号、面積など)や抵当権設定の登記情報(受付年月日、受付番号)は、一文字でも間違えると申立てが受理されないことがあります。

 

金額の計算も慎重に行ってください。元金だけでなく、遅延損害金の計算期間や利率も契約書を確認しながら正確に記入します。わからない点があれば、司法書士や弁護士に相談することをお勧めします。

 

書類を作成したら、提出前に必ず複数人でチェックする体制を作りましょう。債権回収は会社にとって重要な業務ですので、書類の不備で手続きが遅れることは避けたいものです。

 

また、競売の申立ては法律で定められた手続きですので、申立て前に債務者と任意売却などの話し合いを試みることも検討してください。競売よりも任意売却の方が高値で売れることが多く、債権者にとっても債務者にとってもメリットがある場合があります。

 

 

 

 

【4】この文書を利用するメリット

 

まず第一に、必要な項目が漏れなく整理されているため、初めて競売申立てを行う担当者でも安心して書類を作成できます。裁判所に提出する書類は形式が厳格に決まっており、不備があると受理されず何度も修正が必要になることがありますが、この雛型を使えばそうしたリスクを大幅に減らせます。

 

Word形式で編集できるため、社内で何度も使い回すことができ、案件ごとに該当箇所を書き換えるだけで済みます。一から書式を作る手間が省け、業務時間の短縮につながります。

 

また、各目録が適切に構成されているため、債権者・債務者の情報、担保権の詳細、請求金額、対象不動産といった複雑な情報を整理して記載できます。これにより、裁判所での審査もスムーズに進みやすくなります。

 

金融機関や貸金業を営む企業にとって、債権回収は避けて通れない業務です。この書式を常備しておくことで、いざというときに迅速に対応でき、債権の早期回収につながる可能性が高まります。

 

 

 

 

 

RuffRuff App RuffRuff Apps by Tsun

Customer Reviews

Be the first to write a review
0%
(0)
0%
(0)
0%
(0)
0%
(0)
0%
(0)

おすすめ書式テンプレート

最近チェックしたテンプレート