【1】書式概要
ホストクラブ業界での経験を活かして作成した「新人ホスト入店時連帯保証契約書」をご提供いたします。この契約書は、新人ホストが店舗に入店する際に連帯保証人を設定するための法的な枠組みを整備し、店舗側と新人ホスト、そして連帯保証人の三者間の権利と義務を明確にするために設計されています。
本契約書には、新人ホストと連帯保証人に関する基本情報の記入欄に加え、保証の範囲、限度額、期間などの重要な条項が含まれています。特に保証の範囲については、入店時の制服代や備品代などの初期費用から、売上未達分の罰金、顧客からの売掛金未回収分まで、ホスト業界特有の項目を網羅しています。
また、連帯保証人の責任、遅延損害金、期限の利益喪失事由、通知義務などの一般的な法的条項も充実しており、業界内でのトラブルを未然に防ぐための配慮がなされています。新人ホストが店舗のルールを遵守することを約束する条項も含まれており、就業規則等の違反による罰則金についても連帯保証の対象としています。
店舗経営者の方にとっては債権保全の手段として、新人ホストの方にとっては自身の責任範囲を明確にする手段として、連帯保証人の方にとっては保証の限度を知る手段として、三者それぞれにメリットのある内容となっています。業界での紛争を防止し、健全な経営と雇用関係を構築するための必須アイテムです。
この契約書は専門家の助言を参考に作成しておりますが、実際のご使用に際しては、各店舗の状況や地域の法律に合わせて適宜調整されることをお勧めします。
〔条文タイトル〕 第1条(目的) 第2条(新人ホスト情報) 第3条(連帯保証人情報) 第4条(保証の範囲) 第5条(保証の限度額) 第6条(保証期間) 第7条(連帯保証の効力) 第8条(遅延損害金) 第9条(期限の利益の喪失) 第10条(通知義務) 第11条(保証人の変更) 第12条(報告義務) 第13条(費用の負担) 第14条(充当順序) 第15条(相殺) 第16条(個人情報の取扱い) 第17条(就業規則等の遵守) 第18条(合意管轄) 第19条(協議事項)
【2】逐条解説
第1条(目的)
この条文は契約の基本的な目的を定めています。新人ホストが店舗に入店する際に、その新人ホストが店舗に対して負う可能性のあるすべての債務について、連帯保証人が保証責任を負うという契約の本質を明確にしています。この条文によって、契約の対象範囲と当事者間の関係性が確立されます。
第2条(新人ホスト情報)
新人ホスト(甲)の基本情報を記載する条項です。氏名、生年月日、住所など基本的な個人情報に加え、前職や芸名(予定)といったホスト業界特有の情報も含まれています。これらの情報は、契約当事者を特定するとともに、後に契約内容に関する紛争が生じた場合の本人確認にも役立ちます。
第3条(連帯保証人情報)
連帯保証人(丙)に関する情報を記載する条項です。基本的な個人情報に加え、新人ホストとの関係性や勤務先情報、年収などが含まれており、連帯保証人の返済能力を判断するための情報が網羅されています。年収を記載させることで、保証能力の裏付けを確認する意図があります。
第4条(保証の範囲)
この条文は連帯保証の具体的な範囲を規定しています。制服代や備品代などの初期費用、売上未達分の罰金、顧客からの売掛金未回収分など、ホスト業界特有の債務項目が詳細に列挙されています。これにより、連帯保証人が何について責任を負うのかが明確になり、後の紛争を防止します。
第5条(保証の限度額)
連帯保証人の責任に上限を設けることで、保証人の過度な負担を防ぐための条項です。限度額を設定することは、保証人保護の観点から重要であり、また限度額を明示することで保証人が引き受ける責任の範囲を事前に理解することができます。
第6条(保証期間)
保証契約の有効期間を定める条項です。期間を定めることで保証人の負担を時間的に限定しますが、第2項では期間満了時に債務が残っている場合は完済まで保証責任が継続することを規定しています。これにより店舗側の債権保全と保証人保護のバランスを図っています。
第7条(連帯保証の効力)
連帯保証の法的効力について規定しています。第1項では、主債務者(新人ホスト)に対する請求や執行を待たずに、保証人に直接請求できる権利を明記しています。第2項では、連帯保証人が民法上の抗弁権を放棄することを明記し、確実な債権回収を可能にしています。
第8条(遅延損害金)
債務の支払いが遅延した場合の対応を定める条項です。遅延損害金の年率を定めることで、支払遅延に対する抑止力となるとともに、遅延による損害の補償方法を明確にしています。具体的な率は当事者間で合意して記入します。
第9条(期限の利益の喪失)
一定の事由が発生した場合に、分割払いなどの期限の利益を失い、一括して支払義務が生じることを規定しています。債務不履行、破産申立て、強制執行、死亡など、債権回収が困難になる可能性がある事態が発生した場合の対応策として機能します。
第10条(通知義務)
契約当事者の基本情報に変更があった場合の通知義務を定めています。連絡先等の変更を適切に通知することで、債権管理の継続性を確保し、通知懈怠による損害については責任を負わないことを明確にしています。
第11条(保証人の変更)
連帯保証人が死亡した場合や信用状態に変化が生じた場合など、現在の保証人が適格でなくなった場合の対応を規定しています。新たな保証人を立てる義務を新人ホストに課すことで、店舗側の債権保全の継続性を確保しています。
第12条(報告義務)
財産状況などの報告を求められた場合の対応義務を規定しています。この条項により、店舗側は新人ホストや保証人の支払能力を随時確認することができ、リスク管理に役立てることができます。
第13条(費用の負担)
契約締結や履行に関する費用負担を新人ホスト側とすることを明記しています。契約書の作成費用や印紙税などの諸費用の負担者を明確にすることで、後のトラブルを防止します。
第14条(充当順序)
受領した金銭の充当順序を店舗側が指定できる権利を規定しています。複数の債務がある場合に、どの債務に優先的に充当するかを店舗側が決定できることで、効率的な債権回収が可能になります。
第15条(相殺)
店舗側が新人ホストや保証人に対して債務を負っている場合に、相互の債権債務を相殺できることを規定しています。給与や報酬などと債務を相殺することで、債権回収の効率化を図ることができます。
第16条(個人情報の取扱い)
契約に関連して取得した個人情報の利用目的や第三者提供に関する同意条項です。個人情報保護法に配慮しつつ、債権管理や回収のために必要な範囲で個人情報を活用できることを明確にしています。
第17条(就業規則等の遵守)
新人ホストが店舗の就業規則や業務マニュアルを遵守する義務を定め、これらに違反した場合の罰則金についても連帯保証の対象とすることを規定しています。業界特有の規律遵守を促進する効果があります。
第18条(合意管轄)
契約に関する紛争が生じた場合の管轄裁判所を指定する条項です。地理的に近い裁判所を指定することで、訴訟の際の当事者の負担を軽減するとともに、予測可能性を高めています。
第19条(協議事項)
契約に定めのない事項や解釈に疑義が生じた場合の対応方法を規定しています。当事者間の誠実な協議により解決を図ることで、柔軟かつ円満な紛争解決を促進する効果があります。
この契約書は、新人ホストの入店時における三者(新人ホスト、ホストクラブ、連帯保証人)の権利義務関係を明確にし、ホストクラブ経営におけるリスク管理と安定した経営基盤の確立に寄与するよう設計されています。
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