【1】書式概要
この機械警備業務委託契約書は、建物や施設の安全を守るために警備会社と契約を結ぶ際に必要となる重要な書面です。オフィスビル、店舗、工場、倉庫、マンションなど、あらゆる施設において機械警備システムを導入する場面で活用できます。
近年、人手不足や24時間体制での警備ニーズの高まりから、センサーやカメラを使った機械警備への注目が集まっています。しかし、警備会社との契約では、サービス内容や責任の範囲、料金体系などを明確に定めておかないと、後々トラブルの原因となってしまいます。
この契約書は、改正民法に完全対応しており、現行の制度に即した内容となっています。警備対象施設の詳細から機器の設置仕様、異常時の対応手順、損害賠償の範囲まで、実務で必要となるポイントを網羅的にカバーしています。特に、個人情報保護や秘密保持に関する条項も充実させており、今日的な課題にも対応しています。
Word形式での提供となっているため、パソコンで簡単に編集でき、お客様の具体的な状況に合わせてカスタマイズが可能です。不動産管理会社、ビル管理会社、店舗運営企業、工場や倉庫を持つ製造業や物流業の方々をはじめ、施設の安全管理に携わるすべての方にとって実用的なツールとなるでしょう。
【2】条文タイトル
第1条(契約の目的及び定義) 第2条(業務内容) 第3条(警備システムの設置及び仕様) 第4条(契約期間) 第5条(委託料金及び支払条件) 第6条(機器の保守管理) 第7条(異常事態発生時の対応義務) 第8条(委託者の協力義務) 第9条(立入検査及び報告) 第10条(秘密保持義務) 第11条(個人情報の取扱い) 第12条(損害賠償責任) 第13条(契約の解除) 第14条(契約の更新) 第15条(その他)
【3】逐条解説
第1条 契約の目的及び定義
この条文では契約の基本的な枠組みを定めています。機械警備業務の定義を明確にすることで、単なる機器の設置ではなく、異常時には警備員が現場に駆けつけるサービスであることを明示しています。例えば、深夜にセンサーが反応した場合、警備会社の担当者が実際に現場まで来て状況確認を行うといった具体的なサービス内容が含まれます。
第2条 業務内容
警備会社が行うべき具体的な業務を8項目にわたって詳細に列挙しています。侵入検知から火災監視、異常時の対応、報告書作成まで、包括的なサービス内容を網羅しています。特に重要なのは警備業法の遵守を明記している点で、これにより適正な資格を持った業者との契約であることが保証されます。
第3条 警備システムの設置及び仕様
機械警備システムの設置に関する取り決めを定めています。システムの種類や設置場所は別紙で詳細を定めることとしており、施設の特性に応じた柔軟な対応が可能です。例えば、オフィスビルなら出入口と各フロアに、工場なら製造ラインと倉庫エリアにといった具合に、用途に応じた最適な配置を協議できます。
第4条 契約期間
契約の有効期間を明確に定める条文です。通常は1年間での契約が一般的ですが、施設の利用状況や予算に応じて期間を調整できます。
第5条 委託料金及び支払条件
料金体系と支払い方法を詳細に規定しています。月額料金と初期の設置工事費を分けて定めることで、コスト構造を明確化しています。遅延損害金の規定も設けており、支払い遅延に対する抑制効果も期待できます。中小企業の場合、キャッシュフローを考慮して支払い日を月末締めの翌月払いに設定するケースが多く見られます。
第6条 機器の保守管理
警備機器の維持管理責任を警備会社側に置いており、委託者の負担を軽減しています。ただし、委託者の故意や重過失による故障は例外としており、バランスの取れた責任分担となっています。
第7条 異常事態発生時の対応義務
機械警備の核心部分である異常時対応について、具体的な手順を定めています。警備員の現場急行から関係機関への通報、委託者への報告まで、一連の流れを体系化しています。例えば、夜間に侵入センサーが作動した場合、まず警備員が現場確認を行い、実際に不審者がいれば警察に通報、その後速やかに施設管理者に連絡するといった手順になります。
第8条 委託者の協力義務
警備業務を効果的に実施するために必要な委託者側の協力事項を定めています。鍵の管理方法や緊急連絡先の提供など、実務上不可欠な情報共有について規定しています。
第9条 立入検査及び報告
委託者が警備業務の実施状況を確認できる権利を定めています。これにより、契約通りのサービスが提供されているかを定期的にチェックできます。
第10条 秘密保持義務
警備業務を通じて知り得た施設の情報や利用者の情報について、厳格な秘密保持義務を課しています。契約終了後も一定期間この義務が継続することで、情報漏洩リスクを最小限に抑えています。
第11条 個人情報の取扱い
個人情報保護法に基づく適正な取扱いを義務付けています。特にオフィスビルやマンションなど、多くの人が出入りする施設では、監視カメラの映像に個人が写り込む可能性があるため、この条項は重要な意味を持ちます。
第12条 損害賠償責任
警備会社の責任範囲を明確に定めています。故意や重過失がある場合に限定し、かつ年間委託料金の一定倍数を上限とすることで、過度な責任を避けながらも適切な責任分担を実現しています。
第13条 契約の解除
契約違反があった場合の解除手続きと、委託者による任意解除の条件を定めています。解除時には機器の撤去と原状回復を義務付けており、後処理についても明確化しています。
第14条 契約の更新
自動更新条項により、双方に異議がなければ継続して契約が維持される仕組みです。これにより、毎年の契約更新手続きの手間を省略できます。
第15条 その他
契約書に定めのない事項の協議や管轄裁判所について定めています。地域の実情に応じて管轄裁判所を指定することで、万一の紛争時の利便性を確保しています。
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