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【1】書式概要
この書式は、警察官から受けた違法な職務質問について、都道府県公安委員会に対して正式に苦情を申し出るための文書です。警察法第79条では、警察官の職務執行について苦情がある場合、誰でも公安委員会に対して文書で申出ができると定められています。
街中で警察官に呼び止められ、長時間にわたって解放してもらえなかった、断っているのに所持品検査を迫られた、帰ろうとしたら腕を掴まれた、大声で怒鳴られて怖い思いをした。そんな経験をされた方が、泣き寝入りせずに適正な対応を求めるための書式です。
使用場面としては、職務質問を受けた後、その対応に納得がいかないと感じた場合に作成・提出します。できれば記憶が鮮明なうちに、日時・場所・警察官の特徴・やり取りの内容などをメモしておき、この書式に落とし込んでいただければと思います。
本書式はWord形式でご提供しますので、ご自身の状況に合わせて自由に編集していただけます。日付や住所、具体的な被害内容などを書き換えるだけで、すぐにご使用いただける実用的なテンプレートとなっています
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難しい専門用語はできるだけ避け、一般の方でも内容を理解しながら作成できるよう配慮しました。警察への苦情というと大げさに聞じるかもしれませんが、不当な扱いを受けたと感じたなら、きちんと声を上げることは市民の正当な権利です。
【2】条文タイトル
本書式は苦情申出書であり、契約書のような条文構成ではありませんが、記載項目として以下の構成となっています。
第1項(苦情の対象となる職務執行)
第2項(苦情の内容)
第3項(求める措置)
【3】逐条解説
第1項(苦情の対象となる職務執行)
ここでは、問題となった職務質問がいつ、どこで、誰によって行われたのかを特定します。公安委員会が事実確認を行う際の手がかりとなる部分ですので、できるだけ正確に記載することが大切です。
日時については「令和●年●月●日 午後●時●分頃」のように、分かる範囲で具体的に書きます。場所も「●●市●●町●丁目●番付近」や「●●駅東口ロータリー」など、特定できる情報を入れてください。
警察官の情報は、名前や階級が分からなくても構いません。「30代くらいの男性警察官2名」「胸の名札に●●と記載があった」など、覚えている特徴を記載すれば十分です。所属署が分からない場合は、場所から管轄署を推測して書くこともできます。
第2項(苦情の内容)
ここが申出書の核心部分です。何が問題だったのか、なぜ違法だと考えるのかを具体的に説明します。本書式では、実務上よく問題となる4つの類型を盛り込んでいます。
「長時間の拘束」については、職務質問はあくまで任意ですから、本来は対象者がいつでも立ち去れるはずです。たとえば、急いでいるので失礼しますと言ったのに30分以上も解放されなかったというような場合は、実質的に身体を拘束されたのと同じです。
「所持品検査の強要」は、カバンの中を見せてくださいと言われて断ったのに、何度もしつこく要求されたり、見せないと帰さないと言われたりしたケースを想定しています。所持品検査はあくまで任意の協力をお願いするものであり、断る権利があります。
「退去の妨害」は、帰ろうとしたら前に立ちはだかれた、腕を掴まれた、パトカーで囲まれたなど、物理的に立ち去ることを阻止された場合です。このような有形力の行使は、よほどの事情がない限り許されません。
「威圧的言動」については、何やましいことがあるんだろうとか、協力しないなら署まで来てもらうなど、高圧的な態度で心理的に追い詰めるような対応が該当します。
ご自身のケースに当てはまらない項目は削除し、逆に他に問題があれば書き加えて調整してください。
第3項(求める措置)
公安委員会に対して、具体的に何をしてほしいのかを伝える部分です。本書式では、事実関係の調査と結果の通知、当該警察官への指導監督、再発防止策の3点を挙げています。
苦情申出に対しては、公安委員会から処理結果が文書で通知されることになっています。単に不満をぶつけて終わりではなく、きちんと調査して回答をもらえる制度ですので、遠慮なく活用してください。
【4】FAQ
Q. 公安委員会への苦情申出は無料でできますか?
A. はい、費用は一切かかりません。所定の書式も特に決まっていませんので、この書式を参考に作成し、都道府県公安委員会宛に郵送または持参すれば受け付けてもらえます。
Q. 匿名でも申し出できますか?
A. 警察法79条に基づく苦情申出は、氏名・住所の記載が必要です。匿名の場合は正式な苦情申出として扱われず、処理結果の通知も受けられません。ただし、申出人の情報は調査目的以外には使用されませんのでご安心ください。
Q. 申出書を出したら警察から報復されませんか?
A. 苦情申出は法律で認められた正当な権利行使ですので、それを理由に不利益な扱いを受けることはありません。万が一そのようなことがあれば、それ自体が新たな苦情の対象となります。
Q. いつまでに申し出ればいいですか?
A. 法律上の期限は定められていませんが、時間が経つと記憶があいまいになったり、関係者の特定が難しくなったりします。できれば1〜2週間以内、遅くとも1ヶ月以内には申し出ることをお勧めします。
Q. 証拠がなくても申し出できますか?
A. 証拠がなくても申出自体は可能です。ただし、録音データや目撃者の証言があれば、調査がスムーズに進みやすくなります。最近はスマートフォンで録音している方も増えています。
Q. 公安委員会に出しても警察の身内でかばい合うのでは?
A. 公安委員会は警察組織とは別の行政委員会で、民間人の委員で構成されています。実際の調査は警察本部が行いますが、処理結果は公安委員会を通じて通知され、不適切な対応があれば是正が求められます。納得できない場合は、弁護士会の人権擁護委員会や検察庁への相談も選択肢となります。
Q. 損害賠償も請求できますか?
A. 苦情申出制度は、事実確認と再発防止を求める手続きであり、金銭的な賠償を求めるものではありません。賠償請求をしたい場合は、別途、国家賠償請求訴訟を検討することになります。
【5】活用アドバイス
まず大切なのは、職務質問を受けた直後に記録を残すことです。日時、場所、警察官の人数や特徴、言われたこと、やり取りの流れなどを、スマートフォンのメモ機能でも手書きでも構いませんので、できるだけ詳しく書き留めておいてください。人間の記憶は思った以上に早く薄れていきます。
可能であれば、職務質問中にスマートフォンで録音しておくと有力な証拠になります。録音自体は違法ではありませんし、後から「言った・言わない」の争いを避けられます。録音を始める際に「録音させていただきます」と宣言する必要もありません。
申出書を書く際は、感情的な表現はできるだけ避け、事実を淡々と記載するよう心がけてください。「ひどい対応だった」「許せない」といった主観的な表現よりも、「●分間にわたり」「●回断ったにもかかわらず」など、具体的な事実を積み重ねる方が説得力が増します。
本書式の内容をそのまま使うのではなく、ご自身の経験に合わせて加筆修正してください。該当しない項目は削除し、書式に記載のない問題点があれば追加してください。あくまでたたき台としてご活用いただければと思います。
申出書は郵送でも持参でも提出できます。郵送の場合は、配達記録が残る書留やレターパックを利用すると安心です。控えとしてコピーを取っておくことも忘れずに。
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