【1】書式概要
この書式は、合同労組(ユニオン)をこれから立ち上げたいと考えている方に向けた規約のひな型です。労働組合を結成するには規約の整備が不可欠ですが、いざ自分で一から書こうとすると、何をどこまで盛り込めばいいのか迷ってしまうのが実情ではないでしょうか。この規約ひな型は、労働組合法第5条第2項が求めるすべての記載事項を漏れなく反映した全26条+附則の構成で、組合の名称・所在地といった基本事項から、組合員の加入・脱退・除名の手続、大会や執行委員会の運営ルール、役員の選出・任期・解任、会計報告の仕組み、ストライキを行う場合の議決要件、規約変更や解散の手続まで、ユニオン運営に必要な事項を体系的にまとめています。
特に、合同労組として「誰でも加入できる」形態を想定しているため、企業別の組合ではなく、業種や雇用形態を問わず個人で加入できるタイプの労働組合を作りたい方に適しています。職場に組合がない方、フリーランスや業務委託で働いている方、パート・アルバイト・派遣など非正規雇用の方が仲間と一緒に組合を立ち上げる場面で、そのままベースとしてお使いいただけます。
Word形式(.docx)でお届けしますので、組合名や所在地、組合費の金額、会計年度などの箇所をご自身の状況に合わせて自由に編集できます。まずはこのひな型をたたき台にして、必要に応じて条文を追加・修正しながら、自分たちの組合にフィットした規約に仕上げてください。
【2】条文タイトル
第1条(名称) 第2条(所在地) 第3条(目的) 第4条(事業) 第5条(組合員の資格) 第6条(加入) 第7条(脱退) 第8条(除名) 第9条(機関) 第10条(大会) 第11条(大会の招集) 第12条(大会の定足数及び議決) 第13条(大会の議決事項) 第14条(執行委員会) 第15条(役員) 第16条(役員の選出) 第17条(役員の任期) 第18条(役員の解任) 第19条(執行委員長の職務) 第20条(経費) 第21条(組合費) 第22条(会計年度) 第23条(会計報告) 第24条(争議行為の手続) 第25条(規約の変更) 第26条(解散) 附則
【3】FAQ
Q1. 労働組合を作るのに届出や認可は必要ですか?
いいえ、届出も認可も不要です。2名以上で規約を定め、結成大会を開けばその時点で労働組合は成立します。ただし、法人格を取得したい場合や不当労働行為の救済申立てをする場合には、労働委員会の資格審査を受ける必要があります。
Q2. 組合員は2名でも大丈夫ですか?
法律上は2名で結成可能です。ただし、1名が脱退すると組合の存続自体が危うくなるため、早めに組合員を増やすことが望ましいでしょう。
Q3. フリーランスや個人事業主でも組合員になれますか?
労働組合法上の「労働者」に該当すれば組合員になれます。特定の発注者から継続的に仕事を受けていて、報酬や業務遂行に労務対価性がある働き方をしている場合は該当する可能性があります。完全に独立した事業者の場合は該当しないこともあります。
Q4. パートやアルバイトでも加入できますか?
はい、雇用形態は問いません。パート、アルバイト、契約社員、派遣社員など、どのような雇用形態でも加入できます。
Q5. 会社に組合を作ったことを知らせる必要がありますか?
結成時点で会社に通知する義務はありません。通常は団体交渉を申し入れる段階で、組合の存在と交渉要求を使用者に通知します。
Q6. 「職業的に資格がある会計監査人の証明」とは何ですか?
税理士や公認会計士などの有資格者が、会計報告の正確性を証明することです。労働委員会の資格審査を受ける際に必要となります。日常の運営で直ちに必要というわけではありませんが、資格審査を予定している場合は早めに対応しておきましょう。
Q7. 規約のどこを編集すればすぐに使えますか?
○○となっている箇所(組合名称、所在地、組合費の金額、会計年度の始期・終期、施行日)をご自身の情報に書き換えてください。条文の追加や修正も自由に行えますが、労組法第5条第2項の必要的記載事項を削除しないようご注意ください。
Q8. 結成大会では何をすればいいですか?
規約の承認、役員の選出、運動方針の決議を行い、議事録を作成してください。出席者全員の署名または記名押印があるとなお確実です。
Q9. 組合費はいくらに設定すべきですか?
合同労組の相場は月額1,000円~3,000円程度が多いですが、活動内容や規模によって異なります。まずは無理のない金額で始めて、必要に応じて大会の議決で変更するのがよいでしょう。
Q10. この規約は特定の業種向けですか?
いいえ、業種を限定していない汎用的な合同労組向けの規約です。運送業、建設業、IT、飲食、介護、製造業など、あらゆる業種の方にお使いいただけます。
【4】活用アドバイス
まずは○○部分を埋めるところから始めましょう
規約を初めて見ると条文数が多く感じるかもしれませんが、最初にやるべきことは単純です。○○と記載されている箇所(組合名称、所在地、組合費、会計年度、施行日)を自分たちの内容に書き換えるだけで、基本的な規約としてすぐに使える状態になります。
条文の追加・削除は慎重に
この規約には労働組合法が求める必要的記載事項がすべて含まれています。不要と思える条文でも、法律上の要件である場合がありますので、削除する際は該当条文が法定事項かどうかを確認してください。逆に、自分たちの組合に必要な独自ルール(たとえばオンラインでの議決方法、特別会計の設置、顧問弁護士の選任など)があれば、積極的に条文を追加してください。
結成大会の議事録をセットで準備
規約だけあっても、結成大会の議事録がなければ組合が正式に成立した証拠を示せません。議事録には、日時・場所・出席者・議題・議決結果を記録し、出席者全員の署名をもらっておくと安心です。労働委員会の資格審査を受ける場合にも提出を求められます。
組合費の金額は現実的に設定する
高すぎると加入のハードルになり、低すぎると活動資金が不足します。最初は少額でスタートし、組合員数が増えて活動が本格化してから大会の議決で見直すという段階的なアプローチが無難です。
労働委員会の資格審査を受けるかどうかを決める
法人格が不要で、当面は任意団体として活動するのであれば、資格審査は急ぎません。ただし、不当労働行為の救済申立てをする可能性がある場合は、事前に資格審査を受けておくとスムーズです。資格審査では、この規約が法定要件を満たしているか、実態として民主的に運営されているかが審査されます。
定期大会を必ず開催する
規約を作っても大会を開かなければ、組合として機能しません。毎年の定期大会で運動方針・予算・決算を確認することが、組合運営の基盤です。組合員が少ないうちは全員が集まりやすいので、大会運営に慣れる良い機会と捉えてください。
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