〔記載例付き〕ベンチャーキャピタル投資デュー・デリジェンス・チェックリスト

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〔記載例付き〕ベンチャーキャピタル投資デュー・デリジェンス・チェックリスト

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【1】書式概要 

 

 

この投資評価チェックリストは、ベンチャーキャピタルやプライベートエクイティファンドが投資判断を行う際に必要不可欠な調査項目を体系的にまとめた実務書式です。スタートアップや成長企業への投資を検討する際、経営陣の評価から市場環境の分析、競争優位性の検証、収益性の評価まで、投資判断に必要な全ての要素を漏れなくチェックできるよう設計されています。

 

実際の投資現場では、限られた時間の中で多角的な視点から企業を評価する必要がありますが、このチェックリストがあれば効率的かつ体系的な分析が可能になります。各項目には具体的な記載例が付いているため、初めて投資評価業務に携わる方でも実践的に活用できる内容となっています。

 

投資委員会での審議資料作成時や、投資先候補企業との面談前の準備段階、さらには投資後のモニタリング業務においても活用できる汎用性の高い書式です。Word形式で提供されているため、貴社の投資方針や業界特性に合わせて自由に項目を追加・修正することが可能です。ベンチャーキャピタル業界での豊富な実務経験を基に作成されており、実際の投資現場で即戦力となる内容を盛り込んでいます。

 

 

【2】条文タイトル

 

 

大項目1 経営陣の評価

  • 項目1.1 経営陣のスキル・経験
  • 項目1.2 経営陣の人格・リーダーシップ

大項目2 市場環境の分析

  • 項目2.1 市場規模
  • 項目2.2 市場成長性

大項目3 商品・サービスの評価

  • 項目3.1 顧客価値
  • 項目3.2 事業の拡張性

大項目4 競争環境の分析

  • 項目4.1 競合状況
  • 項目4.2 競争優位性

大項目5 収益性の評価

  • 項目5.1 利益構造
  • 項目5.2 投資回収

大項目6 リスク・リターンの評価

  • 項目6.1 リスク評価
  • 項目6.2 リターン評価

 

【3】逐条解説

 

 

項目1.1 経営陣のスキル・経験

この項目では投資先企業の経営陣が十分な事業運営能力を有しているかを評価します。特に重要なのは過去の実績だけでなく、失敗経験から何を学んだかという学習能力の部分です。例えば、前職で事業部長として売上を大幅に伸ばした経験があっても、その成功要因を論理的に説明できない経営者は評価が下がります。一方で、過去に新規事業で失敗した経験があっても、その原因を的確に分析し、今回の事業に活かせる学びを得ている場合は高く評価されます。人的ネットワークについては、単に知り合いが多いだけでなく、事業に直接貢献できる関係性があるかが重要になります。

 

項目1.2 経営陣の人格・リーダーシップ

経営陣の人格やリーダーシップ能力は数値化が困難な要素ですが、投資成功に大きく影響する重要な評価項目です。従業員インタビューでは、経営陣に対する信頼度や職場の雰囲気を確認します。特に注意すべきは、表面的な魅力と実際のリーダーシップ能力の違いです。プレゼンテーション能力が高くても、実際の組織運営では課題を抱えている経営者も存在します。困難な状況下での判断力や、失敗に対する向き合い方なども重要な評価ポイントとなります。

 

項目2.1 市場規模

市場規模の評価では、単純な市場の大きさだけでなく、実際にアクセス可能な市場(SAM)や現実的に獲得可能な市場(SOM)の分析が重要です。よくある間違いは、全体市場の規模だけを見て投資判断をしてしまうことです。例えば、国内IT市場が10兆円規模だとしても、その企業が実際に参入できるセグメントははるかに小さいのが一般的です。市場規模の算出根拠についても、複数の調査会社のデータを比較検討し、保守的な前提で計算することが求められます。

 

項目2.2 市場成長性

市場の成長性を評価する際は、過去のトレンドだけでなく、将来の成長を支える構造的要因の分析が重要です。単なる一時的なブームではなく、持続的な成長が期待できるかを見極める必要があります。例えば、法規制の変更や技術革新、社会情勢の変化などが成長の原動力となっているかを確認します。また、成長の持続期間についても現実的な見通しを立てることが重要で、楽観的すぎる予測は投資判断を誤らせる原因となります。

 

項目3.1 顧客価値

顧客価値の評価では、顧客が本当にその商品・サービスを必要としているか、また対価を支払う意思があるかを検証します。単に機能が優れているだけでは十分ではなく、顧客の具体的な課題解決につながっているかが重要です。顧客満足度の測定では、NPSなどの定量指標と併せて、実際の顧客の声を聞くことが大切です。また、顧客の購買プロセスを理解することで、営業戦略の妥当性も評価できます。特にB2B企業の場合、決裁者と利用者が異なることが多いため、それぞれの視点での価値提供が必要になります。

 

項目3.2 事業の拡張性

事業の拡張性、いわゆるスケーラビリティは、ベンチャー投資において極めて重要な要素です。限界費用がほぼゼロのSaaSモデルのようなビジネスは高く評価される一方、労働集約的なビジネスは拡張性に課題があると判断されます。ただし、現在は労働集約的でも、将来的に自動化やシステム化によってスケーラビリティを向上させる戦略があれば評価は変わります。技術的な制約についても事前に把握し、拡張に必要な追加投資の規模を見積もることが重要です。

 

項目4.1 競合状況

競合分析では、直接競合だけでなく間接競合や代替手段についても幅広く検討する必要があります。例えば、新しい人事管理システムの競合には、既存の専用システムだけでなく、Excelでの管理という古典的な手法も含まれます。競合他社の分析では、単純な機能比較だけでなく、営業力、資金力、ブランド力なども総合的に評価します。市場シェアの推移や競合の戦略変更なども重要な情報となります。

 

項目4.2 競争優位性

競争優位性の評価では、その優位性がどの程度持続可能かという時間軸での分析が重要です。技術的な優位性は比較的模倣されやすい一方、特許やデータの蓄積による優位性は持続期間が長い傾向にあります。参入障壁の高さについても、資金面だけでなく、規制、技術、人材などの観点から多角的に分析します。例えば、医療機器分野では薬事承認という高い参入障壁がある一方、コンシューマー向けアプリでは参入障壁が比較的低いのが一般的です。

 

項目5.1 利益構造

利益構造の分析では、単純な利益率だけでなく、その持続可能性と改善余地を評価します。特に重要なのは、主要な費目の変動性と管理可能性です。人件費が売上の大部分を占める場合、事業拡大に伴って人員増強が必要となり、利益率の改善が困難になる可能性があります。価格設定についても、競合状況や顧客の価格感応度を考慮して、値上げ余地を現実的に評価する必要があります。

 

項目5.2 投資回収

投資回収の分析では、初期投資額だけでなく、事業拡大に伴う追加投資の必要性も考慮します。特にハードウェアを扱う事業や、在庫を持つ事業では、売上成長と比例して運転資金需要が増加するため注意が必要です。損益分岐点の分析では、固定費と変動費を明確に分離し、事業規模の拡大に伴う費用構造の変化も予測します。キャッシュフローの予測では、売上計上と実際の入金のタイミングのずれも考慮することが重要です。

 

項目6.1 リスク評価

リスク評価では、事業特有のリスクから市場全体のリスクまで幅広く検討します。特に重要なのは、そのリスクが顕在化した場合の事業への影響度と、リスクの軽減策の有効性です。例えば、キーマンリスクについては、組織体制の整備や権限委譲の進捗状況で評価が変わります。コンプライアンスリスクについては、単に現在問題がないかだけでなく、将来的な規制変更への対応力も評価対象となります。

 

項目6.2 リターン評価

リターン評価では、複数のシナリオを想定した分析が重要です。ベースケース、アップサイドケース、ダウンサイドケースそれぞれで投資リターンを計算し、リスクとリターンのバランスを総合的に判断します。エグジット戦略についても、IPOだけでなくM&Aや他の投資家への売却など、複数の選択肢を検討することが重要です。市場環境の変化により、当初想定していたエグジット戦略が困難になる可能性もあるため、柔軟性を持った計画立案が求められます。

 

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