【1】書式概要
本契約書雛型は、これからYouTuberやVTuberとしての活動を本格化させる方と、そのマネジメント事務所・芸能プロダクション間の権利義務関係を明確にするために作成されました。この雛型は改正民法に対応しており、現代のクリエイターマネジメントに必要な条項を網羅しています。
契約書には専属マネジメントの範囲、契約期間、マネジメント業務の具体的内容、報酬の取り決め、クリエイターとしての義務、VTuberのキャラクター権利帰属、独占的権利の扱い、秘密保持義務など、実務上重要となる条項を含んでいます。特にVTuber特有のアバター等のキャラクターに関する権利についても明確に規定しているため、将来的な権利関係のトラブルを未然に防ぐことができます。
また反社会的勢力の排除条項も含まれており、安全な契約関係を構築できます。契約期間は基本3年間で自動更新条項も設けられているため、長期的な関係構築を見据えた内容となっています。各条項は実務経験に基づいて作成されていますが、ご利用の際は空欄となっている報酬率や秘密保持期間、管轄裁判所などをご自身の条件に合わせて埋めてご利用ください。
この雛型を活用することで、クリエイターとマネジメント会社の双方が安心して活動に専念できる法的基盤を整えることができます。なお、具体的な状況や特別な条件がある場合は、専門家への相談をお勧めします。
〔条文タイトル〕
第1条(目的)
第2条(専属マネジメント)
第3条(契約期間)
第4条(マネジメント業務の内容)
第5条(報酬)
第6条(乙の義務)
第7条(キャラクターの権利)
第8条(独占的権利)
第9条(秘密保持)
第10条(契約解除)
第11条(損害賠償)
第12条(不可抗力)
第13条(協議事項)
第14条(管轄裁判所)
第15条(反社会的勢力の排除)
第16条(契約の変更)
第17条(契約の効力)
【2】逐条解説
第1条(目的)
この条項では契約の基本的な目的を明確にしています。YouTuberまたはVTuber(乙)が専属的にマネジメント事務所・芸能プロダクション(甲)と契約を結び、両者の権利と義務を明確にすることが主旨です。これにより、後の紛争を防止し、双方が何を期待できるかを明確にします。
第2条(専属マネジメント)
この条項は「専属性」を定めており、契約期間中、タレント(乙)は他のマネジメント会社や事務所と契約を結ぶことができないことを明記しています。この排他的関係がマネジメント契約の核心であり、事務所が人材育成やプロモーションに投資する前提となります。
第3条(契約期間)
契約期間は基本的に3年間と定められていますが、3ヶ月前までに書面による意思表示がなければ自動的に1年間延長される自動更新条項が含まれています。これにより長期的な関係構築が可能になる一方、条件変更や契約終了の機会も確保されています。
第4条(マネジメント業務の内容)
甲(事務所)が提供するマネジメント業務の具体的内容を明記しています。コンテンツ企画・制作支援、スポンサー獲得・広告営業、イベント出演・出版などの権利処理、およびキャリア形成に必要な業務が含まれています。この明確化により、事務所の責任範囲と提供すべきサービスが明確になります。
第5条(報酬)
マネジメント事務所(甲)が受け取る報酬の割合とその支払い時期を規定しています。具体的な報酬率(●●%)は当事者間の交渉により決定され、毎月の締め日と支払日も明記されます。この透明性が健全な商業関係の基盤となります。
第6条(乙の義務)
タレント側(乙)の義務を明記しています。事務所の指示に従うこと、無断での活動禁止、収益の正確な報告が主な義務です。これらはマネジメント関係の円滑な運営と信頼関係の構築に不可欠な要素です。
第7条(キャラクターの権利)
特にVTuberに関連する重要な条項で、アバターなどのキャラクターに関する権利が契約期間中は事務所(甲)に帰属することを定めています。VTuberビジネスではキャラクター自体が重要な資産であるため、この権利関係の明確化は不可欠です。
第8条(独占的権利)
タレント(乙)の活動に関する独占的権利を事務所(甲)が持つことを規定しています。特に商品やサービスの宣伝・広告について、事務所の事前承諾を必要とすることで、タレントのブランド価値やイメージの一貫性を保護します。
第9条(秘密保持)
契約関係で知り得た秘密情報の取り扱いについて規定しています。秘密保持義務は契約終了後も一定期間(●年間)継続することも明記されており、信頼関係の保護と事業上の機密保持を図っています。
第10条(契約解除)
契約違反があった場合の解除手続きを定めています。相当期間を定めた催告を経ても違反が是正されない場合に契約解除できるとしており、即時解除ではなく是正の機会を与える公平な仕組みとなっています。
第11条(損害賠償)
契約違反により相手方に損害を与えた場合の賠償責任を定めています。シンプルな規定ですが、双方に契約遵守の動機付けを与え、紛争時の解決基準となります。
第12条(不可抗力)
天災地変や戦争、法令変更など不可抗力による契約不履行の免責を定めています。これにより、当事者の責めに帰せない事由による契約不履行に対して過度な責任を負わせない公平性を確保しています。
第13条(協議事項)
契約に定めのない事項や解釈に疑義が生じた場合の解決方法として、誠意をもった協議による解決を規定しています。これにより、予見できなかった事態や解釈の相違に柔軟に対応する余地を残しています。
第14条(管轄裁判所)
紛争発生時の訴訟管轄を特定の地方裁判所(●●地方裁判所)と定めています。これにより、紛争発生時の手続的明確性を確保し、予測可能性を高めています。
第15条(反社会的勢力の排除)
反社会的勢力との関係排除を詳細に規定しています。現在の取引関係だけでなく将来にわたっての確約、違反時の即時解除権、損害賠償の免責と請求権など、包括的な条項となっています。この条項は健全なビジネス環境の確保と社会的責任の観点から重要です。
第16条(契約の変更)
契約内容の変更手続きを規定しています。双方の協議と書面による合意が必要とされており、一方的な変更を防止し、変更の明確化と証拠化を図っています。
第17条(契約の効力)
契約の発効日を明確にし、契約書の作成部数と保有についても規定しています。契約の開始時期を明確にすることで、権利義務関係の始期を明確化しています。
この契約書は、YouTuber・VTuberビジネスの特性を考慮した上で、両当事者の権利義務関係を明確にし、公平かつ持続可能な関係構築を目指す内容となっています。
特にVTuber特有のキャラクター権利や、デジタルコンテンツビジネスの収益構造を踏まえた条項が含まれており、実務上の有用性が高い契約書雛型といえます。なお、具体的な条件については当事者間の交渉により、空欄部分(●)を埋める形で最終化されます。