【1】書式概要
この契約書雛型は、一般廃棄物収集運搬業者と遺品整理・生前整理の関連業者が業務提携を行うための契約書です。
近年、高齢化社会の進展や単身世帯の増加に伴い、遺品整理・生前整理サービスの需要が高まっています。このサービス提供には、廃棄物の適正処理と遺品の丁寧な仕分け・整理という異なる専門性が求められるため、業者間の連携が不可欠です。
本契約書雛型は、一般廃棄物収集運搬業者が依頼主との窓口となりコーディネーターの役割を担い、遺品整理・生前整理の専門業者がその指示のもとで専門的作業を行うという役割分担を明確にしています。報酬や費用負担、再委託の禁止、秘密保持義務、個人情報の取扱い、契約期間、解除条件、損害賠償、反社会的勢力の排除など、業務提携に必要な条項を網羅しています。
2020年の民法改正に対応した内容となっており、契約当事者間の権利義務関係を明確にすることで、トラブルを未然に防ぎ、円滑な業務提携を実現します。遺品整理業を営む事業者様や一般廃棄物収集運搬業者様が新たな事業展開を検討される際に、ぜひご活用ください。
〔条文タイトル〕
第1条(目的)
第2条(業務提携の内容)
第3条(役割分担)
第4条(報酬)
第5条(費用負担)
第6条(再委託の禁止)
第7条(秘密保持)
第8条(個人情報の取扱い)
第9条(契約期間)
第10条(契約の解除)
第11条(損害賠償)
第12条(不可抗力)
第13条(協議)
第14条(合意管轄)
第15条(反社会的勢力の排除)
【2】逐条解説
前文
契約の当事者を明確にしています。一般廃棄物収集運搬業者を「甲」、遺品整理・生前整理の関連業者を「乙」と位置づけ、両者の業務提携に関する契約であることを示しています。
第1条(目的)
契約の目的を明確に規定しています。甲乙両者が業務提携を行う目的が、依頼主に対して遺品整理・生前整理サービスを提供することであると明示しています。
第2条(業務提携の内容)
業務提携の具体的内容を定めています。甲はコーディネーターとして総合的なサービスを提供し、乙は甲の依頼に基づき専門的なサービスを提供するという役割分担を規定しています。
第3条(役割分担)
甲乙の具体的な役割を詳細に規定しています。甲は依頼主との窓口や全体の作業工程管理を担当し、乙は甲の指示に基づいて専門的作業を行うことを明確にしています。
第4条(報酬)
乙への報酬支払いについて規定しています。報酬額は別途定める料金表に基づき、支払いは作業完了後30日以内と期限を設けています。
第5条(費用負担)
作業に必要な費用の負担者を明確にしています。原則として甲が負担しますが、乙の責任で発生した費用は乙が負担すると規定しています。
第6条(再委託の禁止)
乙が業務を第三者に再委託することを原則として禁止し、再委託する場合は甲の書面による事前承諾が必要としています。これにより、サービスの質を確保しています。
第7条(秘密保持)
業務上知り得た相手方の秘密情報の保護を規定しています。本契約履行に必要な場合を除き、第三者への開示・漏洩を禁止しています。
第8条(個人情報の取扱い)
取得した個人情報の適切な取扱いを規定しています。個人情報保護法等の関連法令に従った取扱いと、契約履行に必要な場合を除く第三者への開示・漏洩禁止を明記しています。
第9条(契約期間)
契約の有効期間と自動更新について規定しています。契約期間は1年間とし、期間満了1ヶ月前までに更新拒絶の意思表示がなければ自動的に1年間更新されるとしています。
第10条(契約の解除)
契約解除の条件を規定しています。相手方の契約違反に対する催告後の解除権と、一定の重大事由(手形不渡り、破産申立て等)が生じた場合の無催告解除権を定めています。
第11条(損害賠償)
契約違反や故意・過失により相手方に損害を与えた場合の損害賠償責任を規定しています。
第12条(不可抗力)
天災地変や戦争など当事者の責めに帰さない事由による履行不能・遅延の場合の免責を規定しています。
第13条(協議)
契約に定めのない事項や解釈に疑義が生じた場合の解決方法として、誠意をもった協議による解決を規定しています。
第14条(合意管轄)
契約に関する紛争が生じた場合の管轄裁判所を特定しています。第一審の専属的合意管轄裁判所を指定することで、訴訟の予見可能性を高めています。
第15条(反社会的勢力の排除)
反社会的勢力との関係排除を規定しています。当事者及びその役員が反社会的勢力に該当しないことの表明・確約と、違反した場合の無催告解除権、それに伴う損害賠償責任の免責を定めています。