【1】書式概要
この債務承認弁済契約公正証書テンプレートは、債権者と債務者の間での債務の承認と返済条件を明確に定める法的文書です。改正民法に対応した内容となっており、債務の残額確認、返済期限の設定、利息・遅延損害金の条件、強制執行の承諾条項など、債権回収に必要な重要事項を網羅しています。
このテンプレートを使用することで、債権者は債権の存在を公的に証明でき、万が一返済が滞った場合には裁判所での訴訟手続きを経ずに強制執行が可能となるため、債権回収の確実性が大幅に高まります。債務者にとっても返済条件が明確になるメリットがあります。
企業間の取引における未払い債務の処理や、個人間の貸借関係の整理など、様々な場面で活用できます。必要な箇所を記入するだけで専門的な法律知識がなくても容易に作成でき、公証役場での手続きもスムーズに進められます。取引の安全性を高め、将来のトラブルを未然に防ぐための必須ツールとして、ビジネスパーソンや法務担当者に最適な一品です。
【2】逐条解説
前文
この部分では契約の当事者を特定しています。「甲」は債権者(お金を貸した側・商品を販売した側)、「乙」は債務者(お金を借りた側・商品を購入した側)として定義されています。公正証書の性質上、当事者の正確な特定は非常に重要です。
第1条
債務の存在と金額の承認に関する条項です。この条項によって、債務者は特定の金額の債務が存在することを法的に認めることになります。この承認は後に債務の存在を争う可能性を排除し、債権者の立場を強化します。特に債権の時効が問題となる場合に重要で、この承認によって時効の進行がリセットされます。
第2条
支払期日と支払方法を規定しています。債務者がいつまでに、どのような方法で債務を返済するかを明確に定めています。支払期日は債務不履行の基準点となり、支払方法の指定は返済の確実性を高めます。
第3条
利息と遅延損害金の不存在を確認する条項です。この条項により、債務の元本以外に追加で支払うべき金額がないことが明確になります。これは債務の総額を確定させるために重要です。
第4条
債務不履行時の遅延損害金に関する条項です。支払期日後の遅延に対して年14.6%の遅延損害金を課すことを定めています。この割合は利息制限法に基づく上限に準拠しており、債務者に期日通りの返済を促す役割があります。
第5条
公正証書作成に関わる費用負担を規定しています。通常、債務者側が負担することが多いですが、当事者間の合意により変更可能です。費用負担を明確にすることで、後のトラブルを防止します。
第6条
強制執行認諾条項と呼ばれる重要な条項です。この条項があることで、債務不履行の際に裁判所での訴訟手続きを経ずに強制執行が可能になります。公正証書の最大の利点はこの条項にあり、債権回収の確実性と迅速性を大幅に高めます。
締結部分
契約締結の日付と当事者の署名欄があります。公正証書としての効力を持たせるためには、公証人の面前で作成・署名する必要があります。
この公正証書は、債権者にとっては債権回収の確実性を高め、債務者にとっては返済条件を明確にするという双方にメリットのある法的文書です。改正民法に対応した内容となっており、安心して使用できる法的基盤を提供します。