【1】書式概要
アートギャラリーの顧客開拓に特化した業務委託契約書テンプレート
本テンプレートは、アートギャラリーが外部の事業者や個人に顧客紹介業務を委託する際に利用できる契約書の雛型です。アート業界特有の取引慣行と最新の改正民法に完全対応しており、ギャラリー運営者様と顧客紹介者の双方の権利・義務を明確に定めています。
特長
本契約書テンプレートは、アートギャラリーにおける顧客紹介ビジネスの実態を踏まえた実用的な内容となっています。特に成約ベースの報酬体系に関する条項が充実しており、紹介した顧客との成約時の報酬計算方法や支払条件を明確に規定しています。
また、独立事業者としての地位を明確化する条項や、個人情報保護法に対応した個人情報取扱いの規定など、法的リスクを最小化するための条項も充実しています。
内容
本テンプレートには以下の重要な条項が含まれています。
「目的」では契約の基本的な意図を明確にし、「定義」では本契約で使用される重要な用語を明確に定義しています。「業務内容」では顧客紹介者が行うべき業務の範囲と内容を具体的に規定し、「報酬」では成約時の報酬計算方法と支払条件を明確に定めています。
さらに「秘密保持」「個人情報の取扱い」「知的財産権」など、重要な法的問題に対する保護条項も含まれ、「契約期間」「解除」条項では契約の継続と終了に関する条件を明確にしています。
利用シーン
このテンプレートは以下のようなシーンで特に有用です。
アートギャラリーが顧客開拓のために外部の紹介者と契約を結ぶ際、美術商やアートアドバイザーがギャラリーへの顧客紹介業務を行う際、アートコンサルタントがギャラリーと業務提携する際、または個人のアートコレクターがギャラリーに知人を紹介する際の正式な契約書として活用できます。
ご利用にあたって
契約書テンプレートをご購入いただいた後は、〇〇、△△△△などの箇所を実際の当事者情報に書き換え、報酬率など個別の条件についても当事者間の合意に基づいて調整してください。
アート業界の発展と安全な取引環境の構築にお役立ていただければ幸いです。
〔条文タイトル〕
第1条(目的)
第2条(定義)
第3条(業務内容)
第4条(独立した事業者)
第5条(業務遂行の方法)
第6条(再委託の禁止)
第7条(報酬)
第8条(諸経費)
第9条(成約後の対応)
第10条(秘密保持)
第11条(個人情報の取扱い)
第12条(知的財産権)
第13条(権利義務の譲渡禁止)
第14条(契約期間)
第15条(解除)
第16条(契約終了後の措置)
第17条(協議事項)
第18条(管轄裁判所)
【2】逐条解説
前文
解説: 契約の当事者を明確にする部分です。ギャラリー運営会社を「甲」、顧客紹介者を「乙」と定義し、契約の対象が「アートギャラリーにおける顧客紹介」であることを明示しています。
第1条(目的)
解説: この契約の目的が「潜在的顧客の紹介」にあることを明確に示しています。契約の解釈や両当事者の義務の範囲を確定する際の指針となります。
第2条(定義)
解説: 契約書内で使用される重要な用語の定義を明確にしています。特に「成約」の定義は報酬発生の条件となるため重要です。アート作品の売買契約の成立を「成約」と定義することで、報酬発生のタイミングが明確になります。
第3条(業務内容)
解説: 顧客紹介者(乙)が行うべき業務の具体的内容を詳細に規定しています。単なる顧客の紹介だけでなく、ギャラリーの説明、連絡調整、顧客情報の提供など幅広い業務を含んでいます。また、業務遂行における乙の誠実義務や法令遵守義務、甲の信用を守る義務も明記されています。
第4条(独立した事業者)
解説: 乙の法的地位を「独立した事業者」として明確化し、甲との間に雇用関係がないことを明示しています。これにより乙が甲の代理人や従業員として誤解されるリスクを回避し、乙に売買契約締結の権限がないことも明確にしています。偽装請負や雇用関係に関するトラブルを防止するための重要な条項です。
第5条(業務遂行の方法)
解説: 業務遂行の具体的方法に関する規定です。乙が業務に必要な設備等を自己負担で調達すること、甲に協力を求められること、業務状況の報告義務などを定めています。独立事業者としての乙の地位を裏付けると同時に、甲への報告義務など委託関係の要素も明確にしています。
第6条(再委託の禁止)
解説: 乙が業務を第三者に再委託することを原則として禁止し、例外的に甲の事前の書面による承諾がある場合のみ許容する条項です。これにより、甲が意図しない第三者が業務に関与するリスクを防止しています。
第7条(報酬)
解説: 乙への報酬に関する条項です。報酬は成功報酬方式で、売買契約金額に一定率を乗じた金額となります。支払期限、支払方法、振込手数料の負担、消費税の取扱いなども明確に規定しています。具体的な報酬率や支払期限は当事者間の交渉で決定されます。
第8条(諸経費)
解説: 乙が業務遂行に要した経費(交通費、通信費、資料作成費など)は原則として乙の負担とする規定です。これにより経費負担に関する紛争を防止し、乙の独立事業者としての地位を強調しています。
第9条(成約後の対応)
解説: 成約後も乙に一定の協力義務を課す条項です。顧客関係の維持への協力や、顧客からの苦情・問い合わせがあった場合の対応方法を定めています。アート取引では成約後のフォローも重要であることを反映した条項です。
第10条(秘密保持)
解説: 両当事者間の秘密保持義務を定める条項です。相手方の秘密情報の第三者への開示禁止や目的外使用の禁止を明記し、契約終了後も一定期間(具体的な年数は当事者間で決定)この義務が存続することを定めています。アート市場での顧客情報や取引情報は機密性が高いため、この条項は特に重要です。
第11条(個人情報の取扱い)
解説: 顧客の個人情報の取扱いに関する条項です。個人情報保護法の遵守義務、目的外使用の禁止、第三者提供の制限を明記しています。アートコレクターの個人情報は特に機密性が高いため、厳格な管理が求められます。
第12条(知的財産権)
解説: 業務遂行過程で生じた知的財産権の帰属を甲(ギャラリー)とする条項です。マーケティング資料や顧客分析データなどの成果物の権利関係を明確にし、乙に権利化への協力義務も課しています。
第13条(権利義務の譲渡禁止)
解説: 契約上の地位や権利義務の第三者への譲渡を原則として禁止する条項です。当事者の信頼関係に基づく契約であることを前提に、相手方の同意なく契約関係が変更されることを防止しています。
第14条(契約期間)
解説: 契約期間を1年間とし、自動更新条項を設けています。当事者が特に契約終了の意思表示をしない限り、同一条件で自動的に1年間延長されます。契約関係の安定性を確保するための規定です。
第15条(解除)
解説: 契約解除の条件を定めた条項です。相手方の契約違反があった場合の解除権(催告解除)と、重大な事由がある場合の即時解除権(無催告解除)を規定しています。特に破産等の法的手続や支払不能状態など、契約関係を継続することが困難な事由を具体的に列挙しています。
第16条(契約終了後の措置)
解説: 契約終了時の措置を定めた条項です。乙による業務の中止義務や、甲から提供された資料等の返還義務を明記しています。また、契約終了後も効力が存続する条項(秘密保持義務など)を特定しています。
第17条(協議事項)
解説: 契約書に明記されていない事項や解釈に疑義が生じた場合の対応方法を定めた条項です。当事者間の誠実な協議による解決を原則とすることで、契約関係の柔軟性と安定性を確保しています。
第18条(管轄裁判所)
解説: 契約に関して訴訟が提起される場合の管轄裁判所を特定する条項です。通常は甲(ギャラリー)の所在地を管轄する地方裁判所が指定されます。紛争解決の効率性や予測可能性を高めるための規定です。
締結文言
解説: 契約書の作成部数と署名・押印に関する記載です。契約書は通常2通作成され、甲乙がそれぞれ1通ずつ保管します。署名捺印または記名押印によって契約の成立を証明する形式を採用しています。
日付・署名欄
解説: 契約締結日と当事者の署名・押印欄です。甲(ギャラリー)が法人の場合は代表者による署名・押印、乙が個人の場合は個人の署名・押印がなされます。契約の成立を証明するための重要な部分です。