【1】書式概要
この業務委託契約書雛型は、あん摩マッサージ指圧師による出張訪問マッサージ業務の委託関係を明確に規定するための完成度の高い法的文書です。改正民法に対応しており、業務内容の詳細から委託料の設定、秘密保持義務、個人情報保護、反社会的勢力の排除まで、マッサージ業界特有の要件を網羅しています。
この契約書を使用することで、委託者と受託者双方の権利義務関係が明確になり、トラブルを未然に防ぐことができます。特に第3条では業務内容を細かく規定し、第5条では委託料の計算方法や支払いタイミングを柔軟に設定できる構成になっています。また、顧客の健康と安全に関わる業界であることを踏まえ、施術者の資格保証や個人情報の適切な取り扱いについても詳細に定めています。
契約期間や解除条件も明確に規定されているため、長期的な取引関係を安定して維持することができます。契約書内の空欄部分(委託者名、受託者名、委託料金額、支払日など)は、実際の契約内容に合わせて簡単にカスタマイズできます。マッサージ業界で事業を展開される方々にとって、安心して業務を委託・受託するための強固な法的基盤となるでしょう。
〔条文タイトル〕
第1条(目的)
第2条(定義)
第3条(業務内容)
第4条(業務の遂行)
第5条(委託料)
第6条(契約期間)
第7条(再委託の禁止)
第8条(設備・備品)
第9条(報告義務)
第10条(秘密保持)
第11条(個人情報保護)
第12条(損害賠償)
第13条(契約解除)
第14条(反社会的勢力の排除)
第15条(契約終了後の処理)
第16条(権利義務の譲渡禁止)
第17条(有効性)
第18条(ハラスメントの禁止)
第19条(法令の遵守)
第20条(契約の変更)
第21条(協議事項)
第22条(管轄裁判所)
【2】逐条解説
第1条(目的)
本条は契約の目的を明確に定めています。委託者が受託者にあん摩マッサージ指圧師による出張訪問マッサージ業務を委託し、受託者がこれを受託するという契約の基本的な枠組みを示しています。この条項により、契約の性質が「業務委託契約」であることが明確になります。
第2条(定義)
本条は契約書内で使用される重要な用語の定義を行っています。「業務」「顧客」「施術者」の3つの用語を定義することで、契約内容の解釈に曖昧さが生じないようにしています。特に「施術者」を受託者に所属する者と定義することで、雇用関係ではなく業務委託関係であることを明確にしています。
第3条(業務内容)
本条は委託される業務の具体的内容を6項目にわたって詳細に規定しています。出張訪問マッサージの提供だけでなく、記録作成、報告、健康状態確認、備品管理などの付随業務も含まれることを明確にしています。また受託者側があん摩マッサージ指圧師の資格を持つ者による業務実施を保証することと、技能向上の努力義務についても規定しており、サービス品質の確保を図っています。
第4条(業務の遂行)
本条は業務遂行の方法や姿勢について規定しています。受託者に法令遵守義務や誠実な業務遂行義務を課し、顧客ニーズへの対応と満足度向上への努力を求めています。また、問題発生時の報告義務を規定することで、トラブル対応の迅速化を図っています。
第5条(委託料)
本条は業務の対価である委託料について規定しています。基本料金、追加料金、交通費の計算方法が明示され、委託料の計算期間、確認方法、支払期日、支払方法などが詳細に定められています。特に振込手数料の負担を明確にしており、後のトラブルを防止する効果があります。
第6条(契約期間)
本条は契約の有効期間を1年間と定め、自動更新の仕組みを規定しています。1ヶ月前までに書面による異議申し出がなければ同一条件で自動更新される点が重要です。これにより、毎年契約更新手続きを行う手間を省きつつ、契約条件変更の機会も確保しています。
第7条(再委託の禁止)
本条は受託者が委託された業務を第三者に再委託することを禁止しています。ただし、委託者の書面による事前承諾がある場合は再委託が可能という例外を設けています。これにより、委託者が意図していない第三者が業務を行うことを防止しています。
第8条(設備・備品)
本条は業務に必要な設備・備品の準備責任と管理責任について規定しています。別段の定めがない限り、受託者が自己負担で準備し、清潔・良好な状態を維持する義務を負うことを明確にしています。これにより設備・備品の費用負担や管理責任の所在が明確になります。
第9条(報告義務)
本条は受託者の報告義務について規定しています。定期的な業務報告書の提出義務を明記し、委託者による業務状況確認の権利も担保しています。これにより委託者は業務の適切な遂行を確認することができます。
第10条(秘密保持)
本条は受託者の秘密保持義務について規定しています。委託者および顧客の情報を契約期間中だけでなく契約終了後も第三者に漏洩してはならないとし、受託者に所属する役員・従業員にも同様の義務を負わせることを求めています。特に顧客の個人情報や健康情報を扱う業種であるため、この条項は重要です。
第11条(個人情報保護)
本条は個人情報保護法の遵守と顧客の個人情報の適切な取扱いを受託者に求めています。個人情報の取扱規程の制定や安全管理措置の実施義務を明記しており、個人情報の漏洩リスクの低減を図っています。
第12条(損害賠償)
本条は契約違反や業務遂行中の事故等による損害賠償責任について規定しています。受託者が顧客や第三者に損害を与えた場合の責任、および委託者が代わりに賠償責任を負った場合の求償権について明確に定めています。これにより損害が発生した際の責任の所在が明確になります。
第13条(契約解除)
本条は契約の解除条件を定めています。一般的な契約違反の場合の催告付き解除と、重大な事由が発生した場合の催告なしでの即時解除について規定しています。特に破産申立てや法令違反など、信頼関係を根本から破壊するような事由を列挙することで、リスク管理を図っています。
第14条(反社会的勢力の排除)
本条は反社会的勢力の排除について規定しています。両当事者が反社会的勢力でないことの表明保証を行い、これに違反した場合は即時解除できることを定めています。特に5つの類型を挙げて具体的に規定することで、反社会的勢力との関係遮断を明確にしています。
第15条(契約終了後の処理)
本条は契約終了時の資料や情報の取扱いについて規定しています。委託者から提供された資料等の返還または廃棄義務、および契約終了後も継続する個人情報の秘密保持義務を明記しています。これにより、契約終了後も情報漏洩リスクを低減しています。
第16条(権利義務の譲渡禁止)
本条は契約上の地位や権利義務の第三者への譲渡や担保提供を禁止しています。これにより、委託者・受託者間の信頼関係に基づく契約の安定性を保つことができます。
第17条(有効性)
本条は契約の一部が無効となった場合でも、残りの部分は有効に存続するという規定(分離可能性条項)です。無効となった条項と同様の経済的成果を得るための協議義務も定めており、契約全体の有効性を維持する効果があります。
第18条(ハラスメントの禁止)
本条は受託者によるハラスメント行為の禁止を規定しています。顧客や委託者従業員に対するセクハラ・パワハラなどを禁止し、施術者にもこれを遵守させる義務を課しています。マッサージ業界特有のリスク管理として重要な条項です。
第19条(法令の遵守)
本条は「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」など関係法令の遵守と必要な資格・許可の維持義務を規定しています。これにより、無資格者による違法な施術のリスクを回避しています。
第20条(契約の変更)
本条は契約内容の変更方法を規定しています。書面による合意のみによって変更が可能であることを明記し、口頭での変更を無効としています。これにより、契約内容の明確性と安定性を確保しています。
第21条(協議事項)
本条は契約に定めのない事項や解釈上の疑義が生じた場合の解決方法として、誠意をもった協議による解決を定めています。これにより、想定外の事態にも柔軟に対応できる余地を残しています。
第22条(管轄裁判所)
本条は契約に関する紛争が訴訟に発展した場合の管轄裁判所を定めています。第一審の専属的合意管轄裁判所を特定することで、紛争解決の効率化を図っています。実際の契約では具体的な裁判所名(例:東京地方裁判所)を記入します。