損害賠償請求書(著作権侵害:トレース行為)

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損害賠償請求書(著作権侵害:トレース行為)

¥2,980
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【1】書式概要

 

この文書は、自分が制作したイラストや創作物が他者によって無断でトレース・模倣され、SNSなどで公開されてしまった際に使用する賠償請求のための書式です。昨今、TwitterやInstagram、Pixivといったプラットフォーム上でイラストのトレース行為が頻発しており、オリジナル作品を制作したクリエイターが精神的にも経済的にも大きな被害を受けるケースが増加しています。

 

この書式を使えば、構図やポーズ、配色などを無断で模倣された場合に、相手方へ明確な根拠を示しながら削除要請と金銭的な補償を求めることができます。専門的な知識がなくても、該当箇所に自分のケースを当てはめるだけで、しっかりとした形式の請求書を作成できるようWord形式で編集可能な設計になっています。

 

特に、相手が自分の作品を商用利用している場合や、ポートフォリオに掲載して自分の実績として公開している場合など、悪質性の高いケースに対応できる内容となっています。実際に訴訟まで発展させるかどうかは別として、まずは相手に問題の重大性を認識させ、誠実な対応を引き出すための第一歩として活用できる実用的なテンプレートです。

 

 

 

 

【2】解説

 

宛先・差出人情報の記載について

宛先と差出人の明記

請求書では、まず相手方(侵害者)の氏名と住所を正確に記載します。SNS上のアカウント名しか分からない場合でも、可能な限り本名や連絡先を調査した上で送付することが望ましいです。差出人である自分の情報も住所・電話番号・メールアドレスまで明記することで、正式な文書としての信頼性が高まります。

 

件名の設定

著作権侵害行為(トレース行為)に基づく損害賠償請求について

件名は文書の目的を端的に示すもので、相手に「これは重大な問題である」と認識させる重要な役割を果たします。単なる「お願い」ではなく「請求」という言葉を用いることで、こちらの本気度が伝わります。

 

侵害行為の特定

具体的な作品と投稿日時の明記

ここでは、相手が投稿した作品(本件作品)と、自分のオリジナル作品(原作品)を明確に特定します。投稿された時期やプラットフォーム名を具体的に記載することで、「いつ・どこで・何が」侵害されたのかが一目で分かるようになります。例えば、「令和6年3月15日にTwitterで投稿された『春の風景イラスト』が、私が令和5年12月10日に公開した作品と酷似している」といった具体性が重要です。

 

トレース行為の立証

比較検証による一致点の指摘

トレース行為を主張する際、最も重要なのは「偶然の一致ではない」ことを示すことです。構図線、身体のバランス、ポーズの角度、背景の小物配置など、複数の要素が一致していることを指摘します。実際には、両作品を重ね合わせた比較画像などを別途用意しておくと、より説得力が増します。

 

侵害態様の具体的列挙

第一から第三までの段階的説明

この部分では、侵害がどのように行われたかを段階的に説明します。第一に具体的な一致箇所、第二に時系列による先後関係の証明、第三に商業利用の有無などを明記します。特に商業利用(グッズ販売やポートフォリオ掲載)が確認できる場合、それは単なる趣味の模倣を超えた悪質な行為として扱われます。

 

著作権法上の根拠

第17条、第21条、第27条、第112条、第114条の援用

ここでは、自分が著作権を持つ根拠(第17条)と、相手の行為がどの権利を侵害しているか(複製権・翻案権)を示します。また、差止請求や損害賠償請求ができる根拠条文も明記することで、単なる感情的な訴えではなく、制度に基づいた正当な請求であることを印象付けます。

 

著作者人格権の侵害

第20条・同一性保持権について

金銭的な被害だけでなく、作品に不当な改変が加えられたり、作者の意図と異なる形で公開されたりした場合、それは著作者人格権の侵害にもなります。これにより慰謝料請求の根拠がさらに強固になります。

 

被った損害の列挙

精神的・経済的・社会的損害の明示

具体的に被った損害を項目ごとに列挙します。独自性の毀損、SNS上での誤認、利益機会の喪失、対応の負担など、多角的な視点から損害を主張することで、請求額の妥当性を示します。

 

損害賠償金額の提示

金額・期限・支払方法の明確化

ここでは具体的な金額を提示します。金額は事案の悪質性や相手の利用態様によって変動しますが、一般的には数万円から数十万円の範囲で設定されることが多いです。支払期限と振込先を明記することで、相手に具体的な行動を促します。

 

履行事項の要求

削除・報告・誓約の要請

金銭的補償だけでなく、問題となった作品の削除、削除完了の報告、今後の再発防止の誓約も求めます。これにより、単に金銭で解決するだけでなく、根本的な問題解決を目指す姿勢を示します。

 

期限と法的措置の予告

七日以内の対応期限と訴訟の可能性

相手に一定の猶予を与えつつ、それでも対応がない場合の法的措置を予告します。これは脅しではなく、正当な権利行使の予告です。弁護士費用や訴訟費用を相手負担とすることも明記し、誠実な対応を促します。

 

円満解決への姿勢

柔軟な対応の提示

最後に、訴訟を望んでいるわけではなく、誠意ある対応があれば柔軟に対処する用意があることを伝えます。これにより、相手に「今なら和解のチャンスがある」と思わせ、前向きな対応を引き出しやすくなります。

 

 

 

 

【3】活用アドバイス

 

この書式を活用する際は、まず証拠の収集が最も重要です。相手の投稿をスクリーンショットで保存し、投稿日時が分かるようにしておきましょう。自分の作品の公開日時を証明できる投稿履歴やタイムスタンプも準備しておくと安心です。

 

書式の各項目は、自分のケースに合わせて具体的に書き換えてください。特に「令和〇年〇月」といった日付や「〇〇〇〇」といった作品名は、正確に記入することが大切です。曖昧な表現ではなく、できるだけ具体的な事実を記載しましょう。

 

賠償金額の設定は慎重に行ってください。あまりに高額すぎると相手が応じにくくなり、逆に低すぎると問題の重大性が伝わりません。一般的には、精神的苦痛に対する慰謝料として3万円から10万円程度、商業利用があった場合はその利益相当額を上乗せする形が現実的です。

 

この文書を送付する前に、可能であれば一度SNSのダイレクトメッセージなどで穏便に削除を依頼してみるのも一つの方法です。それでも対応がない場合に、この正式な請求書を送ることで、段階を踏んだ対応をしたことが記録に残ります。

 

送付方法は、内容証明郵便を利用すると「いつ・どんな内容を送ったか」が公的に証明されるため、後々の証拠として有効です。ただし、まずは普通郵便やメールで送り、反応を見てから内容証明にステップアップする方法もあります。

 

 

 

 

【4】この文書を利用するメリット

 

この文書を使用する最大のメリットは、専門知識がなくても相手に対して本格的な請求ができる点です。弁護士に依頼すると初期費用だけで数万円かかることもありますが、このテンプレートを使えば自分で対応できるため、コストを大幅に抑えられます。

 

また、正式な書式を使うことで相手に「この人は本気だ」と思わせる心理的効果があります。SNS上での口頭でのやり取りでは軽く見られがちですが、住所や連絡先が明記された文書が届けば、相手も事の重大性を認識せざるを得ません。

 

さらに、この文書は削除要請だけでなく、金銭的な補償も求める内容になっているため、精神的な苦痛や失われた機会に対する正当な対価を得るチャンスにもなります。特に相手が商業利用していた場合、その利益の一部を取り戻すことができる可能性があります。

 

万が一、この請求書を送っても相手が応じない場合でも、この文書は訴訟を起こす際の重要な証拠となります。「事前に請求したが応じなかった」という事実が、裁判での有利な材料になるのです。

 

Word形式で編集可能なため、一度作成すれば今後同様のトラブルが発生した際にも繰り返し使用できます。クリエイターとして活動を続ける上で、自分の権利を守るための「お守り」として持っておくと安心です。

 

 

 

 

 

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