【1】書式概要
この誓約書は、会員制の紹介サービスやマッチングサービスを運営する事業者が、サービス利用者に対して禁止事項を明確に伝え、健全な運営を維持するために使用する書類です。特に交際クラブやデートクラブ、婚活サービスなど、異性間の出会いを仲介するビジネスでは、サービスの性質上、誤解や不適切な利用を招くリスクがあります。そこで会員登録の段階でこの誓約書に署名してもらうことで、性的行為の禁止や金銭授受の禁止といった重要なルールを会員自身に認識してもらい、後々のトラブルを未然に防ぐ役割を果たします。
実際の使用場面としては、新規会員の入会手続き時に他の契約書類と一緒に提出してもらうケースが一般的です。また既存会員に対しても、サービス内容の変更時や規約改定のタイミングで再度署名を求める際にも活用できます。この書類があることで、万が一会員が規約違反をした場合でも、事業者側は「事前に禁止事項を説明し、本人も理解した上で署名している」という証拠を残せるため、退会処分や法的措置を取る際の根拠資料としても機能します。
Word形式で提供されるため、自社のサービス名称や具体的な禁止事項、罰則内容などを自由に編集してカスタマイズできます。専門的な知識がなくても、項目を追加したり文言を調整したりすることで、自社のサービス特性に合わせた誓約書として完成させることが可能です。
【2】解説
第1条(目的) この条文では、誓約書全体が何のために存在するのかを示しています。つまり会員が健全な形で交際活動を行い、法律や社会のルールを守りながらサービスを利用してもらうための約束事であることを宣言しているわけです。例えば「このクラブは真面目な出会いの場ですよ」という姿勢を最初に打ち出すことで、不純な目的で利用しようとする人を入口で牽制する効果があります。
第2条(基本原則) ここでは「交際は自己責任」「クラブは関与しない」という大前提を明記しています。紹介サービスはあくまで出会いのきっかけを提供するだけで、その後の関係については当事者同士の問題だという線引きです。ただし完全に放任するわけではなく、「法律に反しない範囲で」「社会通念上おかしくない範囲で」という条件をつけることで、事業者としての最低限の管理責任も示しています。たとえば会員同士が交際を始めた後に金銭トラブルになっても、基本的にはクラブは責任を負わないけれど、明らかに違法な行為があれば介入する余地を残しているということです。
第3条(禁止行為) 最も重要な条文で、具体的に何をしてはいけないのかを列挙しています。性的行為の禁止、金銭授受の禁止という二大原則に加えて、クラブの名前を勝手に使って第三者に紹介するような行為も禁じています。これは悪質な会員が「このクラブの紹介だから」と嘘をついて別の人を勧誘したり、金銭を要求したりするケースを防ぐためです。さらに売春防止法や風営法など具体的な法律名を挙げることで、「知らなかった」という言い訳を封じる狙いもあります。
第4条(違反時の措置) もし禁止事項を破った場合にどうなるかを明示した条文です。即座に会員資格を停止できること、すでに支払ったお金も返さないこと、損害があれば賠償請求すること、場合によっては警察に通報することまで書いてあります。この「段階的な制裁措置」を示すことで、違反の軽重に応じた対応ができる柔軟性を持たせつつ、悪質なケースには厳しく対処する姿勢も見せています。たとえば軽微なマナー違反なら警告で済ませ、性的サービスの強要のような深刻な違反なら即除名と警察通報という使い分けが可能になります。
第5条(免責) 再び「会員間のトラブルには責任を持ちません」という確認です。第2条と重複するようですが、念押しとして独立した条文にしています。ただし完全に知らんぷりするわけではなく、法律違反が疑われる場合には適切な対応を取るという逃げ道も用意しています。これにより「無責任」と「過度な管理責任」の間でバランスを取っています。
第6条(誓約事項) 最後に会員本人が「内容を理解しました」「守ります」と宣言する形式です。日付・氏名・住所・生年月日を記入させることで、後日「こんな約束していない」と言われないための証拠を残します。印鑑欄もあるため、より正式な契約書としての体裁を整えています。
【3】活用アドバイス
この誓約書を効果的に使うには、単に署名してもらうだけでなく、入会面談や説明会の場で口頭でも重要ポイントを伝えることが大切です。特に第3条の禁止事項については「性的な関係は一切NG」「お金のやり取りも禁止」と具体的に説明し、会員が誤解しないようにしましょう。
また誓約書は原本を事業者側で保管し、コピーを会員に渡すことで、後から「そんな約束はしていない」と言われるリスクを減らせます。保管する際はファイリングして会員番号順に整理しておくと、トラブル時にすぐ確認できて便利です。
さらに定期的に会員向けメールマガジンやお知らせで「誓約書の内容を再確認してください」と呼びかけることで、ルールを忘れさせない工夫も効果的です。新しい会員が増えてきたタイミングで、全体に向けて「改めて禁止事項の確認」というアナウンスをすると、全体の意識レベルを保てます。
【4】この文書を利用するメリット
まず最大のメリットは、事業者としての防衛策になることです。会員制の紹介サービスは、その性質上どうしても誤解を招きやすく、違法な行為に発展するリスクがあります。事前にこの誓約書で禁止事項を明示し署名をもらっておけば、万が一トラブルが起きても「事業者側はちゃんと注意喚起していた」という証明になります。
次に、会員自身への抑止効果が期待できます。署名という行為には心理的な重みがあるため、単に口頭で説明するよりも「これは守らなければいけない約束だ」という意識が芽生えやすくなります。結果として不適切な利用を減らし、健全な運営につながります。
また行政や警察から調査を受けた際にも、この誓約書があることで「きちんとコンプライアンスに配慮している事業者だ」という印象を与えられます。特に風営法や売春防止法との関係で疑いをかけられた場合、誓約書の存在は事業の健全性を示す重要な資料となります。
最後に、Word形式で編集可能なため、自社のサービス内容に合わせてカスタマイズできる柔軟性もメリットです。条文を追加したり、罰則内容を変更したりすることで、オリジナルの誓約書として完成させられます。
|