【1】書式概要
この文書は、企業が社員を海外に駐在させる際に必要となる給与・手当・福利厚生・旅費精算などの取り扱いを明文化した社内規程のひな形です。海外赴任者の生活支援や給与体系の透明性を確保することで、企業と社員双方が安心して赴任に臨める環境を整えることを目的としています。
具体的には、給与の支給方法、家族手当、住居費・医療費の補助、赴任旅費や帰任旅費の取り扱いなどが定められており、駐在員本人だけでなく帯同する家族に関する取り決めも含まれています。実際の利用場面としては、総務・人事部門が新たに海外展開を進める際に規程を整備する場合や、既存の規程を見直す際に役立ちます。Word形式で編集可能なため、自社の事情に合わせて条文や数値を調整して即座に活用できる実用的な雛型です。
【2】条文タイトル
第1条(目的) 第2条(定義) 第3条(勤務期間) 第4条(給与体系) 第5条(基本給) 第6条(役職手当及び海外赴任手当等) 第7条(国内留守宅手当) 第8条(支給通貨) 第9条(支給期間) 第10条(計算期間及び支給日等) 第11条(住居費等) 第12条(医療費補助) 第13条(健康診断) 第14条(自動車保険料の補助) 第15条(語学研修費補助) 第16条(所得税・法定社会保険料等) 第17条(賞与) 第18条(赴任旅費等) 第19条(帰任旅費等) 第20条(交通費) 第21条(日当) 第22条(宿泊費) 第23条(赴任支度金) 第24条(着任手当、帰任手当) 第25条(渡航手続費) 第26条(荷物運送費) 第27条(損害保険) 第28条(残留家財保管料) 第29条(通勤費) 第30条(就業時間及び休日等) 第31条(年次休暇) 第32条(時間外勤務手当等) 第33条(一時帰国制度) 第34条(国内留守宅の借上げ制度)
【3】逐条解説
第1条(目的)
海外勤務に関する制度全体の方向性を示し、社員が安心して赴任できる仕組みを整えるための基本的な条文です。企業側にとってはリスク管理、社員側にとっては待遇面の透明性を担保します。
第2条(定義)
「海外勤務者」の範囲を明確化しています。一般的に6ヶ月以上の滞在を対象としている点は、短期出張との区別をはっきりさせる実務的な意味があります。
第3条(勤務期間)
原則5年以内と定め、無期限駐在を避けています。企業の人材ローテーション方針に沿う仕組みであり、現地慣れによるモラルリスク防止にもつながります。
第4条~第7条(給与体系関連)
給与・手当の構造を規程化することで、赴任者と本社双方の間に不公平感が生じにくくなります。特に国内留守宅手当は帯同しない家族の生活保障として重要です。
第11条(住居費等)
住居や備品を会社が負担することで、赴任直後の生活不安を解消します。現地住宅市場のリスクを会社が吸収する形となり、社員の定着に寄与します。
第12条~第13条(医療関連)
現地医療水準への不安を和らげる制度です。健康診断も定期的に義務付けられている点は、企業にとっても社員にとっても予防的措置になります。
第14条~第15条(補助制度)
自動車保険や語学研修といった実務に直結する費用を会社が負担。現地生活における障壁を取り除く狙いがあります。
第16条(税・社会保険料)
赴任地での税務を会社が肩代わりする規定は、社員の金銭的負担を軽減し、安心感を与えます。
第18条~第26条(旅費・手当関連)
赴任や帰任に伴う費用を細かく規定することで、精算のトラブルを防ぎます。特に「赴任支度金」は生活立ち上げに役立ち、現場で歓迎されやすい制度です。
第33条(一時帰国制度)
家族の冠婚葬祭や教育事情に対応する柔軟な制度です。社員のメンタルケアにも直結する条項といえます。
第34条(国内留守宅借上げ制度)
駐在中の住居活用を会社が調整することで、社員の不在期間に資産が無駄にならず、本人も安心して赴任できます。
【4】活用アドバイス
この規程を導入する際には、自社の海外展開先や現地の生活水準に合わせて手当額や支給条件を調整することが有効です。
また、実務運用では総務・人事部門が現地拠点と密に連携し、定期的に改訂することで最新の為替状況や医療事情に即した規程にアップデートできます。導入後も従業員への説明会を開き、不安を解消することが定着の鍵となります。
【5】この文書を利用するメリット
・自社用に即カスタマイズできるため、短期間で海外勤務制度を整備できる。 ・給与や手当のルールを明文化することで社員の安心感と納得感を高められる。 ・人事部門がゼロから規程を作る負担を軽減でき、効率的に運用できる。
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