業務委託向け競業禁止誓約書|有効性チェックリスト・別紙A/B付き・トラブル逆引き設計版(Word編集可)

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業務委託向け競業禁止誓約書|有効性チェックリスト・別紙A/B付き・トラブル逆引き設計版(Word編集可)

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【1】書式概要

 

業務を外部のフリーランスや個人事業主に委託するとき、契約が終わった後に「同じ顧客を奪われた」「競合他社に情報を持ち込まれた」というトラブルは珍しくありません。こうした事態を未然に防ぐために使うのが、この競業禁止誓約書です。

 

この書式は、業務委託契約特有のリスクに正面から向き合って設計しています。よくある雛形との違いは、「なぜこの条項が必要なのか」「この条項がなかったときに実際に起きたトラブル」を各条文に注釈として付けている点です。契約書の専門知識がなくても、どこに注意すべきかが一目でわかります。

 

使う場面としては、デザイナーやエンジニア、コンサルタント、ライターなどに業務を委託する際の契約締結時、あるいは既存の業務委託契約を見直すタイミングが典型的です。特に、受託者が甲の主要顧客と直接やりとりする立場にある場合や、業界内での独自ノウハウや顧客リストを扱う場合には、締結しておくことで後々の争いを大幅に減らせます。

 

本書式にはチェックボックス形式で記入できる「対象地域リスト(別紙B)」と、締結前の自己診断に使える「有効性チェックリスト(別紙C)」が付属しています。競合の範囲が曖昧なまま争いになるケースが非常に多いため、「競合事業の定義(別紙A)」も具体例つきで用意しました。

 

ファイルはWord形式なので、会社名や期間・金額などの空欄を埋めるだけで、すぐに実務に使える状態になります。難しい書き換えは一切不要です。

 

 

 

 

【2】条文タイトル

 

第1条(競業行為の禁止)

第2条(禁止対象の地理的範囲)

第3条(代償措置)

第4条(顧客・取引先への勧誘禁止)

第5条(違反時の措置)

第6条(禁止の解除)

第7条(準拠法・合意管轄)

 

 

 

 

【3】逐条解説

 

第1条(競業行為の禁止)

契約終了後に受託者が何をしてはいけないかを定める中心的な条文です。禁止行為は「競合事業を自ら営む」「競合他社に関与する」「競合他社の設立・出資に参画する」の三つに整理されています。出資については持株比率の下限を設けており、たとえば1株だけ保有しているケースまで違反と主張されるトラブルを防ぐ工夫をしています。業務委託は雇用と違って職業選択の自由との摩擦が強く、禁止期間は1年以内に抑えるのが現実的です。2年以上に設定して裁判所に無効と判断された事例は少なくありません。

 

第2条(禁止対象の地理的範囲)

どのエリアで競業を禁じるかを別紙Bのチェックボックスで確定させます。「全国禁止」と書いたものの、受託者の実際の活動範囲が一都道府県にとどまっていたため地理的範囲の合理性が否定され、条項全体が無効になった裁判例があります。オンラインサービスを提供している場合も、「全国」を安易に選ばず、実際に顧客が集中する地域に絞るのが有効性確保の観点から賢明です。

 

第3条(代償措置)

業務委託における競業禁止で最もトラブルになりやすい条文です。雇用契約であれば退職金や給与に含まれる形で代償が認められることもありますが、業務委託では「委託料に含まれている」という主張が否定されやすく、補償金を別途明記しないと代償なしと認定されるリスクがあります。目安として、禁止期間中の想定収入の20〜50%程度を補償として定めると有効性が認められやすい傾向があります。補償金を払わないまま競業禁止だけを主張した委託者の請求が棄却された判例もあり、この条文の充実度が誓約書全体の生命線を握っています。

 

第4条(顧客・取引先への勧誘禁止)

受託者が業務を通じて知り得た顧客への働きかけを禁じる条文です。「乙が業務遂行を通じて知り得たもの」という限定が入っている点が重要で、受託者がもともと独自に持っていた顧客まで制限しようとすると過度として無効になります。たとえばフリーランスのデザイナーが委託者の業務を受ける前から付き合いのあったクライアントは、この条文の対象外と解釈されるべきで、そこを曖昧にしたまま争いになったケースが実務では頻繁に起きています。

 

第5条(違反時の措置)

違反があった場合の手段として、差止請求・損害賠償・違約金の三つを用意しています。違約金の水準は委託料の1〜3倍程度が合理的とされており、それを超えると裁判所が減額する可能性があります。「いかなる損害もすべて賠償する」という表現で書かれた条項が実際に減額された例も多く、損害額を超えない範囲という限定を明示することで、条項が公序良俗違反として無効になるリスクを下げています。

 

第6条(禁止の解除)

代償補償金を定めたにもかかわらず委託者が支払わない場合の受託者の救済手段を規定しています。この条文がないと、補償金を払わないまま競業禁止だけを主張し続けるという不公平な状況が生まれます。補償金未払いを理由に受託者が誓約の効力を争えるルートを明示しておくことで、双方にとって公平な設計になっています。

 

第7条(準拠法・合意管轄)

紛争が起きたときにどの裁判所で解決するかを定める条文です。合意管轄を定めておかないと、受託者の住所地や事業地を管轄する裁判所に訴えられるケースもあり、委託者にとって不利な状況が生まれることがあります。委託者の本店所在地を管轄する裁判所を指定しておくのが一般的な実務対応です。

 

 

 

 

【4】FAQ

Q. 業務委託の競業禁止は本当に有効になりますか?

A. 条件次第です。期間・地理的範囲・代償措置・競合の定義が合理的に整っている場合は有効とされますが、どれか一つでも欠けると無効と判断されるリスクが高まります。この書式は有効性チェックリスト(別紙C)で事前に自己診断できる設計になっています。

 

Q. 雇用契約の競業禁止条項と何が違うのですか?

A. 雇用契約では労働法の保護が前提にあるため、一定の制限が容認されやすい面があります。業務委託は対等な事業者間の取引として扱われるため、代償なしの制限や広範な禁止はより厳しく審査される傾向があります。

 

Q. フリーランス保護法との関係は?

A. 2024年施行のフリーランス保護法は、発注者と受託者の取引条件の明確化を求めるものです。競業禁止そのものを直接規制するものではありませんが、不当に広い制限は同法の趣旨にも反するとみなされるリスクがあります。

 

Q. 別紙は必ず全部使わないといけませんか?

A. 必須ではありませんが、別紙A(競合の定義)と別紙B(地域リスト)は使用することを強く推奨します。これらがないと「競合」の範囲をめぐる解釈の争いが起きやすく、誓約書自体が機能しなくなるリスクがあります。

 

Q. 個人事業主ではなく法人の受託者にも使えますか?

A. 使えます。署名欄に法人用の記載欄を設けています。ただし法人の場合は、法人そのものへの競業禁止に加えて、主要株主や実質的な経営者個人への誓約取得も検討してください。

 

Q. 違約金の金額はいくらに設定すればよいですか?

A. 委託料の総額を基準に1〜3倍の範囲が実務上の目安です。抑止力としては高いほど効果的ですが、過大すぎると裁判所が減額する場合があります。業種や取引規模に応じて設定してください。

 

 

 

 

【5】活用アドバイス

 

まず別紙Cの有効性チェックリストを起点にしてください。8項目すべてにYESがつく状態にしてから締結することで、後から「この条項は無効だ」と争われるリスクを大幅に下げられます。

 

次に別紙Aの競合事業の定義は、できるだけ具体的に書き込んでください。「IT関連事業」「デザイン業」のような抽象的な表現のままでは、実際に紛争になったときに範囲の解釈で長期戦になります。自社の主力商品・サービスの名称や顧客層を具体的に記載することが、後々の混乱を防ぐ最短ルートです。

 

代償補償金の金額は、受託者と誠実に協議して決めることをお勧めします。一方的に低額を設定すると代償なしと認定されるリスクがありますし、受託者の合意を得やすくするためにも、禁止する範囲と補償額のバランスを説明できる状態にしておくと安心です。

 

なお、この書式は業務委託契約書の本体とセットで保管してください。誓約書単体では「どの契約に基づくものか」が不明確になるため、基本契約書との連動を前文で確認している点をご活用ください。

 

 

 

 

 

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