【1】書式概要
この「観光ガイド業務・通訳ガイド業務委託契約書」は、観光案内や通訳サービスを提供する個人や会社と、そのサービスを利用したい企業の間で使える契約書の雛型です。
この契約書は最新の民法に対応していて、仕事の内容、お支払い方法、秘密を守る約束、著作権の所有者、個人情報の扱い方などがわかりやすく書かれています。特に観光ガイドの仕事に必要な項目(ガイドの資格要件、交通費などの費用負担など)が細かく決められているので、後からのトラブルを防ぐことができます。
外国人観光客が増えている今、外国語ガイドサービスを提供する方や、観光関連の会社にとって役立つ書類です。専門的な知識がなくても、会社名や個人名、報酬額などの空欄に記入するだけで、すぐに使える正式な契約書になります。
観光業界の実務経験と法律知識をもとに作られているので、初めて契約を結ぶ方でも安心です。サービスを依頼する側と提供する側、双方の権利と責任をはっきりさせた公平な内容になっています。
〔条文タイトル〕
第1条(目的)
第2条(定義)
第3条(業務内容)
第4条(業務委託の申込みと承諾)
第5条(乙の義務)
第6条(甲の義務)
第7条(報酬)
第8条(費用負担)
第9条(業務報告)
第10条(再委託の禁止)
第11条(秘密保持)
第12条(個人情報の保護)
第13条(著作権)
第14条(損害賠償)
第15条(契約期間)
第16条(解約)
第17条(反社会的勢力の排除)
第18条(権利義務の譲渡禁止)
第19条(契約の変更)
第20条(完全合意)
第21条(分離可能性)
第22条(準拠法)
第23条(管轄裁判所)
第24条(協議事項)
【2】逐条解説
前文
ポイント: この契約書は「会社(甲)」と「ガイド(乙)」の間で結ぶ約束事です。会社がガイドに仕事を頼み、ガイドがそれを引き受ける内容を書いています。
第1条(目的)
ポイント: この契約書の目的は、会社がガイドに観光案内や通訳の仕事を頼む際のルールを決めることです。
第2条(定義)
ポイント: 契約書で使う言葉の意味を明確にしています。
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「観光ガイド業務」とは、観光客に観光地を案内すること
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「通訳ガイド業務」とは、外国人に外国語で旅行案内をすること
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「通訳案内士」とは、国の試験に合格して正式に登録された資格者のこと
第3条(業務内容)
ポイント: ガイドの具体的な仕事内容です。
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観光客への案内や通訳
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観光コースの計画と提案
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観光地の歴史や文化の説明
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観光客の安全確保と緊急事態への対応
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その他、両者が合意した関連業務
具体的な仕事の詳細(日時・場所など)は、その都度両者で相談して決めます。
第4条(業務委託の申込みと承諾)
ポイント: 仕事の依頼から成立までの流れです。
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会社がガイドに仕事内容や日時などを書いた申込書を送る
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ガイドが引き受けるかどうか返事をする
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ガイドが「OK」と言った時点で個別の仕事契約が成立
第5条(ガイドの義務)
ポイント: ガイド側の守るべきことです。
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仕事を誠実に行い、会社の評判を傷つけないこと
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通訳案内士の資格がある場合は維持すること
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必要な知識や技術を磨き続けること
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法律や会社のルールを守ること
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問題が起きたらすぐに会社に報告すること
第6条(会社の義務)
ポイント: 会社側の守るべきことです。
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ガイドが仕事をしやすいよう協力すること
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必要な情報を提供すること
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仕事内容が変わる場合はすぐに連絡すること
第7条(報酬)
ポイント: ガイドへの支払いについてのルールです。
第8条(費用負担)
ポイント: 仕事にかかる経費の負担ルールです。
第9条(業務報告)
ポイント: ガイドは仕事が終わったら、すぐに報告書を会社に出す必要があります。
第10条(再委託の禁止)
ポイント: ガイドは会社の書面による許可なしに、自分の仕事を他の人に任せてはいけません。
第11条(秘密保持)
ポイント: お互いの秘密情報を守るルールです。
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相手の秘密情報を勝手に他の人に話してはいけない
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この義務は契約が終わっても5年間は続く
第12条(個人情報の保護)
ポイント: 個人情報の取扱いルールです。
第13条(著作権)
ポイント: 仕事中に作ったものの権利関係です。
第14条(損害賠償)
ポイント: 誰かに損害を与えた場合の責任についてのルールです。
第15条(契約期間)
ポイント: 契約の期間と更新に関するルールです。
第16条(解約)
ポイント: 契約を終了させる方法です。
第17条(反社会的勢力の排除)
ポイント: 暴力団などの反社会的勢力との関わりを禁止するルールです。
第18条(権利義務の譲渡禁止)
ポイント: 相手の書面による許可なしに、この契約上の立場や権利・義務を他人に譲ったり担保に入れたりしてはいけません。
第19条(契約の変更)
ポイント: 契約内容を変更するには、双方が話し合って書面で合意する必要があります。
第20条(完全合意)
ポイント: この契約書が最終的な合意事項であり、過去の口約束や書面での約束よりも優先されます。
第21条(分離可能性)
ポイント: 契約の一部が法律違反などで無効になっても、残りの部分は有効とするルールです。一部がダメでも契約全体が無効にならないための条項です。
第22条(準拠法)
ポイント: この契約には日本の法律が適用されます。
第23条(管轄裁判所)
ポイント: もし裁判になった場合は○○地方裁判所で行うことを決めています。
第24条(協議事項)
ポイント: 契約書に書かれていないことや解釈に悩む場合は、お互いに誠意を持って話し合って解決します。
締結文
ポイント: この契約書を2部作成し、会社とガイドがそれぞれ署名・押印して1部ずつ保管します。契約日と署名欄があります。