〔改正民法対応版〕租鉱権設定契約書

ダウンロードには会員登録が必要です。

〔改正民法対応版〕租鉱権設定契約書

¥2,980
/
税込

【1】書式概要

 

この〔改正民法対応版〕租鉱権設定契約書は、土地所有者と開発事業者の間で、石油や天然ガスなどの地下資源を探査・採掘するための権利設定を行う際に使用する契約書です。


資源開発プロジェクトを適切に進めるために必要な試掘権と採掘権の設定、対価の支払い、期間、権利義務関係などが明確に規定されています。特に天然資源の開発を検討している企業や、自己所有地の資源開発を許可しようとする土地所有者にとって重要な文書です。改正民法に対応しているため最新の法制度に準拠しており、環境保全措置や反社会的勢力の排除条項も含まれています。契約締結時のリスク管理と将来的なトラブル防止に役立ちます。


エネルギー資源開発プロジェクトを始動させる際の基本となる契約書として、双方の権利保護と円滑な事業運営をサポートします。

 

【2】条文タイトル

 

第1条(目的)
第2条(権利の設定)
第3条(権利の存続期間)
第4条(権利の対価)
第5条(権利の移転)
第6条(探査及び採掘の実施)
第7条(報告義務)
第8条(環境保全措置)
第9条(損害賠償)
第10条(不可抗力)
第11条(秘密保持)
第12条(反社会的勢力の排除)
第13条(契約の解除)
第14条(契約の有効期間)
第15条(合意管轄)

 

【3】逐条解説

 

第1条(目的)

 

本条項では契約の目的を明確に規定しています。具体的には、土地所有者(甲)が保有する土地において、石油や可燃性天然ガスの探査・採掘のために開発事業者(乙)に租鉱権を設定することを目的としています。目的条項は契約書の冒頭に置かれることが一般的で、契約の解釈において重要な指針となります。

 

例えば、契約履行過程で疑義が生じた場合、この目的条項に立ち返って解釈することが可能です。土地の特定は別紙で行われるため、実務上は土地の所在地や地番などを正確に記載した別紙を用意することが必要です。

 

第2条(権利の設定)

 

この条項では、土地所有者が開発事業者に対して設定する具体的な権利内容として、試掘権および採掘権を明記しています。試掘権は資源の探査を行う権利、採掘権は実際に資源を採取する権利を意味します。この区別は鉱業法の概念に基づいており、実際の事業段階に応じて適切な権利が設定されます。特に資源開発においては、まず試掘によって採算性を確認した後に本格的な採掘に移行するケースが多いため、この二段階の権利設定は実務に即した構造となっています。

 

第3条(権利の存続期間)

 

権利の存続期間について、試掘権と採掘権それぞれの期間を定めています。試掘権は契約締結日から一定期間、採掘権は試掘権満了後から一定期間と明確に区分されています。石油や天然ガスの開発プロジェクトは長期にわたることが多いため、適切な期間設定が重要です。実務上は、試掘権は3〜5年程度、採掘権は15〜30年程度に設定されるケースが多いです。例えば、北海道での天然ガス開発案件では試掘権を4年、採掘権を20年とした事例があります。地質条件や開発規模に応じて柔軟に期間を設定できるよう、空欄となっています。

 

第4条(権利の対価)

 

権利設定の対価について規定しています。試掘権と採掘権それぞれに金額を設定し、支払方法と期限を明確にしています。実務上は、試掘権の対価は比較的低額となりますが、採掘権の対価は資源埋蔵量の見込みに応じて高額になることが多いです。

 

また、対価の支払いが「所轄官庁の認可を得た日から」となっているのは、鉱業権設定には官庁の認可が必要であることを反映しています。支払期限も明確に定められており、当事者間の金銭トラブルを防止する役割を果たします。中部地方でのある石油開発案件では、試掘権の対価を500万円、採掘権の対価を年間売上の3%としたケースもあります。

 

第5条(権利の移転)

 

本条は、開発事業者による権利の第三者への移転や担保提供に制限を設けています。土地所有者の書面による事前承諾と所轄官庁の認可を必要とすることで、無断での権利移転を防止しています。資源開発は専門性が高く、開発事業者の技術力や財務状況が重要なため、土地所有者にとっては誰が権利を保有するかは重大な関心事です。

 

例えば、中小規模の開発会社が権利を取得後、大手エネルギー企業に権利を売却しようとした場合、この条項により土地所有者は承諾の可否を判断できます。

 

第6条(探査及び採掘の実施)

 

開発事業者の探査・採掘実施義務と法規制遵守義務を定めています。この条項により、権利を取得したにもかかわらず実際の開発行為を行わない「休眠権利」状態を防止する効果があります。また、鉱業法や環境規制など関連法規の遵守を義務付けることで、コンプライアンス違反によるリスクを軽減しています。実際の資源開発においては、地元住民への説明会開催や環境影響評価の実施なども含まれる可能性があります。

 

第7条(報告義務)

 

開発事業者に四半期ごとの報告義務を課しています。定期的な報告により、土地所有者は開発状況を把握できます。特に資源開発は専門性が高く、進捗状況を土地所有者が独自に判断することは困難なため、この報告義務は重要です。報告内容としては、探査結果、採掘量、開発計画の進捗状況などが含まれるでしょう。実務上は、報告書の様式をあらかじめ定めておくことで、効率的な報告が可能になります。

 

第8条(環境保全措置)

 

開発事業者に環境保全への配慮と必要な措置を義務付けています。資源開発は環境への影響が大きい産業であるため、この条項は非常に重要です。土地所有者としても、自己所有地での環境問題発生は避けたいところです。具体的な環境保全措置としては、騒音対策、排水処理、土壌汚染防止、緑化などが考えられます。近年の案件では、この条項をさらに具体化し、環境モニタリング計画の提出や第三者機関による定期的な環境監査を義務付けるケースも増えています。

 

第9条(損害賠償)

 

開発事業者の損害賠償責任を定めています。探査・採掘活動に起因する損害について、土地所有者または第三者への賠償責任を明確にしています。資源開発には様々なリスクが伴うため、責任の所在を明確にすることは重要です。

 

実務上は、この条項を補完するために開発事業者に適切な保険加入を義務付けるケースも多いです。特に隣接地所有者や地域住民への被害が発生した場合、この条項が適用されます。ある案件では、掘削による地盤沈下で近隣建物にひび割れが生じ、この条項に基づいて約3000万円の賠償が行われた事例があります。

 

第10条(不可抗力)

 

天災地変などの不可抗力による契約履行困難時の対応を規定しています。資源開発は長期にわたるプロジェクトであるため、契約期間中に予期せぬ事態が発生する可能性は高いです。不可抗力事由が発生した場合、当事者間の協議により契約変更や解除が可能となります。例えば、大規模地震で掘削設備が損壊した場合や、法改正で特定の採掘方法が禁止された場合などが該当します。東日本大震災後の某ガス開発プロジェクトでは、この条項に基づいて契約期間の延長が合意されました。

 

第11条(秘密保持)

 

当事者間の秘密保持義務を定めています。資源開発では、埋蔵量データや採掘技術など企業秘密に関わる情報が多く扱われるため、情報管理は重要です。開発事業者にとっては探査データが、土地所有者にとっては権利対価などが秘密情報となりえます。実務上は秘密情報の定義や秘密保持期間をより詳細に規定することもあります。この条項違反による訴訟も実際に発生しており、某開発会社が探査データを競合他社に漏洩したとして約1億円の損害賠償請求を受けた事例もあります。

 

第12条(反社会的勢力の排除)

 

反社会的勢力との関係排除と違反時の解除権を規定しています。昨今の契約実務では、この条項は標準的に盛り込まれています。特に資源開発のような大規模プロジェクトでは、反社会的勢力の介入リスクを排除することが重要です。

 

本条項では、当事者自身が反社会的勢力でないことの確約だけでなく、名義貸しの禁止や相手方への不当行為の禁止も含まれています。違反時は無催告解除が可能とされており、迅速な契約解消を可能にしています。実際の契約締結時には、相手方の属性確認などのデューデリジェンスも並行して行われることが一般的です。

 

第13条(契約の解除)

 

一般的な契約違反時の解除権を規定しています。催告後一定期間内に是正されない場合に解除できるとしており、軽微な違反での即時解除を防ぐ配慮がなされています。是正期間は案件の性質に応じて設定されますが、通常は30日程度が一般的です。

 

解除事由としては、対価の不払い、無断での権利移転、報告義務違反などが考えられます。解除後の原状回復義務や損害賠償請求権の存続などについても規定を追加することが望ましいケースもあります。中部地方のあるプロジェクトでは、3回の報告義務違反を理由に契約解除となった事例があります。

 

第14条(契約の有効期間)

 

契約の有効期間を明確にしています。契約締結日から採掘権の存続期間満了日までとされており、第3条と連動しています。有効期間満了後の取扱い(更新など)については本条では触れられていないため、必要に応じて追加規定を検討するとよいでしょう。実務上は、採掘権期間満了前に資源がまだ残存している場合の更新条項を設けるケースも多いです。あるプロジェクトでは、採掘権満了の1年前から更新協議を開始する条項が追加されていました。

 

第15条(合意管轄)

 

訴訟発生時の管轄裁判所を東京地方裁判所と定めています。当事者間で紛争が生じた場合の裁判管轄を予め合意しておくことで、管轄争いを防止する効果があります。全国展開している企業間では東京地裁を指定することが多いですが、当事者の所在地や本件土地の所在地によっては、別の裁判所を指定することも考えられます。

 

なお、裁判外紛争解決手続(ADR)や調停前置などについては本条では規定されていないため、紛争解決手段をより多様化したい場合は追加規定を検討するとよいでしょう。ある事例では、まず日本商事仲裁協会による調停を経ることを義務付ける条項が追加されていました。

 

RuffRuff App RuffRuff Apps by Tsun

Customer Reviews

Be the first to write a review
0%
(0)
0%
(0)
0%
(0)
0%
(0)
0%
(0)

おすすめ書式テンプレート

最近チェックしたテンプレート