【1】書式概要
この交通事故示談契約書雛型は、交通事故の被害者と加害者間で円滑な示談交渉を行うための重要な法的文書です。改正民法に完全対応しており、交通事故発生後の示談交渉において、両当事者の権利と義務を明確に定めることで、後々のトラブルを未然に防ぐことができます。
契約書には被害者(甲)と加害者(乙)の基本情報、事故の発生日時・場所・状況の詳細記載欄、損害賠償金の支払い条件、そして示談成立後の追加請求権の放棄について明記されています。特に第3条では、本示談以外に当事者間で債権債務関係がないことを確認し、将来的な紛争リスクを排除する条項が含まれています。
実際の使用にあたっては、事故の具体的状況や被害の程度に応じて空欄部分を適切に記入するだけで、法的効力のある示談契約書として活用できます。交通事故の示談交渉は専門知識が必要となる場面も多いため、必要に応じて弁護士など専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。この雛型を使用することで、交通事故後の示談手続きをスムーズに進め、公正な賠償と早期解決を実現することができるでしょう。
【2】逐条解説
第1条(本件事件の発生日時、状況)
この条文では、交通事故の基本情報を明確に記録します。発生日時、場所、事故の具体的状況を詳細に記載することで、どの事故に関する示談であるかを明確にします。事故状況の記載例として「乙運転の車が甲運転の車に追突し、甲所有の車の後部を損傷させ、修理を要した」といった具体的な記述が推奨されています。この条文は後日のトラブルを防ぐため、事故の特定を明確にする重要な役割を果たします。
第2条(賠償金支払いの約束)
この条文では、加害者(乙)が被害者(甲)に対して事故の責任を認め、具体的な賠償金額とその支払い方法を約束する内容を記載します。賠償金額や修理代として具体的な金額を明記し、既に支払いが完了している場合はその旨を、今後支払う予定がある場合は支払日を明確に記載します。これにより、金銭的な解決内容が明確になり、後の紛争を防止します。
第3条(債権債務の不存在確認及び将来請求放棄)
この条文は示談契約の最も重要な部分の一つで、本示談以外に当事者間で債権債務関係がないことを相互に確認し、将来にわたって追加の請求をしないことを約束するものです。この条項により、一度示談が成立した後に新たな請求が発生することを防ぎ、法的な紛争の最終的な解決を図ります。いわゆる「清算条項」としての機能を持ち、示談の最終性と完全性を担保する重要な役割を果たします。
示談契約書の最後には、契約成立の証として日付と両当事者の署名捺印欄があり、本書を2通作成して各自1通ずつ保管することで、示談の証拠としての役割を果たします。この形式により、法的に有効な合意文書として機能します。