この雛型は、「改正民法対応版 モバイルバッテリー発火事故による損害賠償請求書」という、消費者が製品事故被害を受けた際に製造・販売会社へ適切に損害賠償を請求するための完全なテンプレートです。
本文書は製造物責任法第3条を根拠とし、製品の欠陥により生じた損害についての賠償請求を法的に有効な形式で行うための全要素を備えています。発信日や送付先の企業情報から始まり、請求者の詳細情報、事故の具体的状況説明、損害の詳細な内訳、法的根拠の説明、支払方法・期限の指定、添付資料のリスト、そして今後の対応についての記述まで、必要な項目を漏れなく構成しています。
特に優れている点は、損害の分類と算定方法です。物的損害(家具、カーペット、電子機器、衣類などの直接的な損傷)と、清掃費用、交通費、医療費、休業補償、精神的苦痛に対する慰謝料などのその他の損害を明確に区分し、それぞれに対応する証拠書類を指定しています。これにより、被害者は自身の被った損害を適切に金銭評価し、十分な補償を求めることができます。
実務的な観点からも、事故状況の記録方法(日時、場所、気象条件、使用状況など)や証拠の保存方法(写真撮影、領収書保管、第三者機関への報告など)についての具体的な指針を提供しています。また、「事故原因究明のため発火した製品の残骸は保管している」という記述は、製造者側の検証を可能にしつつも「第三者立会いのもとでの検証を希望」と明記することで、証拠の改竄防止にも配慮しています。
この雛型は、モバイルバッテリーだけでなく、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、家電製品、電動工具、充電器など様々な電子機器の発火・発熱事故に応用可能です。また、発火以外にも、異常動作による感電や機械的故障による怪我など、製品の欠陥に起因するあらゆる事故ケースにも対応できる汎用性を持っています。
消費者にとっては、専門的な法律知識がなくても適切な請求ができるよう設計されており、企業側にとっても、明確な事実と要求が提示されることで迅速な対応判断が可能になるという双方にメリットのある文書となっています。改正民法に対応しており、最新の法的枠組みに基づいた請求が可能です。