【1】書式概要
イラストデザイン著作権譲渡契約書の雛型として、こちらの契約書は現代のデザイン業界におけるクリエイティブ業務の取引を円滑に進めるための必須ツールです。改正民法に完全対応しており、イラストやデザイン制作の委託から著作権の譲渡までの一連のプロセスを法的に保護します。
契約の目的、制作費用、委託内容、納期、検収プロセスを明確に規定し、最も重要な著作権の移転について詳細な条項を設けています。特に第5条では著作権法第27条・28条に規定される権利(翻案権や二次的著作物の利用権)も含めた完全な権利移転を保証。さらに秘密保持条項により、業務上知り得た情報の保護も万全です。
デザイナーと依頼企業の双方が安心して取引できるよう配慮された、実務に即した契約書テンプレートです。記入例や解説を参考に、貴社のニーズに合わせてカスタマイズしてご利用いただけます。
デザイン業界での取引経験を持つ法務専門家監修のもと作成された、安心してご利用いただける契約書雛型です。
〔条文タイトル〕
第1条(目的)
第2条(制作費用等)
第3条(委託内容等)
第4条(著作権等に関する保証等)
第5条(著作権の帰属)
第6条(秘密保持)
第7条(協議)
【2】逐条解説
第1条(目的)
この条項では契約の基本的な枠組みを定めています。委託者(甲)が受託者(乙)にイラストデザインの制作業務を委託し、受託者がこれを引き受けることを明記しています。また、成果物がデータ形式で納品されることも規定されています。この条項により、契約の対象が明確化され、後の紛争を防ぐ効果があります。
第2条(制作費用等)
業務の対価として支払われる金額と消費税について定めています。具体的な費用内訳は別紙に記載することで、契約書本体はシンプルに保ちつつ詳細な費用構造を明確にできます。また支払方法として受託者指定の銀行口座への振込を指定し、振込手数料は委託者負担とすることで、実務上の細かな点まで予め取り決めています。
第3条(委託内容等)
この条項では業務内容の詳細について規定しています。制作物の具体的な内容は別途「仕様書」で定めることで、変更が生じた場合の柔軟性を確保しています。納期や納品方法についても明記されており、業務状況による納期変更の可能性も認めています。また、納品物の検査プロセスと瑕疵があった場合の対応方法を規定することで、品質確保の手続きを明確にしています。
第4条(著作権等に関する保証等)
この条項は受託者が制作する成果物が第三者の権利を侵害していないことを保証する条項です。万が一、納品された成果物が第三者の権利を侵害していた場合、受託者は委託者の損害を賠償し、代替の成果物を無償で提供する義務を負うことを明確にしています。この条項により、委託者は安心して成果物を利用することができます。
第5条(著作権の帰属)
本契約の核心部分である著作権の譲渡について定めています。制作物の著作権(著作権法第27条の翻案権や第28条の二次的著作物の利用に関する権利を含む)は、対価の全額支払い完了時点で委託者に移転することを明記しています。これにより、委託者は成果物を自由に利用・改変できる権利を得ることができます。
第6条(秘密保持)
契約履行過程で知り得た情報の取扱いについて規定しています。双方が相手から得た情報を第三者に開示・漏洩してはならないという基本原則と、その例外となる4つのケースを明記しています。この秘密保持義務は契約終了後も継続することを明記することで、長期的な情報保護を図っています。
第7条(協議)
いわゆる協議条項で、契約書に明記されていない事項や解釈に疑義が生じた場合の対応方法を定めています。当事者間で誠意をもって協議し解決を図ることを約束することで、予期せぬ問題が発生した際の対応の指針となります。この条項は契約の柔軟性と継続性を担保する重要な役割を果たします。