【1】書式概要
この書式は、店舗などの不動産と、その内部にある設備や備品を一体として貸し出し、借主がそのまま営業を引き継ぐ場合に活用できる営業賃貸借契約の雛形です。いわゆる「居抜き物件」での店舗譲渡や、飲食店・小売店・美容サロンなどが新規に開業する際に幅広く使えます。
契約条項には、賃料や契約期間、原状回復、従業員の扱い、屋号の使用、転貸禁止、契約解除の条件など、実務上重要な内容が整理されています。Word形式で編集可能なため、会社名や賃料などを自由に差し替えることができ、自社の実情に合わせた調整が容易です。専門知識がない経営者や個人事業主でも理解しやすい表現で構成されており、スピーディに契約書を整えることができます。
【2】条文タイトル
第1条(目的) 第2条(賃料) 第3条(契約期間) 第4条(善管義務) 第5条(従業員の扱い) 第6条(屋号の使用等) 第7条(転貸の禁止) 第8条(契約解除) 第9条(契約終了の措置) 第10条(本契約に記載のない事項) 第11条(合意管轄)
【3】逐条解説
第1条(目的) この条文では、本契約の対象となる営業の範囲を定めています。店舗とその内部設備を含めて貸すことで、借主は即座に営業を開始できる点が特徴です。例えば居酒屋や美容室の引き継ぎ時に活用され、設備投資の負担を大きく減らす効果があります。
第2条(賃料) 賃料の金額と支払方法を規定しています。振込送金を基本とすることで、支払記録を明確に残すことができます。実務では、賃料と同時に共益費や水道光熱費の負担を取り決めるケースも多いため、必要に応じて条文を追加して調整します。
第3条(契約期間) 契約の開始日と終了日、更新の有無を定めています。自動更新条項を設けることで、更新忘れによる営業停止リスクを回避できます。例えば3年契約で、自動更新される仕組みを設定しておくと安心です。
第4条(善管義務) 借主に店舗や備品を大切に使用する義務を課しています。勝手な改装を禁じることで、貸主側は資産の価値を維持できます。飲食業では厨房設備の扱いが特に重要となります。
第5条(従業員の扱い) 前経営者が雇っていた従業員の取り扱いに関するルールです。解雇や雇用条件の変更には貸主の承諾が必要とされています。これは雇用の安定を守り、トラブルを未然に防ぐためです。
第6条(屋号の使用等) 既存の屋号をそのまま使える条項です。ブランドの継続性を確保し、常連客の来店を維持できます。ただし変更には承諾が必要で、貸主側の権利保護にも配慮されています。
第7条(転貸の禁止) 無断で第三者に貸すことを禁止しています。転貸を許すとトラブルや経営責任の所在が不明確になるため、この条文は貸主にとって非常に重要です。
第8条(契約解除) 一方当事者が契約に違反した場合の解除条件を定めています。催告期間を設けることで、違反を是正するチャンスを与え、いきなりの契約打ち切りを避ける設計になっています。
第9条(契約終了の措置) 契約終了時に原状回復を義務付けています。立退料や移転料を請求しないことも明記されており、終了時の費用トラブルを回避できます。
第10条(本契約に記載のない事項) 契約書にない取り決めは、甲乙協議のうえで決めるとしています。柔軟な対応が可能になる一方、後日の合意内容を必ず書面化しておくことが望ましいです。
第11条(合意管轄) 裁判所を事前に合意しておくことで、万が一の訴訟時に混乱を避けることができます。通常は貸主所在地を管轄する地方裁判所が指定されます。
【4】活用アドバイス
この雛形は居抜き物件での店舗引継ぎ、事業承継、フランチャイズ展開など幅広い場面に利用できます。Word形式で提供されるため、会社名・所在地・賃料などを入力するだけで即実務に使えます。さらに、弁護士チェックを受けたい場合でも、この雛形を基に相談すれば修正コストを大幅に抑えられます。
【5】この文書を利用するメリット
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実務で必須となる主要条項が網羅されている
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Word形式で自由に編集可能
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専門知識がなくても理解しやすい構成
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居抜き開業や事業承継の場面に即時利用可能
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不動産オーナー・借主双方のリスクをカバー
【6】価格・コスト比較での安心感
弁護士やコンサルタントに依頼すれば数万円から十数万円かかる内容を、この雛形なら低コストで入手できます。しかも即日導入できるため、開業スケジュールを遅らせることなくスピーディに契約準備を整えられます。
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