不適合品管理作業標準

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不適合品管理作業標準

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【1】書式概要

 

この文書は、製造現場で発生する不適合品を適切に管理するための実務マニュアルです。製造工程や受入検査で見つかった規格外の製品について、どのように見つけて、どう区別し、どう処理するかを明確に定めています。

 

製造業では日々の生産活動の中で、どうしても規格に合わない製品が発生します。そうした製品を放置したり、誤って出荷してしまうと、顧客からのクレームや信頼の低下につながります。この文書があれば、不適合品を発見した瞬間から最終的な処置まで、誰が何をすべきか迷うことなく対応できます。

 

具体的には、現場の作業者が不良品を見つけたときの報告手順、赤い札を使った識別方法、専用置場での保管ルール、廃棄するか再加工するかの判断基準、そして同じ問題を繰り返さないための是正措置まで、一連の流れが体系的にまとめられています。

 

この書式はWord形式で提供されますので、貴社の組織体制や製品特性に合わせて自由に編集・カスタマイズが可能です。部門名や承認者の役職名、保管期間なども実情に応じて変更できます。また、不適合品管理台帳や処置記録、是正措置報告書といった実務で必要な帳票類も含まれており、すぐに現場で使い始められる実用的な内容となっています。

 

品質管理の仕組みを一から構築するのは大変な作業ですが、この書式を土台にすれば短期間で実効性のある管理体制を整えることができます。ISO9001などの品質マネジメントシステムの構築を検討している企業にとっても、実務レベルの手順書として活用できる内容です。

 

 

 

 

【2】条文タイトル

 

第1条(目的)
第2条(適用範囲)
第3条(用語の定義)
第4条(管理体制)
第5条(品質管理責任者の職務)
第6条(製造部門の職務)
第7条(検査部門の職務)
第8条(不適合品の発見時の措置)
第9条(不適合品の識別表示)
第10条(不適合品の分離保管)
第11条(不適合品の評価)
第12条(不適合品の処置区分)
第13条(処置の実施)
第14条(特別採用)
第15条(是正措置)
第16条(予防措置)
第17条(記録の管理)
第18条(教育訓練)
第19条(監査)
第20条(改訂)

 

 

 

 

【3】逐条解説

 

第1条(目的)

この規程全体が何を目指しているのかを明確にした条文です。不適合品を見つけて、分けて、適切に処理し、さらに同じ問題が起きないようにする一連の仕組みを整えることで、不良品が顧客に届くのを防ぎ、会社全体の品質レベルを保ち続けることを狙いとしています。単に問題製品を処分するだけでなく、品質管理の体制そのものを向上させていく姿勢が込められています。

 

第2条(適用範囲)

どの製品や材料にこのルールを適用するのかを定めています。自社で作る全ての製品はもちろん、外部から購入する原材料や部品も対象です。つまり、工場に入ってくる段階から出荷するまでの全てのモノが管理対象になります。例えば、電子部品メーカーなら完成した基板だけでなく、仕入れた抵抗やコンデンサーも含まれます。

 

第3条(用語の定義)

品質管理でよく使う言葉の意味をはっきりさせた条文です。「不適合品」とは規格に合わない製品のこと、「是正措置」とは問題の原因をなくして再発を防ぐ対策のこと、「特別採用」とは本来NGだけど例外的にOKを出すこと、といった具合に6つの用語を定義しています。これにより、現場で「不適合って何?」といった混乱を避けられます。

 

第4条(管理体制)

不適合品の管理を誰がどんな体制で進めるかを決めた条文です。会社全体を統括する品質管理責任者を置き、各部門にも担当者を配置します。さらに重要な案件を審議する委員会も設けます。例えば、大きなロットで不良が出た場合、委員会で関係部門が集まって対策を協議するといった運用になります。

 

第5条(品質管理責任者の職務)

品質管理のトップである責任者が何をすべきか列挙した条文です。管理システムを作って動かし続けること、不適合品をどう処理するか最終判断すること、対策がちゃんと効いているか評価すること、経営層への報告、そして教育の統括まで、幅広い役割を担います。現場任せにせず、責任者が全体を見渡す仕組みです。

 

第6条(製造部門の職務)

実際にモノを作る製造部門の役割を明確にしています。工程の途中で検査を行い、不良品を見つけたら報告し、一時的に保管し、作業者に正しいやり方を指導し、是正措置を実施し、処置を実行する、という流れです。例えば、組立ラインで傷のある部品を見つけた作業者が、すぐに上司に報告して赤札を付け、専用置場に運ぶといった動きになります。

 

第7条(検査部門の職務)

品質をチェックする検査部門の仕事内容です。材料が入ってきたとき、製造の途中、そして出荷前の各段階で検査を行い、不合格品には識別表示を付け、検査の記録を残し、不適合品の台帳を管理し、是正措置の効果を確認します。製造部門が作り手なら、検査部門は番人のような存在です。

 

第8条(不適合品の発見時の措置)

不良品を見つけた人が即座に取るべきアクションを定めています。まず作業をストップして上司に知らせ、該当製品に赤い札を付け、同じロットの製品も隔離し、台帳に記録し、関連部門に連絡する、という5つのステップです。例えば、プラスチック成形で変形した製品を発見したら、すぐに成形機を止めて、同じ金型で作った他の製品もチェックするわけです。

 

第9条(不適合品の識別表示)

不良品を見分けるための目印のルールです。赤い「不適合品」カードを使い、そこに製品名、発見日時、発見者、不良内容、ロット番号を書き込みます。カードは製品を取り出す方向に向けて置き、複数あれば一つずつ表示します。これにより、誰が見てもすぐに不良品だと分かり、誤って使ってしまうミスを防げます。

 

第10条(不適合品の分離保管)

不良品をどこにどう保管するかを決めた条文です。専用の置場に移動し、鍵をかけて管理し、誰が出入りしたか記録し、定期的に状況を確認します。置場は「評価待ち」「再加工待ち」「廃棄待ち」「返品待ち」の4つの区画に分けます。例えば、寸法が少しずれた部品は「評価待ち」に置いて、使えるかどうか判断を待つことになります。

 

第11条(不適合品の評価)

不良品をどう扱うか決めるための評価項目を示しています。不良の程度、どの工程で発生したか、影響範囲、似たような不良が他にないか、処置できるか、顧客への影響はどうか、という6つの視点で判断します。例えば、表面の小さな傷なら機能に影響しないかもしれませんが、電子回路のショートなら安全性に関わるので慎重に評価します。

 

第12条(不適合品の処置区分)

不良品をどう処理するか6つの選択肢を提示しています。廃棄、再加工、特別採用、格下げ使用、返品、修理です。例えば、化粧品の容器に傷があれば廃棄、機械部品の寸法が少しずれていれば再加工、高級品として売れないけど普及品として使えるなら格下げ使用、といった具合に状況に応じて選びます。

 

第13条(処置の実施)

実際に処置を進める手順を6ステップで定めています。まず処置案を作り、品質管理責任者の承認を得て、計画を立て、実施し、結果を確認し、記録を残します。例えば、1000個の不良品を再加工する場合、どの工程でやり直すか計画を立て、責任者の承認を得てから作業に入り、完了後に検査して記録するという流れです。

 

第14条(特別採用)

本来は規格外だけど例外的に使うことを認める「特別採用」の条件です。重要な機能に影響せず、安全性に問題なく、法律に触れず、顧客と経営層の承認が得られる場合に限ります。例えば、部品の色が微妙に違うけど性能には無関係で、顧客も了承してくれるなら特別採用できます。ただし、安易に使わないよう厳しい条件が設けられています。

 

第15条(是正措置)

同じ不良を繰り返さないための対策手順です。まず状況を確認し、原因を調べ、対策を考え、実行し、効果を確認し、作業標準を改訂し、他の工程にも展開します。例えば、部品の取り付けミスが多発したら、作業手順が分かりにくいのが原因と判明し、手順書に写真を追加して改善し、他のラインにも同じ改訂を広げるといった流れです。

 

第16条(予防措置)

まだ起きていない問題を未然に防ぐための手順です。起こりそうな不良を見つけ出し、対策が必要か評価し、予防策を考え、実施し、効果を確認します。例えば、設備の経年劣化で将来不良が増えそうなら、故障する前に部品を交換するといった先回りの対策です。問題が起きてから対処するより、起きる前に手を打つ方が効率的です。

 

第17条(記録の管理)

どんな記録を何年保管するか定めています。不適合品台帳、処置記録、是正措置報告書、特別採用申請書、置場の出入り記録、教育記録を5年間保存します。これにより、過去にどんな不良があったか振り返ることができ、顧客から問い合わせがあったときにも証拠を示せます。

 

第18条(教育訓練)

従業員にこの仕組みを理解してもらうための教育のやり方です。年間計画を立て、年1回の定期教育、新入社員教育、必要に応じた臨時教育を実施し、理解度を確認し、記録を残します。例えば、新しい検査方法を導入したら臨時教育を行い、全員が正しく理解しているかテストするといった具合です。

 

第19条(監査)

この仕組みがちゃんと機能しているか定期的にチェックする監査について定めています。内部監査を年2回、経営層によるレビューを年1回、必要なときには臨時監査を実施します。例えば、内部監査で記録の不備が見つかれば改善指示を出し、経営層のレビューで体制の見直しを決めるといった使い方です。

 

第20条(改訂)

この規程を見直すタイミングを示しています。組織体制が変わったとき、業務のやり方が変わったとき、品質管理の仕組み全体が変わったとき、その他必要なときに改訂します。例えば、会社が合併して部門構成が変われば、責任者の名称や承認ルートも書き換える必要があります。時代に合わせて進化させる姿勢が大切です。

 

 

 

 

【4】活用アドバイス

 

この文書を導入する際は、いきなり全部を厳格に運用しようとせず、まずは自社の実態に合わせてカスタマイズすることをお勧めします。特に組織の規模や製品の種類によって、必要な管理レベルは変わってきます。小規模な工場なら品質管理委員会を設けずに責任者が判断する形でも構いませんし、大企業なら部門ごとに細かく役割を分ける方が効率的です。

 

別紙の帳票類は実務で最も使う部分ですから、記入しやすいようにレイアウトを調整してください。例えば、不適合品管理台帳は現場で手書きする場合もあれば、パソコンで入力する場合もあるでしょう。使う人の視点で書式を整えると、記録漏れを防げます。

 

教育訓練は形式的にならないよう注意が必要です。マニュアルを読み上げるだけでなく、実際に不良品が発生したときのシミュレーションを行ったり、過去の事例を使って「この場合どうする?」と考えさせる研修にすると、現場での実践力が高まります。

 

また、この文書を導入したら定期的に見直すことも重要です。最初に作った規程が完璧ということはありません。実際に運用してみて、「ここは分かりにくい」「この手順は現実的でない」といった意見が出てきたら、柔軟に改善していきましょう。監査の結果や現場の声を反映させながら、生きた文書として育てていく姿勢が成功の鍵です。

 

 

 

 

【5】この文書を利用するメリット

 

まず、不適合品の管理が体系的に整理できる点が大きなメリットです。多くの製造現場では、不良品が出たときの対応が属人的になりがちで、担当者によって判断がバラバラだったり、記録が残っていなかったりします。この文書があれば、誰が対応しても同じ手順で処理でき、組織としての一貫性が保たれます。

 

次に、不良品の流出リスクを大幅に減らせます。識別表示や分離保管のルールが明確になることで、誤って不良品を出荷してしまうミスを防げます。顧客からのクレームは企業の信頼を大きく損ないますから、こうした仕組みは経営上のリスク管理としても重要です。

 

さらに、品質改善のPDCAサイクルが回しやすくなります。不適合品のデータを蓄積し、是正措置や予防措置につなげることで、同じ問題の再発を防ぎ、製品品質を継続的に向上させられます。記録を分析すれば、どの工程で不良が多いか、どんな原因が頻繁に起きるかが見えてきて、効果的な改善策を打てるようになります。

 

ISO9001などの品質マネジメントシステムの構築を検討している企業にとっては、この文書がそのまま要求事項への対応になります。認証取得の準備として、実務レベルの手順書を一から作るのは大変な作業ですが、この書式を土台にすれば時間と労力を大幅に節約できます。

 

また、新入社員や部署異動者の教育にも役立ちます。口頭で説明するだけでは理解にバラツキが出ますが、文書化されたルールがあれば、誰でも正しい手順を学べます。教育記録のフォーマットも付いているので、誰がいつ教育を受けたかも管理できます。

 

 

 

 

 

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