【1】書式概要
この告発状は、フランチャイズ契約における本部の契約違反や不正行為に対して、加盟店が正式に抗議と改善を求める際に使用する重要な書面です。フランチャイズビジネスでは、本部と加盟店の間で様々なトラブルが発生することがありますが、多くの加盟店オーナーは適切な対応方法を知らず、泣き寝入りしてしまうケースが後を絶ちません。
この書式テンプレートは、契約書に基づいた具体的な違反事項を体系的に整理し、証拠資料とともに本部に対して改善を求める際の効果的な手段となります。特に、サポート義務の不履行、虚偽の収益予測、商圏侵害、不当な価格設定、強制的な販促活動参加など、フランチャイズ業界でよく見られる問題について、実際の契約条項と照らし合わせながら論理的に主張できる構成になっています。
この告発状が威力を発揮するのは、本部との交渉が行き詰まった場面や、継続的な契約違反に対して毅然とした対応を取りたい場面です。また、他の加盟店と連携して集団で問題解決を図る際の共通フォーマットとしても活用できます。Word形式で編集可能なため、ご自身の具体的な状況に合わせて内容をカスタマイズでき、必要な箇所を修正・追加して使用することができます。
消費者庁や公正取引委員会への通報を検討している段階でも、この告発状があることで問題点が整理され、より効果的な対応が可能になります。フランチャイズ経営でお困りの加盟店オーナーの方にとって、心強い味方となる実用的な書式です。
【2】解説
はじめに(冒頭段落)
この段落では、告発者が自身の立場を明確にし、告発に至る経緯を説明しています。フランチャイズ加盟店として正当な運営を行ってきたにも関わらず、本部による組織的な契約違反と不正行為が継続していることを指摘。単独の問題ではなく、多くの加盟店に影響する構造的問題であることを強調し、ブランド全体の信頼性への悪影響まで言及することで、告発の正当性と緊急性を訴えています。
告発内容の概要
本文書の核心部分となる12項目の具体的な違反行為を体系的に整理した構成になっています。それぞれの項目は、契約書の特定条項への違反を明確に指摘し、具体的な数値や事例を用いて問題の深刻さを示しています。
1. 契約上の加盟店サポート義務不履行
フランチャイズの根幹である本部のサポート体制の問題を指摘。週1回の店舗訪問が月1〜2回に減少、緊急対応が契約の24時間以内から平均38時間に延長、研修実施回数の大幅減少など、具体的な数値で契約不履行の実態を示しています。これらは加盟店の日常運営に直結する重要な問題で、経営の根幹を揺るがす内容です。
2. 虚偽の収益予測提示
フランチャイズ加盟時の最重要判断材料である収益予測の虚偽性を告発。予測値と実績値の乖離(52.3%)を具体的数値で示し、本部が内部資料でこの問題を認識しながら新規募集に同じ資料を使い続けている組織的な欺瞞行為を暴露しています。特定商取引法違反の可能性も指摘し、問題の深刻さを強調しています。
3. 不当な商圏侵害
テリトリー保護という加盟店の基本的権利の侵害について詳述。契約で定められた2km圏内に1.2km地点への出店許可による売上38%減少という具体的被害を示し、全国規模での同様事例の存在も言及。本部の調査資料開示拒否も併せて指摘し、隠蔽体質も浮き彫りにしています。
4. 過剰な原材料価格設定
独占禁止法違反の疑いも含む深刻な問題として、市場価格との乖離(平均42.7%高、主要材料は約2倍)を具体的数値で示しています。本部がリベート18%を受け取っている実態も暴露し、「スケールメリット」という当初説明が完全な欺瞞であることを証明。優越的地位の濫用という重大な違法行為の可能性を指摘しています。
5. 不当なロイヤリティ計算方法
契約条項の一方的解釈変更による過剰徴収問題を指摘。値引き販売分を正価計算することで月額約10万円の過剰徴収が発生している実態を数値で示し、本部の「システム上の仕様」という曖昧な回答で問題が放置されている状況を明らかにしています。
6. システム使用料の不当な値上げ
契約で定められた物価上昇率内での変更という制限を大幅に超える32%の値上げ(同期間物価上昇率約3%)について、具体的な数値比較で契約違反の明確さを示しています。「システム機能強化」という名目の正当性も疑問視し、加盟店の意見が反映されていない一方的な決定であることを指摘。
7. 強制的な販促活動参加
契約で保証された自主的判断権の侵害について、四半期キャンペーンの強制参加と不参加時の警告書発行という具体的な圧力手段を暴露。特に赤字構造のキャンペーンへの強制参加という不合理性と、拒否した場合の監視や契約更新への影響示唆という威圧的手法も明らかにしています。
8. 不当な改装要求
契約期間を大幅に短縮した改装要求(5年目安が3年)と高額費用負担(約1,200万円)の一律要求について、加盟店の経営状態を無視した不当性を指摘。改装拒否に対する配送遅延や研修参加拒否という報復的不利益行為の存在も暴露し、本部の威圧的体質を浮き彫りにしています。
9. コンプライアンス違反の強制
最も深刻な問題として、賞味期限切れ商品の再包装・販売推奨や労働基準法違反の推奨など、明確な違法行為の強制を具体的な日時と担当者名を挙げて告発。常務取締役の「ルール違反は目をつぶる」発言の記録まで示し、組織ぐるみの違法行為推奨体質を証明しています。
10. 契約更新における不当条件
当初契約に記載のない更新料(売上3ヶ月分)の突然の要求と、更新拒否時の過度な競業避止義務(3年間・半径10km)という一方的で不当な条件変更を指摘。契約の基本原則である双方合意を無視した本部の横暴な態度を明らかにしています。
11. 加盟店間の差別的取扱い
本部役員との個人的関係による不公平な優遇措置(ロイヤリティ減額、優先供給)の存在を具体的店舗名を挙げて暴露。契約で定められた公平性原則の根本的な違反であり、フランチャイズシステムの信頼性を損なう重大な問題として位置づけています。
12. 情報開示の不足
加盟店の経営判断に必要な重要情報の組織的な隠蔽について、決算書未開示、統計情報隠蔽、価格構成秘匿、広告費用途不明など多岐にわたる問題を列挙。特に本部の財務悪化を隠匿しながら新規募集を続ける悪質性を強調し、加盟店を欺く構造的問題を指摘しています。
証拠資料の提示
告発内容の信憑性を裏付ける14項目の具体的証拠を列挙。メール記録、内部文書、音声データ、比較資料など多角的な証拠の存在を示すことで、告発の客観性と信頼性を担保。特に内部告発者からの情報や録音データなど、決定的証拠の存在を明示しています。
要求事項
12項目の具体的改善要求を提示。単なる抗議に留まらず、建設的な解決策を求める姿勢を示しています。金銭的補償、制度改善、情報開示など、実現可能で合理的な要求内容となっており、交渉の出発点として機能する構成になっています。
対応期限と今後の対応
30日間という明確な期限を設定し、回答がない場合の段階的対応策を明示。加盟店間の連携、監督官庁への通報、業界団体への申し立て、メディア対応、集団訴訟など、圧力を段階的に高める戦略的なアプローチを示しています。
結びの段落
告発の真の目的が本部への攻撃ではなく、フランチャイズシステム全体の健全化と相互繁栄であることを明示。建設的な問題解決への意欲を示すことで、本部の前向きな対応を促し、双方にとって有益な解決を目指す姿勢を表明しています。最後に連絡先を明記することで、責任ある告発であることを示しています。
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