もし裁判になったら、どこの裁判所で争うかをあらかじめ決めておく条文です。管轄を決めておくことで、遠方の裁判所に呼び出されるといった不便を避けられます。
【4】活用アドバイス
この契約書を使う際は、まず●印の箇所を埋めるところから始めましょう。当事者名、具体的な商品リスト、金額、期間、管轄裁判所など、取引の実態に合わせて細かく記入していきます。特に第4条の対象商品は、できるだけ具体的に列挙することで、後々「この商品は契約に含まれるのか」という論争を避けられます。
最低保証金や使用料のパーセンテージは、業界相場や商品の販売見込みを考慮して設定してください。タレントの知名度が高いほど使用料率も高くなるのが一般的ですが、新人タレントの場合は低めに設定して企業の参入ハードルを下げるという戦略もあります。
品質管理のサンプル提出や広告の事前承認は、手間に感じるかもしれませんが、タレントのブランド価値を守るためには欠かせません。スケジュールに余裕を持って承認プロセスを組み込むことで、スムーズに進められます。
契約期間は最初は1年程度で様子を見て、うまくいけば自動更新で続けるという設計が実務的です。いきなり長期契約にすると、市場環境の変化に対応しにくくなります。
Word形式なので、自社の実情に合わせて条文を追加したり修正したりすることも可能です。ただし、大幅な変更をする場合は、専門家に相談することをおすすめします。
【5】この文書を利用するメリット
この契約書を使う最大のメリットは、タレントの商品化ビジネスにおける権利関係とお金の流れを明確にできることです。口約束だけで進めると、後になって「そんな話は聞いていない」「使用料の計算方法が違う」といったトラブルが起きがちですが、書面で細かく取り決めておけば安心です。
三者間契約という形式なので、芸能事務所、タレント本人、企業のそれぞれの立場と責任がはっきりします。誰が何に同意して、誰がどんな義務を負うのかが一目瞭然になるため、後々の責任の所在も明確です。
品質管理や広告承認の条項があることで、タレントのイメージを守りながらビジネスを展開できます。粗悪な商品や不適切な広告によってタレントの評判が傷つくリスクを最小限に抑えられるのは、長期的なブランド価値の維持にとって非常に重要です。
最低保証金の仕組みにより、企業側に真剣に販売活動を行うインセンティブが働きます。一方、芸能事務所やタレント側からすれば、売れても売れなくても一定の収入が確保できるという安心感があります。
契約期間や自動更新の条項、解除条件などが整っているため、状況に応じて柔軟に対応できます。うまくいけば継続し、問題があればきちんと解消できる仕組みが整っているのです。
Word形式で編集可能なので、印刷してそのまま使うこともできますし、自社のロゴを入れたり、特殊な条件を追加したりといったカスタマイズも簡単です。テンプレートとして繰り返し使えるので、複数の商品化案件を抱えている場合は特に便利です。