【１】書式概要　

現代社会において、恋愛関係以外の大人同士の身体的な関係を持つケースが増えています。この「身体的関係限定合意書」は、いわゆるセックスフレンドやカジュアルな関係を築く際に、お互いの期待値や境界線を明確にするための実用的なテンプレートです。

この書式を使用することで、関係開始前に重要な事項について話し合い、後々のトラブルを未然に防ぐことができます。特に健康面の安全確保、プライバシーの保護、感情的な境界の設定など、デリケートな関係性において必要不可欠な要素を網羅的にカバーしています。

友達以上恋人未満の関係で悩んでいる方、カジュアルな関係を始める前にルールを決めておきたい方、過去の経験から事前の取り決めの重要性を感じている方におすすめです。また、恋愛相談を受ける立場の方や、大人の関係性について指導する専門家の方にも参考資料として活用いただけます。

Word形式で提供されるため、お二人の状況に合わせて内容を自由に編集・カスタマイズすることが可能です。印刷して手書きでの記入にも対応しており、デジタル・アナログ両方の用途でお使いいただけます。

【２】逐条解説

第1条（関係の定義と目的）

この条項では、なぜこの合意書を作成するのかという根本的な目的を明確にしています。曖昧な関係性のまま進んでしまうと、片方が恋愛感情を抱いてしまったり、相手に対する期待が膨らんでしまったりする可能性があります。例えば、一方は単純に身体的な関係だけを求めているのに、もう一方は将来的な恋愛関係への発展を期待している場合、後々大きな問題となってしまいます。

第2条（関係の範囲と限界）

ここが最も重要な部分で、何が含まれて何が含まれないのかをはっきりと線引きしています。身体的な親密行為は含まれるものの、デートや恋人同士のような振る舞いは範囲外であることを示しています。具体的には、映画を一緒に見に行ったり、家族ぐるみの付き合いをしたり、将来の話をしたりすることは避けるべき行為として位置づけられています。この境界線を曖昧にしておくと、関係が複雑化する原因となります。

第3条（健康と安全に関する事項）

身体的関係において最も重要な安全面について詳細に定めています。性感染症のリスクは現実的な問題であり、定期的な検査結果の共有は相互の健康を守るために不可欠です。また、他にパートナーがいる場合の通知義務についても明記されており、これにより感染リスクを最小限に抑えることができます。例えば、どちらかが新しいパートナーと関係を持った場合、即座に相手に伝えることで、適切な予防措置を講じることが可能になります。

第4条（コミュニケーションのルール）

日常的な連絡の取り方について具体的なガイドラインを設けています。恋人同士であれば毎日のように連絡を取り合うのが普通ですが、この関係においては必要最小限の連絡に留めることが重要です。例えば、「今日何してる？」といった日常会話や、仕事の愚痴、家族の話などは避けるべき内容となります。また、会う約束についても事前の連絡期間を設定することで、お互いのスケジュール管理をスムーズにしています。

第5条（社交的な境界）

公の場での振る舞いや、周囲に対する関係性の見せ方について定めています。共通の友人がいる場合や、偶然公共の場で出会った場合の対応方法は、事前に決めておかないとトラブルの元になります。特にSNSでの関係性の示唆は、第三者に誤解を与える可能性があるため、注意が必要です。例えば、一緒にいる写真をInstagramに投稿したり、Facebookで関係ステータスを変更したりすることは避けるべき行為です。

第6条（感情的な境界）

最も複雑で難しい部分である感情面の取り扱いについて規定しています。人間である以上、身体的な関係を続けていれば感情が生まれる可能性は十分にあります。その際の対処法を事前に決めておくことで、関係の終了時期を見極めることができます。また、記念日やバレンタインデーなどの特別な日を意識しないことで、恋愛関係との区別を明確にしています。

第7条（関係の終了）

どのような場合に関係を終了するのか、そしてその手続きはどうするのかを明確に定めています。関係の終了は必ずしもネガティブな理由だけではなく、どちらかに真剣な交際相手ができた場合なども含まれます。終了時の手続きについても、詳細な理由説明を求めないことで、お互いの尊厳を保ちながらスムーズに関係を終わらせることができます。

第8条（その他の重要事項）

合意内容の変更方法や、トラブルが発生した場合の対処法について定めています。時間が経つにつれて、お互いの状況や考え方が変わる可能性もあるため、合意内容の見直しができる仕組みを設けています。また、この合意書には強制力がないことを明記することで、あくまでも道徳的・倫理的な約束であることを確認しています。

第9条（合意の確認）

最終的な合意の確認と署名について定めています。双方が内容を十分に理解し、自由意思に基づいて合意していることを確認する重要な条項です。署名することで、この合意書の内容について責任を持って守る意思があることを示します。