【能力・適性不一致型】退職勧奨書+面談記録票+チェックリスト3点セット(詳細解説・判例付き)

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【能力・適性不一致型】退職勧奨書+面談記録票+チェックリスト3点セット(詳細解説・判例付き)

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【1】書式概要


この書式は、従業員に対して自主的な退職を促す際に使用する「退職勧奨書」のテンプレートです。

会社を経営していると、残念ながら「この人には今の仕事が合っていないな」と感じる場面に直面することがあります。何度か指導をしたり、研修を受けてもらったり、別の部署への異動を試みたりしても、なかなか状況が改善しない。かといって、いきなり解雇というのは会社にとってもリスクが大きいし、本人にとっても酷な話です。そんなときに活用できるのが、この退職勧奨書です。

退職勧奨というのは、簡単に言えば「会社から従業員に対して、退職を検討してもらえませんかとお願いする」手続きのことです。解雇とは違って、あくまでも本人の意思で退職届を出してもらう形になります。ただし、やり方を間違えると「退職を強要された」と言われてトラブルになることもあるので、きちんとした書面を用意しておくことが大切です。

このテンプレートでは、なぜ退職を勧めることになったのか、これまでどんな指導や支援を行ってきたのか、そして退職に応じた場合にはどのような条件を提示するのかを、順を追って記載できる構成になっています。特別退職金の支給や、会社都合退職としての処理、再就職支援サービスの提供など、従業員にとってもメリットのある条件を明示することで、円満な合意形成を目指します。

本テンプレートには、退職勧奨書の本文だけでなく、面談時に使える記録票や、実施前に確認しておくべき事項をまとめたチェックリストも付属しています。さらに、参考となる裁判例の紹介や、やってはいけない対応についての解説も含まれているので、初めて退職勧奨を行う担当者の方でも安心してお使いいただけます。

Word形式でのご提供となりますので、貴社の状況に合わせて自由に編集していただけます。会社名や日付、具体的な指導経緯、退職条件などを書き換えるだけで、すぐに実務で使える書類が完成します。



【2】項目タイトル

※本書式は「第●条」形式の契約書ではなく、通知書形式の書面です。以下の項目構成となっています。

<退職勧奨書 本文>
第1項(勧奨の理由)
第2項(退職条件)
第3項(回答期限)
第4項(本勧奨の性質について)

<別紙・付属書類>
別紙1:退職勧奨面談記録票
別紙2:退職勧奨実施前チェックリスト
参考資料:関連裁判例



【3】逐条解説

第1項(勧奨の理由)

退職を勧める理由を具体的に記載する項目です。ここがこの書面の核心部分といっても過言ではありません。

まず、本人がいつ入社して、どの部署でどんな仕事をしてきたのかを簡潔に書きます。その上で、現在の職務で求められる水準と本人の実力との間にギャップがあることを、できるだけ客観的な表現で伝えます。

重要なのは「これまで会社としてどんな手を打ってきたか」を明記することです。たとえば、「3月に個別面談を実施した」「5月に外部研修に参加してもらった」「7月に別の業務に担当替えした」といった具体的な日付と内容を並べることで、会社が十分な努力をしてきたことを示します。いきなり退職を勧めているわけではなく、段階を踏んだ結果であることが伝わるようにするわけです。

たとえば、営業職として採用した社員が1年経っても目標の30%程度しか達成できず、同行営業や商品研修を重ねても改善が見られない、というような場合に使うことを想定しています。


第2項(退職条件)

退職に応じた場合に会社が提示する条件を列挙する項目です。ここを充実させることで、本人にとっても前向きに検討できる材料を提供します。

退職日については、すぐに辞めろというのではなく、届出から1〜2ヶ月程度の猶予を設けるのが一般的です。退職事由は「会社都合」として処理することを明記します。これは失業保険の給付日数や待期期間に影響するため、本人にとっては大きなメリットになります。

特別退職金は、通常の退職金に上乗せする形で支給するものです。金額は会社の規模や本人の勤続年数によって異なりますが、月給の3〜6ヶ月分程度を提示するケースが多いです。未消化の有給休暇については、退職日までに取得してもらうか、会社規程に基づいて買い取ることを記載します。

再就職支援サービスは、人材紹介会社と提携している場合に提供できるオプションです。特に中高年の社員の場合、次の仕事を見つけるハードルが高いことも多いため、こうしたサポートがあると受け入れやすくなります。


第3項(回答期限)

いつまでに返事をもらいたいかを示す項目です。

期限を設けないと、ずるずると結論が先延ばしになってしまうリスクがあります。かといって「3日以内に返事しろ」というような短い期限は、本人を追い詰めているように見えてしまい、後々「考える時間を与えてもらえなかった」と言われかねません。

実務上は、2週間から1ヶ月程度の検討期間を設けるのが適切です。この間に家族と相談したり、次の就職先を探し始めたりする時間的余裕を確保するわけです。連絡先として担当部署と担当者名を明記しておくことで、質問や相談がしやすい環境を整えます。


第4項(本勧奨の性質について)

この書面が「お願い」であって「命令」ではないことを明確にする、とても大事な項目です。

退職勧奨と退職強要の違いは、本人の自由意思が尊重されているかどうかにかかっています。ここで「強制ではありません」「応じなくても不利益がないことを明記しています。こうした文言があることで、後からトラブルになるリスクを大幅に下げられます。

過去の裁判例でも、退職勧奨そのものは違法ではないけれど、断ったら左遷するとか、毎日のように呼び出して長時間説得するといった行為は違法と判断されています。この項目があることで、会社として適正な手続きを踏んでいることを示せます。


別紙1:退職勧奨面談記録票

退職勧奨の面談を行った際の記録を残すための書式です。

面談の日時・場所、出席者、話し合った内容、本人の反応などを記録しておきます。「言った・言わない」の争いを防ぐためにも、こうした記録をきちんと残しておくことが重要です。会社側は2名程度で出席するのが望ましく、後日、記録の正確性を証明できる体制を整えます。

本人が「検討する」と言ったのか「応じない」と明言したのかによって、その後の対応も変わってきます。次回の面談予定や特記事項の欄も設けてあるので、継続的な経過管理にも使えます。


別紙2:退職勧奨実施前チェックリスト

退職勧奨を行う前に確認しておくべき事項をまとめたチェックリストです。

事前準備として、対象者の人事評価記録を確認したか、これまでの指導記録は整っているか、配置転換の可能性は検討したかといった項目があります。また、勧奨理由に性別や年齢などの差別的要素が含まれていないか、退職強要と受け取られるような対応になっていないかといった点も確認します。

必要に応じて顧問弁護士や社会保険労務士に相談しておくことも推奨しています。このチェックリストを使うことで、「やるべきことをやってから勧奨に臨んでいる」という手続きの適正さを担保できます。



【4】FAQ

Q1. 退職勧奨と解雇は何が違うのですか?

解雇は会社が一方的に雇用契約を終了させる行為で、本人の同意は必要ありません。一方、退職勧奨は「辞めませんか?」とお願いする行為で、本人が応じなければ雇用関係は継続します。解雇には厳しい制限がありますが、退職勧奨そのものに特別な規制はありません。ただし、やり方によっては違法な「退職強要」と判断されることがあります。


Q2. 退職勧奨を断られたらどうすればいいですか?

断られた場合は、そのまま雇用を継続することになります。断ったことを理由に不利益な取扱い(降格、減給、配置転換など)をすると、報復的人事として問題になる可能性があります。引き続き指導・育成を行いながら、状況に応じて再度の勧奨や、それでも改善しない場合は普通解雇の検討という流れになります。


Q3. 何回まで退職勧奨を行っていいのですか?

明確な回数制限はありませんが、判例上、執拗に繰り返すと違法とされるリスクがあります。下関商業高校事件では、3ヶ月間に11回もの面談を行ったことなどが問題視されました。一般的には、最初の勧奨から回答期限までの間に1〜2回程度のフォローアップ面談を行う程度にとどめるのが安全です。


Q4. 退職勧奨の面談はどれくらいの時間が適切ですか?

1回の面談は30分から1時間程度が目安です。何時間も拘束して説得を続けると、退職を強要したと言われかねません。本人が帰りたいと言ったら、すぐに終了させてください。「納得するまで帰さない」というのは絶対にNGです。


Q5. 退職勧奨書を郵送だけで済ませてもいいですか?

法律上は郵送でも構いませんが、お勧めしません。書面だけでは趣旨が正確に伝わらず、「いきなり退職しろと言われた」と受け取られる恐れがあります。必ず面談の場を設けて、口頭で説明しながら書面を渡すようにしてください。


Q6. 特別退職金はいくらぐらいが相場ですか?

会社の規模や業績、本人の勤続年数などによって異なりますが、月給の3ヶ月分から6ヶ月分程度を提示するケースが多いです。勤続年数が長い社員や管理職クラスの場合は、それ以上を提示することもあります。あまりに低い金額だと交渉の余地がなくなりますし、高すぎると会社の負担が重くなるので、バランスを見て決めてください。


Q7. 会社都合退職と自己都合退職では何が違うのですか?

本人にとって最も大きな違いは失業保険です。会社都合退職の場合、待期期間(7日間)の後すぐに給付が始まりますが、自己都合退職の場合は2ヶ月の給付制限期間があります。また、給付日数も会社都合の方が長くなります。退職勧奨に応じた場合は会社都合として処理するのが一般的で、これは本人にとって大きなメリットになります。


Q8. 勧奨理由として書いてはいけないことはありますか?

性別、年齢、国籍、障害、妊娠・出産、育児休業の取得などを理由とした退職勧奨は、差別として違法になる可能性があります。また、組合活動への参加や内部通報をしたことなども理由にできません。あくまでも「職務遂行能力」や「業績」に焦点を当てた客観的な理由を記載してください。


Q9. 退職勧奨中の社員を別の部署に異動させてもいいですか?

配置転換自体は会社の人事権の範囲内ですが、退職勧奨を断った直後に明らかな左遷人事を行うと、報復的な不利益取扱いと見なされるリスクがあります。異動させる場合は、業務上の必要性を説明できるようにしておく必要があります。


Q10. このテンプレートはどんな業種でも使えますか?

はい、基本的にどの業種でもお使いいただけます。ただし、記載する具体的な内容(指導経緯、能力の課題など)は業種や職種によって異なりますので、自社の状況に合わせて適宜書き換えてください。



【5】活用アドバイス

1. 事前の記録整備が何より大切です

退職勧奨を行う前に、これまでの指導記録や評価記録がきちんと残っているか確認してください。「入社以来ずっと問題があった」と口で言っても、記録がなければ説得力がありません。面談のたびにメモを取る、メールでのやり取りを保存しておく、評価シートにコメントを残すなど、日頃からの記録習慣が重要です。


2. 退職条件は事前に社内決裁を取っておく

面談の場で「特別退職金はいくらですか」と聞かれて答えられないと、本気度を疑われます。人事部門だけでなく、経営層や財務部門とも事前に調整して、提示できる条件の範囲を決めておいてください。ある程度の交渉余地を残しておくと、スムーズに話が進むことが多いです。


3. 面談は必ず複数名で行う

会社側1名と本人1名の「1対1」の面談は避けてください。後から「言っていないことを言ったと主張された」「威圧的な態度だった」と言われても、証人がいなければ反論が難しくなります。人事担当者と直属の上司の2名程度で対応するのがベストです。


4. 本人の話をしっかり聞く姿勢を見せる

一方的に書面を読み上げて「検討してください」だけでは、本人の不信感を招きます。これまでの仕事についてどう感じているか、今後どうしたいと思っているかなど、本人の気持ちを聞く時間を設けてください。場合によっては、本人も「実は転職を考えていた」ということもあります。


5. 回答期限は余裕を持って設定する

「今週中に返事をくれ」というような短い期限は、追い詰めている印象を与えます。最低でも2週間、できれば3〜4週間程度の検討期間を設けましょう。その間に本人が弁護士や労働組合に相談することもありますが、それを妨げることはできません。


6. 断られても感情的にならない

退職勧奨はあくまでも「お願い」ですから、断られる可能性は当然あります。断られたからといって、態度を変えたり、露骨に冷遇したりするのは絶対にNGです。引き続き指導を行いながら、次のステップを冷静に検討してください。


7. 専門家への相談を惜しまない

迷ったときは、顧問弁護士や社会保険労務士に相談してください。ちょっとした言い回しや対応の仕方で、合法と違法の境目が変わることがあります。費用を惜しんでトラブルになるより、事前に専門家のチェックを受けておく方がずっと安上がりです。



【6】この文書を利用するメリット

すぐに使える完成度の高い書式

一から退職勧奨書を作成しようとすると、何を書けばいいのか、どんな構成にすればいいのか悩むものです。このテンプレートは実務で使われている形式をベースにしているので、必要事項を埋めるだけですぐに使えます。


トラブルを防ぐ配慮が盛り込み済み

「本勧奨の性質について」の項目で、強制ではないこと、断っても不利益がないことを明記しています。こうした文言があることで、「退職を強要された」という主張を防ぐ効果があります。裁判例を踏まえた表現になっているので安心です。


面談記録票とチェックリスト付き

退職勧奨書の本文だけでなく、面談時の記録票や事前確認用のチェックリストもセットになっています。これらを活用することで、手続き全体の適正さを担保できます。「言った・言わない」の争いを防ぐための記録としても役立ちます。


詳しい解説付きで初めてでも安心

テンプレートの冒頭に、退職勧奨の基本的な考え方や、やってはいけない対応についての解説を付けています。人事労務の経験が浅い担当者の方でも、ポイントを押さえた対応ができます。


Word形式だから自由に編集可能

PDFではなくWord形式でのご提供なので、自社の状況に合わせて自由にカスタマイズできます。会社名や日付を入れるのはもちろん、退職条件の内容を変えたり、項目を追加したりすることも簡単です。


会社都合退職としての処理を明記

退職に応じた場合は会社都合として処理することが書面上で約束されているため、本人にとっても失業保険の面でメリットがあります。これにより、退職勧奨を受け入れやすい条件を整えられます。


参考裁判例付きで根拠が明確

下関商業高校事件、日本IBM事件、全日空事件など、退職勧奨に関する主要な裁判例の概要を掲載しています。何が合法で何が違法なのかの目安がわかるので、対応を検討する際の参考になります。

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