【1】書式概要
この「金銭消費貸借契約書(LOAN AGREEMENT)」は、個人間または企業間での融資に関する法的関係を明確にするための重要な契約雛型です。日英両言語で記載されており、特に貸主に有利な条件設定となっているため、資金を提供する側が自身の権利を保護しながら貸付を行う際に最適です。
本契約書には、融資額、利率、担保設定、返済方法、延滞利息、契約譲渡条件、さらには準拠法と紛争解決方法まで網羅されています。改正民法に対応しているため、最新の法的要件を満たしています。契約当事者の基本情報から始まり、各条項が論理的に構成されているので、実際の取引状況に応じて空欄(●●●●)を埋めるだけで、専門的な契約書として使用できます。
特筆すべき点として、第6条では貸主側の権利譲渡が柔軟に認められる一方、借主側の譲渡には貸主の書面による承諾が必要とされています。また、第7条では紛争解決手段として日本商事仲裁協会のルールに従った仲裁が明記されており、将来的な係争リスクに備えています。
この雛型は、国際取引を行う企業や、個人投資家、金融関係者など、正式な融資関係を構築したい方々にとって、法的安全性を確保しながら取引を円滑に進めるための強固な基盤となるでしょう。
〔条文タイトル〕
第1条(THE LOAN)/(ローン)
第2条(INTEREST)/(利息)
第3条(SECURITY)/(担保)
第4条(PAYMENT AND EVIDENCE OF DEBT)/(支払いと債務の証拠)
第1項(Payments by Party A)/(甲による返済)
第2項(Banking Days)/(銀行営業日)
第5条(DEFAULT INTEREST)/(延滞利息)
第6条(ASSIGNMENT)/(譲渡)
第1項(By Party A)/(甲による譲渡)
第2項(By Party B)/(乙による譲渡)
第7条(GOVERNING LAW AND DISPUTE RESOLUTION)/(準拠法・紛争解決)
第1項(Governing Law)/(準拠法)
第2項(DISPUTE RESOLUTION)/(紛争解決)
【2】逐条解説
前文(RECITALS)
契約の背景と当事者について説明しています。両当事者の基本情報(法人名、住所、設立根拠法)と融資の意図を明確にしています。これにより契約の基本的な枠組みと目的が定義されます。特に第3項では、融資の総額と、甲(借主)の要請に応じて乙(貸主)が融資を提供する意思があることを明記しています。
第1条(THE LOAN)/(ローン)
融資の総額を明記する条項です。この条項は単純ながら重要で、「本契約の規定に従って」という文言があることで、以降の条項に記載される条件をすべて満たす必要があることを示しています。融資金額は文書中で●●●●円とされており、実際の契約では具体的な金額が記入されます。
第2条(INTEREST)/(利息)
融資に適用される利率を規定しています。年利●.●●%と記載されており、実際の契約では具体的な利率が記入されます。この条項はシンプルながら、融資の経済的条件の核心部分を構成しています。
第3条(SECURITY)/(担保)
融資の返済と利息支払いを保証するための担保について規定しています。借主が提供すべき担保資産を(a)と(b)で列挙する形式となっており、具体的な担保物件は実際の契約で指定されます。担保設定は貸主の権利保護のための重要な要素です。
第4条(PAYMENT AND EVIDENCE OF DEBT)/(支払いと債務の証拠)
第1項(Payments by Party A)/(甲による返済)
借主による返済方法を定めています。乙(貸主)が指定する口座への振込による返済を義務付けており、支払方法を明確化しています。
第2項(Banking Days)/(銀行営業日)
返済期日が銀行非営業日に当たる場合の取扱いを規定しています。この場合、次の銀行営業日が返済期日となります。実務上の混乱を避けるための重要な規定です。
第5条(DEFAULT INTEREST)/(延滞利息)
借主が期日通りに返済しなかった場合の延滞利息について規定しています。通常の利息より高い年利●.●%(実際の契約では具体的な利率が記入)が適用されることを明記し、借主に対して期日通りの返済を促す要素となっています。延滞利息は支払期日から実際の支払日まで発生することが明記されています。
第6条(ASSIGNMENT)/(譲渡)
第1項(By Party A)/(甲による譲渡)
借主による契約上の権利・義務の譲渡を制限しています。借主は貸主の書面による承諾なしに契約上の権利義務を第三者に譲渡できないとしており、貸主の利益を保護しています。
第2項(By Party B)/(乙による譲渡)
貸主による契約上の権利・義務の譲渡について規定しています。貸主は借主への書面通知により自由に権利・義務を第三者に譲渡できるとしており、貸主に有利な条項となっています。これにより貸主は融資債権を必要に応じて流動化することが可能です。
第7条(GOVERNING LAW AND DISPUTE RESOLUTION)/(準拠法・紛争解決)
第1項(Governing Law)/(準拠法)
契約の準拠法を日本法と明記しています。これにより契約解釈や紛争解決の際の法的枠組みが明確になります。
第2項(DISPUTE RESOLUTION)/(紛争解決)
契約から生じる紛争の解決方法として、日本商事仲裁協会の商事仲裁規則に従った仲裁による解決を規定しています。仲裁地は東京と指定されており、訴訟ではなく仲裁という代替的紛争解決手段を採用することで、紛争解決の効率化を図っています。
締結部
契約の締結日と当事者の署名欄が設けられています。「法的拘束力を持たせることを意図して」という文言により、両当事者が契約内容を理解し、法的拘束力のある合意として締結する意思があることを明示しています。