【1】書式概要
この「【改正民法対応版】風俗店舗利用規約違反に関する罰金等合意書〔保証人あり版〕」は、風俗店経営者が店舗利用規約に違反した顧客との間で交わす合意書の雛型です。本書式は改正民法に対応しており、保証人付きのバージョンとなっています。
この雛型は、無断撮影、他の客への迷惑行為、設備の損壊、支払いに関する不正、スタッフへの暴言といった典型的な規約違反行為に対応しています。実際の違反内容に合わせて詳細を記入できる形式となっており、罰金の支払い条件や分割払いの特例、遅延損害金、期限の利益喪失条件なども明確に規定されています。
また、入店禁止措置、証拠物の提出と処分、情報拡散の禁止、再発防止の誓約など、違反後の対応も包括的に含まれています。連帯保証人に関する条項や反社会的勢力の排除条項も備えており、法的な実効性を高める強制執行認諾条項も盛り込まれています。
この文書は風俗業界の特殊性を考慮して作成された専門的な法的文書であり、トラブル発生時の迅速かつ確実な問題解決と、将来的な紛争防止に役立ちます。店舗の運営者が顧客とのトラブルを法的に適切に処理するための信頼性の高い雛型として、実務で即活用可能です。
適宜ご編集の上でご利用いただければと存じます。2024年4月1日施行の改正民法対応版です。
〔条文タイトル〕
第1条(目的)
第2条(違反事実の確認及び謝罪)
第3条(罰金の支払い)
第4条(分割払いの特例)
第5条(遅延損害金及び期限の利益喪失)
第6条(強制執行認諾条項)
第7条(入店禁止措置)
第8条(証拠物の提出及び処分)
第9条(情報の不拡散)
第10条(再発防止の誓約)
第11条(個人情報の取扱い)
第12条(守秘義務)
第13条(権利放棄)
第14条(解除)
第15条(損害賠償)
第16条(通知義務)
第17条(保証人)
第18条(反社会的勢力の排除)
第19条(完全合意)
第20条(紛争解決)
【2】逐条解説
「第1条(目的)
この条項では、合意書の目的を明確にしています。本合意書は店舗利用規約に違反した顧客と店舗間の紛争を円満に解決することを主な目的としており、違反者が誠実に義務を履行することで責任を果たすことを規定しています。法的な紛争に発展させず、当事者間の合意によって解決することを意図しています。
第2条(違反事実の確認及び謝罪)
違反者が自らの行為を認め、それが規約違反であることを明確に確認する条項です。違反者は行為を認めるだけでなく、謝罪し、責任を負うことを確認します。特に営業に支障を与えたという認識を明文化することで、支払いの正当性を担保しています。
第3条(罰金の支払い)
違反行為に対する具体的な罰金額とその内訳(実損害賠償金、営業補償金、迷惑料、慰謝料、違約金)を規定しています。支払い方法や期限も明確に定め、振込先の詳細まで記載することで、履行の確実性を高めています。
第4条(分割払いの特例)
店舗側が特に認めた場合の分割払いの条件を規定しています。分割払いの場合の支払スケジュールや金額を明確にし、担保として白紙の預金通帳と銀行印の預け入れを求めることで、支払いの確実性を担保しています。
第5条(遅延損害金及び期限の利益喪失)
支払いが遅れた場合の遅延損害金(年20%)と、期限の利益を失う条件を明確にしています。支払遅延だけでなく、差押え、破産申立て、住所変更の届出怠りなど、信用状態の悪化も期限の利益喪失事由としており、債権回収の実効性を高めています。
第6条(強制執行認諾条項)
違反者が支払いを履行しない場合、強制執行に応じることを予め承諾させる条項です。必要に応じて公正証書の作成にも協力させることで、裁判を経ずに強制執行できる可能性を確保し、債権回収の確実性を大幅に高めています。
第7条(入店禁止措置)
違反者に対する長期間(10年間)の入店禁止措置を規定しています。期間経過後も再入店については店舗側の裁量によるものとし、違反した場合の措置(警察への通報権限)と違約金の支払いも定めています。
第8条(証拠物の提出及び処分)違反行為に関連する証拠物(写真、動画など)の全てを提出させ、その処分権を店舗側に与える条項です。証拠物の隠匿が後日発覚した場合の違約金も規定し、情報漏洩リスクを最小化しています。
第9条(情報の不拡散)
違反行為に関する情報を第三者に開示・拡散することを禁止する条項です。SNSへの投稿、メディアへの情報提供、口頭での伝達など具体的な禁止行為を列挙し、違反した場合の違約金も規定しています。店舗の評判・信用を保護する重要な条項です。
第10条(再発防止の誓約)
将来的に同様の違反行為を行わないという誓約を含む条項です。対象は当該店舗だけでなく同種・類似の店舗も含みます。定期的な報告義務を課すことで、再発防止への真摯な取り組みを促します。
第11条(個人情報の取扱い)
店舗側が違反者の個人情報を、権利行使、再発防止、注意喚起、関係機関への情報提供などの目的で利用できることを規定しています。違反者はこれに同意し、個人情報についての開示・訂正・利用停止の請求権を放棄します。
第12条(守秘義務)
合意書の内容や交渉経過などを第三者に開示しないことを双方が約束する条項です。ただし、法令に基づく開示義務がある場合や専門家への相談などは例外とし、店舗側は違反者を特定しない形での概要公表が可能です。違反した場合の違約金も規定しています。
第13条(権利放棄)
違反者が合意書の義務を全て履行することを条件に、店舗側が追加の民事請求権を放棄する条項です。ただし、これは義務履行が前提であり、違反した場合は法的手続きの権利が復活します。また、刑事告訴・告発の権利は制限されません。
第14条(解除)
違反者が合意書の義務に違反した場合、店舗側が合意書を解除できる条件を規定しています。解除された場合の違約金も定めており、損害賠償請求権は維持されます。
第15条(損害賠償)
合意書の義務違反による損害の賠償責任を規定しています。営業損害や信用毀損なども含む広範な損害が対象とされ、損害額の算定は店舗側の申告を基準とすることで、立証の困難さを軽減しています。
第16条(通知義務)
違反者の住所・氏名・連絡先などの変更があった場合の通知義務を規定しています。通知を怠った場合でも通常到達すべき時に到達したとみなす条項により、連絡不能による履行逃れを防止します。
第17条(保証人)
連帯保証人の義務と責任範囲を明確にする条項です。保証人は民法上の権利(情報提供請求権や取消権)を放棄し、必要に応じて保証人の追加・変更や担保提供を求められることもあります。債務の回収可能性を高める重要な条項です。
第18条(反社会的勢力の排除)
違反者が反社会的勢力に該当しないことの表明・確約を求める条項です。該当した場合の解除権、違約金、損害賠償責任も規定し、反社会的勢力との関係を遮断する法的根拠となります。
第19条(完全合意)
本合意書が当事者間の完全なる合意を構成し、それ以前の口頭・書面による合意に優先することを規定しています。また、変更は書面によってのみ効力を持つとすることで、合意内容の明確性と安定性を確保しています。
第20条(紛争解決)
合意書に定めのない事項や解釈の疑義が生じた場合の対応方法を規定しています。協議で解決しない場合の管轄裁判所を明確にし、訴訟費用や弁護士費用を違反者側が負担することも定めています。紛争が生じた場合の対応を予め明確にすることで、迅速な解決を図ります。」