【1】書式概要
この自動車譲渡担保設定契約書は、お金を貸す際に借り手の自動車を担保として設定するための重要な契約書です。金融機関、貸金業者、中古車販売店などが融資を行う際に、万が一返済が滞った場合のリスクヘッジとして広く活用されています。
従来の質権設定とは異なり、譲渡担保では自動車の所有権を一旦貸し手に移転させながら、借り手が引き続き車両を使用できる実用的な仕組みを採用しています。これにより、日常生活や事業で車両が必要な借り手にとっても利便性が保たれます。
改正民法に完全対応した最新版として、法改正による変更点も反映済みです。中古車購入資金の融資、事業資金調達、個人間貸借など様々な場面で使用可能で、特に自動車を資産として持つ個人や事業者への融資において威力を発揮します。
Word形式での提供により、当事者名、金額、車両情報などを簡単に編集でき、すぐに実用できる状態でお渡しします。印刷後の署名・押印だけで正式な契約として効力を発揮する完成度の高い書式です。
【2】条文タイトル
第1条(被担保債権の表示) 第2条(譲渡担保の設定) 第3条(保証) 第4条(登録名義書換等) 第5条(使用貸借及び管理等) 第6条(付保険) 第7条(禁止事項) 第8条(期限の利益喪失) 第9条(受戻し) 第10条(本件自動車の使用権限の消滅) 第11条(譲渡担保権の実行) 第12条(契約締結費用の負担) 第13条(合意管轄)
【3】逐条解説
第1条(被担保債権の表示)
担保される債権の詳細を明確に定める条項です。金銭消費貸借契約に基づく元金、利息、遅延損害金、弁済期などを具体的に記載します。例えば100万円を年利5%で貸し付け、1年後に返済する場合の全ての債権が対象となります。
第2条(譲渡担保の設定)
自動車の所有権を債権者に移転する核心部分を規定しています。借り手が車を手放すわけではなく、担保として所有権のみを移転させる仕組みです。登記上は貸し手名義となりますが、実際の使用は借り手が継続します。
第3条(保証)
自動車に他の権利が設定されていないことを借り手が保証する条項です。既に他社の担保に入っている車両や、リース契約中の車両などでは問題が生じるため、クリーンな状態であることを確約させます。
第4条(登録名義書換等)
名義変更手続きに関する実務的な取り決めです。借り手は必要書類を提供し、貸し手が名義変更を実行します。手数料も借り手負担とすることで、貸し手のコスト負担を軽減しています。
第5条(使用貸借及び管理等)
借り手が引き続き車両を使用できる根拠を定めています。無償での使用貸借という形をとり、善良な管理者としての注意義務を課します。税金や修理費用も借り手負担とし、第三者からの法的手続きがあれば即座に通知する義務も定めています。
第6条(付保険)
自動車保険への加入義務と、保険金の取り扱いを規定します。事故や盗難時に貸し手が直接保険金を受け取れるよう手続きを整え、受領した保険金は債権の弁済に充当できる仕組みとしています。
第7条(禁止事項)
借り手の行為制限を明確にした条項です。用法違反、第三者への貸与、無断処分、保管場所変更などを禁止し、担保価値の保全を図ります。例えば乗用車をタクシー営業に使用したり、勝手に売却することなどが対象となります。
第8条(期限の利益喪失)
契約違反があった場合の措置を定めています。催告なしに即座に全額返済義務が生じる厳しい条項で、借り手の契約遵守を促す抑止効果があります。軽微な違反でも適用される可能性があるため注意が必要です。
第9条(受戻し)
正常に返済が完了した場合の車両返還手続きを規定しています。債務不履行があっても処分前に弁済すれば車両を取り戻せる機会を与えており、借り手保護の観点も含まれた条項です。
第10条(本件自動車の使用権限の消滅)
返済遅延や期限の利益喪失時に、借り手の使用権が自動的に消滅することを定めています。通知不要で即座に効力が生じるため、貸し手にとって車両回収の法的根拠となる重要な条項です。
第11条(譲渡担保権の実行)
担保権実行の具体的手続きを詳細に規定した条項です。車両の引き渡し、売却、代金の充当、残債務の請求、清算金の返還まで一連の流れを網羅しています。オークションでの売却や中古車業者への売却など、様々な処分方法が可能です。
第12条(契約締結費用の負担)
契約書作成や公証人費用などの負担を各自とする条項です。公平性を保ちつつ、過度な費用負担を避ける配慮がなされています。
第13条(合意管轄)
紛争時の裁判所を事前に指定する条項です。管轄の明確化により、迅速な紛争解決を図る目的があります。債権者の本店所在地の裁判所を指定するケースが一般的です。
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