【改正民法対応版】性感染症による損害賠償に関する示談書.docx

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【改正民法対応版】性感染症による損害賠償に関する示談書.docx

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【1】書式概要

この「性感染症による損害賠償に関する示談書」は、親密な関係において一方が他方に性感染症を感染させた場合の法的解決を図るための包括的な合意文書です。この雛型は、当事者間の紛争を裁判外で解決し、相互の権利義務関係を明確化することで、公正かつ迅速な問題解決を可能にします。

 

本示談書は、民法第709条の不法行為責任に基づく損害賠償請求権を基礎としており、感染の事実関係の確認から始まり、損害の具体的な内容、賠償金額、支払い条件に至るまで詳細に規定しています。特に、治療費、通院交通費、薬剤費、検査費用、休業損害、精神的苦痛に対する慰謝料など、性感染症による被害の多岐にわたる損害項目を網羅的に盛り込んでいます。

 

支払い方法については、一括払いと分割払いの選択肢を設け、分割払いの場合の期限の利益喪失条項も明記しています。また、賠償金支払い後に追加治療が必要になった場合の対応や、その因果関係の証明方法についても規定しており、将来的なリスクにも対処できる設計になっています。

 

秘密保持条項では、プライバシーに関わる繊細な事項であることを考慮し、内容の第三者への開示を原則禁止しつつ、法令に基づく開示義務がある場合や専門家への相談など、合理的な例外を設けています。さらに、SNSなどでの情報拡散による風評被害の防止にも言及し、当事者の社会的評価やプライバシーを保護する配慮がなされています。

 

本文書が適用される具体的な場面としては、交際関係にあったカップル間での感染事例、婚姻関係にある夫婦間での感染事例、または一時的な関係における感染事例などが想定されます。特に、感染させた側が感染の事実を知りながら、または知り得べき状況にありながら告知せずに性的関係を持った場合に、被害者が法的救済を求める際の有効な手段となります。

 

また、再発防止や第三者への感染防止についても言及しており、公衆衛生上の観点からも意義のある内容となっています。感染者に対して定期的な検査受診や適切な治療を促すことで、更なる感染拡大を防止する社会的責任も盛り込まれています。

 

適宜ご編集の上でご利用いただければと存じます。2024年4月1日施行の改正民法対応版です。

 

〔条文タイトル〕
第1条(目的)
第2条(事実の確認)
第3条(乙の責任)
第4条(損害の内容)
第5条(損害賠償金)
第6条(支払方法)
第7条(遅延損害金)
第8条(期限の利益の喪失)
第9条(追加治療の必要性)
第10条(診断書等の提出)
第11条(完全合意)
第12条(秘密保持)
第13条(風評被害の防止)
第14条(連絡方法)
第15条(通知)
第16条(再発防止)
第17条(第三者への感染防止)
第18条(修正)
第19条(合意管轄)
第20条(準拠法)

 

【2】逐条解説

第1条(目的)
この条項では示談書の目的を明確にしています。性感染症の感染に関する損害賠償および今後の対応について定めることを主旨としており、この文書が何のために作成されるのかを明示しています。当事者間の合意の範囲と目的を明確にすることで、後の解釈の齟齬を防ぐ役割を果たします。

 

第2条(事実の確認)
当事者間で争いのない事実を確認する条項です。交際関係の存在、乙(加害者)の感染症罹患の事実、告知義務違反、甲(被害者)の診断結果、治療費等の支出という一連の事実関係を明記しています。特に、乙が感染を「知りながら」または「知り得べき状況にありながら」告知しなかった点を明記することで、過失または故意による不法行為の成立要件を満たしていることを確認しています。

 

第3条(乙の責任)
民法第709条の不法行為責任に基づく損害賠償義務があることを乙が認めるという条項です。法的責任の根拠を明確にすることで、示談の法的基盤を強化しています。また、誠実な対応と義務履行の約束を含めることで、示談の実効性を担保しています。

 

第4条(損害の内容)
損害の具体的な内容と金額を列挙しています。治療費、通院交通費、薬剤費、検査費用といった直接的な経済的損害に加え、休業損害や精神的苦痛に対する慰謝料も含めることで、包括的な損害の填補を図っています。各項目を明確に区分することで、賠償額の算定根拠を透明化しています。

 

第5条(損害賠償金)
総額での損害賠償金を確定し、それが示談締結時点での一切の損害を含むことを明記しています。これにより、後から「この損害は含まれていなかった」という主張を防ぎ、示談の安定性を高めています。

 

第6条(支払方法)
賠償金の支払い方法について、一括払いと分割払いの選択肢を設け、具体的な支払いスケジュールと振込先を明示しています。支払い条件を明確にすることで、履行の確実性を高め、紛争予防につながります。振込手数料の負担を明記することで、細部にわたる取り決めを行っています。

 

第7条(遅延損害金)
支払い遅延の場合の遅延損害金の算定方法を定めています。これにより乙に期限内の支払いを促す動機付けとなり、甲の権利保護にもつながります。

 

第8条(期限の利益の喪失)
分割払いの場合に、特定の事由が発生した際に残債務を一括して支払う義務が生じることを規定しています。乙の信用不安事由や契約違反があった場合の対応を明確にすることで、甲の債権保全を図っています。

 

第9条(追加治療の必要性)
示談成立後に追加治療が必要になった場合の取り扱いを定めています。因果関係の医学的証明を条件とし、追加治療費の上限と期間制限を設けることで、乙の負担の予測可能性を確保しつつ、甲の将来的なリスクにも対応しています。

 

第10条(診断書等の提出)
乙の要求がある場合に、甲が医療関連の証明書類を提出する義務を定めています。ただし、取得費用は乙負担とすることで、甲に不当な負担がかからないよう配慮しています。これにより、乙は支払いの根拠となる証拠を確認する機会を得られます。

 

第11条(完全合意)
乙が示談書の義務を履行することを条件に、甲がそれ以外の請求権を放棄することを定めています。ただし、乙が義務不履行や重要事実の隠蔽があった場合は、新たな請求が可能とする例外も設けており、バランスの取れた規定となっています。

 

第12条(秘密保持)
示談内容と関連事項の秘密保持義務を定めています。プライバシー性の高い内容であることから、原則として第三者への開示を禁止し、例外として法令に基づく開示義務や専門家相談などの合理的な場合を限定列挙しています。違反時の違約金も定めており、実効性を担保しています。

 

第13条(風評被害の防止)
互いの名誉・信用を毀損する言動の禁止、特にSNS等での情報開示・暗示的投稿の禁止を定めています。デジタル時代における風評被害の重大性を考慮した現代的な条項です。

 

第14条(連絡方法)
当事者間の連絡方法と連絡先変更時の通知義務を定めています。円滑なコミュニケーションを確保し、連絡不能による紛争を予防する効果があります。

第15条(通知)
正式な通知の方法と到達みなし時点を明確にしています。法的効果を発生させる通知について、明確なルールを設けることで、後の紛争を防止します。

 

第16条(再発防止)
乙に対して、定期的な検査受診など再発防止のための措置を求める条項です。単なる損害賠償にとどまらず、将来的な健康管理責任にも言及している点が特徴です。

 

第17条(第三者への感染防止)
さらに乙に対して、第三者への感染防止のための適切な治療と感染拡大防止の努力を求めています。個人間の示談でありながら、公衆衛生的な観点も取り入れた社会的責任を盛り込んでいます。

 

第18条(修正)
示談書の修正方法を定めています。書面による署名捺印または記名押印という厳格な方式を要求することで、安易な変更を防ぎ、示談の安定性を高めています。

 

第19条(合意管轄)
紛争発生時の管轄裁判所を定めています。予め合意管轄を定めておくことで、裁判となった場合の手続きの明確化と迅速化が図られます。

 

第20条(準拠法)
示談書の解釈に適用される法律を日本法と定めています。国際的要素がある場合に重要となる条項で、準拠法を明確にすることで法的安定性を確保しています。

 

この示談書は、事実関係の確認から始まり、損害賠償の具体的内容、支払条件、将来的なリスク対応、秘密保持、紛争解決方法まで、包括的かつ詳細に規定されています。性感染症という繊細な問題に対して、当事者の権利保護とプライバシー配慮のバランスを取りながら、法的に有効な解決を図るための工夫が随所に見られる内容となっています。

 

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