【1】書式概要
改正民法に完全対応した事業譲渡契約書の実践的なテンプレートです。
実際のビジネスシーンで頻繁に活用されるこの契約書は、法律の専門知識を要するデリケートな企業間取引を安全に進めるための必須文書として広く認知されています。特に小規模企業の事業承継や事業部門の売却、新規事業への参入といった重要な経営判断を行う際に、適切な法的保護を確保する上で極めて重要な役割を果たします。
改正民法の要件を満たした本書式は、譲渡対象の明確な定義から競業避止義務、損害賠償条項まで、取引に必要不可欠な12条の条項を網羅。さらに、実務経験豊富な法律専門家の視点を反映し、トラブル発生時のリスクを最小限に抑える配慮がなされています。中小企業経営者から法務担当者まで、幅広い方々に支持される理由はその実用性の高さにあります。
煩雑な法律用語をできる限り平易な表現に置き換えつつ、法的効力は厳密に維持。カスタマイズも容易で、個々の取引内容に応じて柔軟に対応可能です。経営に関わる重要な局面で、安心して事業譲渡を進めるための強力なサポートツールとなるでしょう。
〔条文タイトル〕
第1条(基本的事項)
第2条(引渡等)
第3条(従業員)
第4条(譲渡条件)
第5条(表明・保証)
第6条(善管注意義務)
第7条(競業避止義務)
第8条(守秘義務)
第9条(解除)
第10条(損害賠償責任)
第11条(協議解決)
第12条(合意管轄)
【2】逐条解説
第1条(基本的事項)
本条では事業譲渡の基本枠組みを明確化しています。特に重要なのは譲渡価格設定の客観性を確保するメカニズムで、監査法人による第三者評価を盛り込むことで価格の公正性を担保している点です。
第2条(引渡等)
物件引渡しの具体的手続きを定めており、対抗要件の手続きについても明記。特に不動産や債権など登記・登録を要する物件の取り扱いについて、両当事者の協力義務を明確化しています。
第3条(従業員)
従業員の承継に関する規定で、雇用関係の継続性を保証。労働契約の詳細については別途協議することとし、従業員の権利保護と企業運営の継続性の両立を図っています。
第4条(譲渡条件)
事業譲渡を有効に成立させるための前提条件を列挙。会社法上の手続きや独占禁止法の遵守など、法的要件の充足を明確に規定し、取引の適法性を担保しています。
第5条(表明・保証)
譲渡人の表明・保証事項を詳細に規定。財務の健全性や法的リスクの不存在を確認することで、譲受人の利益を保護。違反時の解除権も明記し、買手のリスクを最小化しています。
第6条(善管注意義務)
譲渡実行までの期間中、譲渡人に対し善管注意義務を課し、事業価値の維持を確保。譲受人の事前承諾なく重大な変更を加えることを禁止し、取引の公正性を維持しています。
第7条(競業避止義務)
30年という長期の競業避止義務を定め、事業の継続性と投資価値を保護。この期間設定は判例法理に基づき、合理的な範囲内での制限として機能します。
第8条(守秘義務)
機密情報の保護規定で、取引に伴う情報漏洩リスクを管理。例外条項を明確に定めることで、必要な情報共有と機密保持のバランスを確保しています。
第9条(解除)
契約違反時の解除権を明確化し、特に譲受人の事業開始が不合理に遅延する場合の保護を図っています。損害賠償請求権の留保により、実効性ある救済を確保。
第10条(損害賠償責任)
損害賠償の一般条項として、契約違反時の責任関係を明確化。解除・解約時の損害についても規定し、法的紛争の予防と迅速な解決を促進しています。
第11条(協議解決)
合意による柔軟な問題解決を促す協議条項。訴訟リスクを回避し、ビジネス関係の維持に配慮した規定となっています。
第12条(合意管轄)
紛争時の管轄裁判所を指定し、訴訟対応の効率化を図ります。合意管轄により、両当事者にとって予測可能性の高い紛争解決手続きを確保しています。