【1】書式概要
この一般不動産投資顧問契約書は、不動産投資に関する助言業務を依頼する際に活用できる、改正民法に対応した契約書テンプレートです。
この契約書テンプレートは、不動産投資の専門家からの一般的な助言を受ける際の権利義務関係を明確にし、トラブルを未然に防ぐために必要な条項を網羅しています。投資判断はあくまで依頼者自身が行うことを前提としながらも、アドバイザー側には必要な許認可の取得・維持義務や善管注意義務を課すなど、バランスの取れた内容となっています。
特徴的な条項として、業務範囲の明確化、許認可等に関する詳細な規定、反社会的勢力の排除条項が含まれており、最新の法令や社会情勢に対応した内容となっています。また、月額報酬制を採用し、契約期間や解約条件も明確に定められているため、長期的な助言関係を構築する際にも安心してご利用いただけます。
契約書の空欄部分(●●●●)には当事者の情報や具体的な金額等を記入するだけで、すぐにご利用いただける実用性の高いテンプレートです。不動産投資を検討されている個人投資家の方や、投資助言業を営む専門家の方々に最適な契約書雛型となっています。
〔条文タイトル〕
第1条(目的)
第2条(業務内容)
第3条(業務の範囲と制限)
第4条(許認可等)
第5条(善管注意義務)
第6条(報酬)
第7条(秘密保持)
第8条(契約期間)
第9条(解約)
第10条(免責事項)
第11条(協議事項)
第12条(反社会的勢力の排除)
第13条(管轄裁判所)
【2】逐条解説
第1条(目的)
この条文は契約の基本的な目的を定めています。本契約は、乙(投資顧問)が甲(依頼者)に対して一般的な不動産投資に関する助言を行うことを明確にしています。この条項により、契約の本質と両当事者の関係性が明示されます。
第2条(業務内容)
顧問が提供する具体的なサービス内容を列挙しています。市場動向分析、投資戦略提案、評価方法の説明、情報提供など、基本的な助言業務の範囲を明確にしています。「その他、甲と乙が合意した事項」という柔軟性を持たせる条項も含まれており、必要に応じてサービス範囲を拡張できるようになっています。
第3条(業務の範囲と制限)
この条項は、投資顧問業務の限界を明確に設定しています。特に重要なのは、乙の業務が「一般的な助言にとどまる」点と、個別の取引推奨や運用指図、仲介行為を行わないことを明示している点です。また、最終的な投資判断は甲の責任であることを明確にし、責任の所在を明らかにしています。
第4条(許認可等)
投資顧問業務に必要な法的資格について詳細に規定しています。乙は金融商品取引法に基づく登録など法令上必要な許認可を有していることを保証し、それを維持する義務を負います。万が一許認可を失った場合の通知義務や損害賠償責任も明記されており、コンプライアンス面での安全性を高めています。
第5条(善管注意義務)
乙が業務遂行において「善良な管理者の注意」をもって行う義務を定めています。これは民法上の基本的な義務であり、投資顧問として専門家としての適切な注意と配慮をもって業務にあたることを求めています。
第6条(報酬)
報酬に関する取り決めを規定しています。月額制の報酬体系を採用し、支払い方法(銀行振込)と期限(月末)を明確にしています。金額については当事者間で個別に設定できるよう空欄となっています。
第7条(秘密保持)
契約を通じて知り得た相手方の機密情報の取扱いについて定めています。両当事者に守秘義務を課し、事前の書面による承諾なしに第三者への開示を禁止することで、情報管理の徹底を図っています。
第8条(契約期間)
契約の有効期間を1年と定め、自動更新の仕組みを規定しています。期間満了の1ヶ月前までに異議申し立てがなければ自動的に1年延長される方式を採用しており、長期的な関係構築に配慮した設計となっています。
第9条(解約)
契約終了に関する手続きを規定しています。通常解約(1ヶ月前の書面通知)と債務不履行等による即時解除の両方のケースに対応しており、契約関係を適切に終了させるための手続きを明確にしています。
第10条(免責事項)
投資顧問の責任範囲を明確に限定する条項です。乙が提供した助言に基づいて甲が行った投資結果については、乙は責任を負わないことを明記しています。投資には本質的にリスクが伴うことを前提とした規定です。
第11条(協議事項)
契約書に明記されていない事項や解釈に疑義が生じた場合の解決方法を定めています。当事者間の誠実な協議による解決を基本方針とすることで、予期せぬ状況にも柔軟に対応できるようにしています。
第12条(反社会的勢力の排除)
反社会的勢力との関係遮断を明確にする条項です。両当事者が反社会的勢力に該当しないことの表明保証、反社会的勢力との関係性の具体的な定義、違反時の無催告解除権、損害賠償関係など、詳細かつ包括的に規定しています。現代の契約実務において重要性の高い条項です。
第13条(管轄裁判所)
紛争発生時の管轄裁判所を指定する条項です。特定の地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所と定めることで、訴訟となった場合の手続きを明確にしています。具体的な裁判所は当事者間で合意して記入する形式になっています。